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広報担当者として発信を始めて、3ヶ月間で得た気付きをまとめてみる。

こんにちは。都内の保険会社で人事をしているたけいと申します。

人事としてのキャリアのスタートは新卒採用(2024年卒採用より人事未経験でプロジェクトの立ち上げから関わっています)からでしたが、広報社内研修の企画・運営組織開発などの領域にも関わっています。こうやって書くとなんだかカッコ良さげですが、要するに何でも屋さんです。

広報担当者として発信を始めて3ヶ月が経ちましたので、今回の記事ではこれまでの期間で得た気付きについてまとめていきたいと思います。



どのような体制で広報を行なっているのか


僕の所属する会社は役職員数30名の小さな会社。広報をリードする部門(広報部はない)を中心に、外部へ情報発信をするメンバーが集まってチームとしてまとまっています。メンバーの構成はこのようになっています。

広報リード部門:プレスリリースの作成、メディア対応
マーケティング担当:SNSの運用(X・Instagramなど)、コラムの作成依頼など
採用担当(たけい):note・Notionの運用、採用媒体の運用

広報活動をするために担当者ごとに役割分担をしたのではなく、各部門で独自に行なっていた広報に関連する活動を行なっていた担当者をチームとして集約したという形になります。この辺りの事情は企業ごとに変わってくるのではないでしょうか。


広報に関わるまで


・ ほとんど何もなかったスタート地点

先述した通り、所属している会社はもともと新卒採用をしておらず、僕が入社した当時は広報へのウェイトは低い状態。商品発売などの機会があればプレスリリースの配信やメディアへの露出をしていましたが、ブランディングや法人としての人格を深掘りや、自社の取り組みをまとめた媒体はありませんでした。

ざっくりまとめてしまうと「いい保険商品を販売しているから、お客さまから支持をいただいているし、メディアに取り上げられることもあるけれど、自社をどのように見せたいかは自分たちのなかでも決まって(わかって)ないし、これまでの取り組み内容をまとめたものなんて存在しない」といったところ。

つまり、新卒採用の場面でアピールできる情報も最低限しかないということです。これは非常にまずい。情報が少ないと採用担当者にとっては「説明会で何を話したら良いのか」悩むことになり、候補者にとっては「会社への解像度が低くて、自分の働くイメージができない」という状況が生まれます。

そこで会社のこともほとんどわかっていなかった僕が採用の仕組み作りと同時に行ったのが、会社の取り組みの内容(魅力)の整理でした。

ここまで採用中心で語っていますが、商品販売の場面においてもお客さまが保険契約を結ぶにあたって、会社の実態がわからないと不安を与えてしまったり、機会損失にも繋がると感じています。

noteプロデューサーの徳力さんが「日本の企業はまだまだ出している情報が少なく、商品を買う際に顧客は企業名だけでなく社長名や創業の経緯を調べることが多い」とおっしゃっていましたが、企業が情報を出していくことや調べればわかるという状態(個人の主観ですが、商品について調べても詳しくわからないケースって結構あると思います)を作り出すことはとても大事だと思います。


・ Notionで情報公開をした

取り組みの整理を行い、資料に落とし込んで2024年卒採用は何とかやり切ったという状況でしたが、そこで感じたのは

・会社説明会の内容だけでは伝えたいことを伝えきれない。
・伝えている内容が本当に候補者の知りたい情報(に刺さる情報)かわからない。

ということです。特に新聞などのメディアにどのように取り上げられたかは、第三者の目線であるということもあり、採用担当者としては積極的に伝えていきたい情報でした。とはいえ説明会のなかで全てを伝えるのは難しい。

そこで2025年卒採用でまず取り組んだのが候補者が任意のタイミングで閲覧することができる会社情報のメディアの作成でした。

ちょうど青田努さん@AotaTsutomu)が講師をされている『採用を体系的に学ぶ会』に参加していた時期だったということもあり、オウンドメディアを育てていくことの重要さを強く感じていたということもきっかけのひとつです。


こちらは実際に作成したNotionのページです。

トップページの様子
公開当初のタイトルは『ぜんちの採用ベース』でした。

会社情報を網羅的(本当の完成はまだまだ先になりそうですが)に記載したトップページと採用情報に特化したサブページというシンプルな構成になっています。要件定義と構成を検討したうえで作成を行い、公開したのは冬期の1Day仕事体験の募集を始めた昨年11月でした。

メディア掲載歴をまとめたページ
散逸しがちな情報を一覧化したことで自分が助けられることも多いです。
社内の情報をわざわざ調べる時間ってもったいないですからね。

ページを作成をするうえで参考にしたのは株式会社ゆめみさんの『ゆめみのオープンハンドブック』です。企業のNotion活用事例におけるひとつの到達点だと思います。ぜひご覧いただければと思います。


2025年卒採用の面談・面接時に「Notion見ました!」と言ってくださる候補者も多く確かな手応えを感じましたが、情報をひとまとめにしておくことは採用以外でもたくさんのメリットがありました。

・新入社員や中途入社者のオンボーディングや研修に利用できる。
・ステークホルダーに会社情報をひとまとめにして共有できる。
・資料を作るときの拠り所になる(あちこち調べなくて済む)。

操作も直感的に行えて、情報の追加・更新も手軽にできるというところが運用していて特に良いと思えるポイントです。(システム的な意味で)データベース的な活用はまだできていないので、そこを今後勉強したいと思っています。

