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東池袋 お食事処さつきのとろアジフライとイカフライ定食


ランチ難民だった。


先輩の門田さんと一緒にお笑いライブに出ることになり僕は池袋へ向かった。
集合時間は16時。しかし僕は色々と自分の作業をしたい為早めに家を出た。

到着したのは13時半、作業をするには良い時間である。

池袋東口を出た僕は腹が減っていた。
どこかで飯を食った後カフェーにでも入って優雅に書き物をしようじゃないか。

以前池袋に来た際プラプラしていたら良い感じの洋食屋を見付けた。
良いじゃないか良いじゃないかと例に漏れず入るとそこは寺門ジモン行きつけの店だった。
僕は寺門ジモンのYouTubeや取材拒否の店という番組を録画して何度も見るほどジモンフリークである。

そんな僕の感性に従って入った店がジモン行きつけ。
最高ではないか。
そしてやはり美味かった。


そんな経験があるから僕は適当に歩き出した。
それが良くなかった。

ここから良い雰囲気の店の匂いがする、ここの路地はどうかな、こういう所に良い店があるんだ、インロウタキンめ。
などと井之頭五郎から途中町田町蔵になりながらも僕はズンズン歩いた。
そして歩けども歩けども全く入りたい店が見つからない。

チェーン店は入りたくない。
かと言って居酒屋がランチをしているのを気になって見ると出来合いのオカズ。
そそられずまた店を求め歩いた。


30分くらい歩いて思う。

「僕には良い店を見つけるアンテナがない」
と。


すぐにスマフォを取り出しグーグルマップ。検索単語は「定食屋」
見るといくつも出てくるがチェーン店ばかり。


おいおいそういうことじゃないんだよ、と今度はGoogle検索で「池袋 定食屋」と入力。
丹念に調べてみると近くにそれはあった。
早速僕は歩き出しその店に向かった。



「お食事処さつき」
まるで幼稚園の出し物のような無垢な色使いにフォント。飲食界のミキハウス。



見るとメニューも豊富であり悩んでしまった。
何となく生姜焼きが食べたい気分だったが、僕の中で生姜焼きは外れるところがないのであまり頼まない。
どうせ冒険するなら他のものが良い。

僕は数あるメニューから「とろアジフライ&イカフライ定食」を頼んだ。


中に入ると店員がこちらにどうぞと水を席に用意してくれた。
窓側の席に通され、窓際は良いなぁと思って窓の外を見るとビルの壁。下を見ると駐車場と立地を恨んだ。


そうして料理は出てきた。






出てきたフライは高く美しく盛り付けられ、多めのご飯、




キャベツがたっぷり入った味噌汁に小鉢は2品。
フライと共に添えられているのはドレッシングと自家製のタルタルソース。

タルタルソースもしみったれた量では無くたっぷり使ってくれと言わんばかりの量が添えられ、オシャレに付けられた別入りのドレッシングにも気品を感じた。



小鉢はひじきの煮物と厚揚げの煮物。
豚肉が入っているのも嬉しい。

ひじきも絶妙な甘さでご飯に合い、煮物は特に美味しかった。

作り置きですぐに提供されるこの煮物は時短の為冷たいがそれでも美味く、昔誰かが言ってた「本当に美味いものは冷えても美味い」というのを体現していた。


僕は大満足で店を後にした。
そして店を出て気付いた。出演する劇場の目と鼻の先だった。

これはまたこの劇場に出る際は来いと言ってるのと同義。
良い店を見付けた。
またこの劇場に出る予定は一切無いが、出演する際は是非食べに来よう。


その後喫茶店に入った僕は満腹で作業に集中出来ず、全く捗らなかった。
腹八分目という言葉が沁みた。


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タケイ ユウスケ
夢の一つに自分の書く文章でお金を稼げたら、 自分の書く文章がお金になったらというのがあります。