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あの子僕がゴメンと謝ったらどんな顔するだろう。


荒波タテオさんの持っている「やきまる」という焼肉用グリルが欲しいと思って、2分悩んで購入した。

コレがあれば君を誘えるじゃないかってタテオさんにマスオチョップ西園さんにバベコンブ川副さんを家に誘った。焼肉をやって酒を呑みたい。と。


各々生活がある中で集まれるのも容易ではないが全員ネオニート。まあまあ無理すれば集まれる。

そうして集まって焼肉をやった。
何となく僕の家なので僕が肉を焼いていたのだけど、そのことで酒を飲めてない、肉を食えてないと可哀想に思った川副さんが僕の皿に焼き上がった肉を乗せてくれた。
そんな川副さんを僕は殴ってしまった。


「川副のことだ、俺が焼き始めた肉を焼けてもないのにそのまますぐに俺の皿に入れたのだ‼︎」
と被害妄想爆発して
「余計なことすんじゃねぇ!」
とぶん殴ってしまったのだ。

「いってぇ!」
川副さんはのたうち回った。

「なんだよぉ!タケイ君が食えてないなと思って肉を取ったのに!何なんだよぉ…‼︎」
と。

僕は何てことをしてしまったのだ。勘違いで人を傷付けてしまった。
川副さんは優しいのだ。それを僕は。

買ったばかりのカセットテープをスープに付けたり、
毎回のように待ち合わせに遅刻したり、
カラオケに行ったらいつの間にかいなくなってフリータイムのほとんどの時間を川副さんを探す時間に費やしたり、
僕の家に来た時そっと勝手にTシャツを持って帰ろうとしたり、
交換したカセットテープをすぐに売っぱらったり、
そんな事をしたから川副は余計なことをするというのは僕自身が過去の川副に囚われているせいではないか。
川副さんは僕に肉を取ってくれたのだ

「ゴメン」

その言葉が出なかった。何となく怒りで誤魔化してしまった。

嗚呼。僕はいつまで子供なのだろう。悪いことをしたら謝るのが筋じゃないか。
こんな僕を誰が好いてくれるというのか。

そう思って取ってくれた肉を見ると半生であった。

いつか素直に謝れる人間になりたいと強く思った日だった。


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