ただ、この運用の仕方には課題もありました。情報を置いておくというスタンスを取っていたので「会社のことをカタログスペック的に知ってもらうことはできても、それだけでは現場の温度感を伝えるのが難しかった」のです。

「網羅的な情報」と「深掘りされて温度感のわかる情報」を相互に行き来しながら理解を深めてもらいたい。いわばNotionの補完をできるパートナーのような存在が必要でした。


noteの運用をはじめた


Notionの作成に着手したのは昨年の10月で、その時からある意味で広報的な活動は行なっていたのですが、個人的にはnoteの運用を開始した今年の7月が広報としての本格的なスタート(名刺にも肩書きが増えました)だと考えています。タイトルの3ヶ月間は7月〜9月までの期間のことを指しています。

大変ありがたいことに、保有契約数が60,000件を超えたということや新卒採用がこれから夏の採用に向かっていく時期で情報発信を強化したいと感じていたなど、様々なことが重なったタイミングということもあってnoteの運用が始まりました。

ちなみにどうして僕がnoteの担当者をしているかというと、いちばんの理由は言い出しっぺだからです。とってもシンプル。

もうひとつの理由は会社のnoteの運用を始める前に個人でnoteを書いていたから。そのメディアで何ができるのか・できないのか(表現の幅)や媒体が持つ世界観を知っておくのは非常に重要です。

中学生の頃からブログ(といってもかなりいい加減なもの)を同級生と一緒に書いて遊んでいており、ウェブ上で発信するということに抵抗感がなく、相性が良いこともありました。そのおかげか、発信してもすぐに成果に繋がるわけではないということが身にしみており、良い意味で発信することへの期待値を下げつつ、長く続けることにポイントを置くことができています。

また、自前のカメラを持っているので、記事のために必要な写真をその場で撮ること(撮らせてもらうこと)もできます。欲しい素材をすぐに手に入れられるのはとても便利です。

仕事でも趣味でも使っているカメラ


note運用を開始してから数週間後に『法人note勉強会』の存在を知りました。何もかも独学で進めるのは良くないと思い、noteの基本的な考え方を学ぼうと参加。勉強会の様子やベースにしている運用方法・考え方について、下記の記事内で紹介しておりますのでよろしければご覧ください。


3ヶ月間のnote運用で大事にしていたこと


note運用のベースとなる考え方は先述の記事内で紹介しているので、ここでは自社でnoteを運用するうえで大事にしていることをお伝えしていきます。

① Notionを相互補完するような形で記事を書く。
noteには「現場の温度感」を伝えるためのNotionのパートナー的役割を担わせており、いずれはNotionの全ページにnoteの記事をリンクさせることを目標としています。

Notionとnoteをリンクさせたページの様子


② とにかく色々なパターンの記事を公開する。
3ヶ月間で書いた記事は以下のような内容となります。

・採用候補者、お客さまの両方が知りたいと思う記事(会社の基本情報)
・採用関係者向けの記事(採用の動向など)
・社員インタビューや座談会の記事
・会社の取り組みに関する記事(Notionページの補完も目的)
・プレスリリースをnote向けに再編集した記事
・社外向けイベントの告知の記事

今後は商品の紹介やディスクロージャーの記事など、ドキュメントを読み込まないと理解しにくいような内容をnote側からサポートしたり、社員個人へのインタビューもしていきたいと考えています。(肖像権に関する同意が必要なのでその準備があります。)

また、一度公開した記事についても「その後」や「〇〇年版」という形で書くことができるので、メディアとしての厚みを出すことに繋げられます。そういった記事を書くことも今後の楽しみになっています。


③ 短いスパンでどんどん公開する。
noteには「100記事公開される頃にはアクセスが増えて、全体的な記事のビュー数も安定するという神話」があります。(神話の背景には100記事書く間にクリエイターのキャラクターや記事の方向性が定まって、クオリティも高くなるという前提があるはず。)

神話にあやかるわけではないのですが、仮に月に2記事しか書かなかった場合、年間で24記事しか公開できないわけです。その量で果たしてメディアと言えるのかについては考えてみる必要があると思います。

ちなみにnoteでの情報発信に力を入れている株式会社イシダテックさんは3年間で181本の記事を公開されています。年間約60本、月間約5本のペースです。すごい。

というわけでイシダテックさんを見習って毎週1〜2本記事を公開しています。

自社noteの公開状況
流石に夏季休暇中(11連休)の公開はお休みしました。

『法人note勉強会』でnoteプロデューサーの徳力さんがおっしゃっていたのは「3ヶ月間コンスタントに記事の公開を続けると、コメントがもらえるなど小さな変化が生まれてくる」ということでした。

その時は何かが変わったら嬉しいなと思っていたのですが、9月に入って取引先の方から「いつもnote読んでます!〇〇の取り組みがとても良いと思ってまして〜」と声をかけていただきました。

noteを読んでくださっている方は必ずしも自身のアカウントを持っているとは限らないため、必ずしも反応がスキ数に反映されるわけではないのですが、リアルな声をいただけるということは小さいながらも成果に繋がっていることだと思います。まずはコアファンに向けたコンスタントな発信を大事にしたいです。


おわりに


最後までお読みくださりありがとうございました。これから広報に力を入れていきたいと考えられている方に、少しでもお役に立つことが出来ましたら幸いです。

半年後、1年後には新たな発見があると思いますので、また記事にします!

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