「広告がなくなる日」の巻。
今回は、
株式会社カラス CEO 牧野 圭太 さん
株式会社arca CEO 辻 愛沙子 さん
のお二人が観ている未来の「広告」をトークテーマとして、より深く解説していただきました!
お二人の会社は、アイデアとクリエイティブを武器に、広告と社会課題をリンクさせ、売上・認知に留まらず社会を一歩前に前進させる企画を手掛ける社会派クリエイティブエージェンシー。
1、「広告がなくなる日」について
良いものを作ったらみんながシェアしてくれる世の中になってきている。
広告をするのではなく、良いものを作ることにもっと注力をすれば良い。
▶良いものの定義
良いもの=機能的なもの ではなく、
情緒やデザインなど感覚的に面白いという部分を含めての良いもの。
これからは広告のアウトラインが広がる。線引きが曖昧になってきている。
新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、デジタル広告、SNSだけではない。
例えば、
タピオカ屋で参院選のキャンペーンやったり、
広告の作り手が演者としても出たり。
広告がなくなるわけではなく、広告の形が変わる。
従来型の広告ではなく、新しい形の広告が増えていく。
2、果たしてそれは広告と呼べるのか?
良いものを作って、誰かがそれに気づいてツイートして、それがバズる。
その導線づくりも広告になるのではないか。
▶ケリング
エマ・ワトソンら、ケリングの取締役に就任。
今までの広告は、この商品を伝えたいとか、うちの会社をもっと知ってほしいみたいな一方通行なものだった。
ネームバリューのあるエマ・ワトソンを取締役に入れることによって、話題になったり、みんなに知ってもらえるよねみたいな短絡的なものではなく、サステナビリティの活動をしていた彼女を取締役に就任させることによって、ケリングがそこに本気を出していることが伝わる。会社の意思みたいなものが反映される。
3、新しい「広告」のネーミング
▶ブランドジャーナリズム
ブランドが世の中を批評するアクションを起こす。
ブランドが世の中に対してこう思っているということを発信すること。
▶クリエイティブアクティビズム
これおかしいでしょ!ってことをユーモアをもって表現する
表現方法を変えて多くの人に発信する
クリエイティブで社会に貢献する
彼らの会社は「広告代理店」にあらず。
4、最近のツイートに関して
▶SPUR 生理用ナプキン無料配布
企業が社会課題にアプローチしたブランドジャーナリズムの一例。
▶ミルボン ガールズパワー
女子力って何だろう?
美容の在り方とは?美しさとは?
女子力は「控えめ、一歩下がる、料理ができる」とかを想像しがち。
女子力高いね!は固定概念。
女子力=ガールズパワー で絶対的なものはない。
それぞれが持っている多様性を髪の毛で表現した。
▶○○女子について
過去の広告が炎上している理由は
社会課題の解像度が上がってきているから。
5、学ぶ機会について
これまでは上司から部下に教えがあった。
技術・経験・歴史とかはもちろん学べる。
現代では、過去から学ぶだけではなく、視点の数を意識する。
自分の視点が全てではないってことを前提でコピーを書かないといけない。
視点の多さ=親切心
上司だけではなく、別の視点を持つ人から意見をもらう。
想像力を追求する上ではツイッターは優秀である。
意見が偏っていたら、その逆を想像する。
6、現代社会で思想を通すことの難しさ
▶ブランドパーパス(企業の存在目的)
社会性を考えすぎても、会社とかけ離れてたら違う。
なぜその会社がやるのか?ということが大事。
企業が持っていない課題を社会課題だからということで、
世にぶつけても意味がない。
▶オイシックスのクレヨンしんちゃん広告
お母さんの夏休みはいつなんだろう?
思想に共感しモノを買う時代。
売上にも繋がった。
▶企業広告
今の若者は義務教育でSDGsが当たり前になっている。
これからの時代は環境問題、男女雇用機会均等などはマストになってくる。
ただ日本でそこまで広がっていないのは、モデル数が少ないから様子を見ている企業が多い。
消費者は商品の良さだけではなく、その裏にある背景や会社の姿勢・思想についても見ており、それが購買の動機に繋がることが増えてくるのではないか。GUCCIは、環境問題・ジェンダー・SDGsに取り組んでいる。そういう企業のものを買いたいとか。
ペットボトルの水でも、ラベルレスのものとそうでないものがあったら、ラベルレスを選ぼうと思う。
でも、こういう行動(応援経済)や取り組みについて素晴らしいと思っていることが伝わり切れていないため企業も踏み切れない側面もある。
いわゆる、鶏か卵か。
7、ローソンのPBデザイン
コンビニエンスストアはすでにインフラ化している。
コンビニのアイデンティティは、
「誰も置いていかない便利さ」ではないか。
でも今回のパッケージデザインの変更は、その便利さが欠落しているのではないか?という話。
8、まとめ
▶広告業界をどうしていきたいか?
【牧野さん】
ステータスからスタンスへ(どう未来に貢献していくのか)
日本は6兆円広告費があると言われている。
ただ単純にこの費用を使うのではなく、下記構造を実現したい。
世の中がより良くなることにお金を使う
➡企業のスタンスにファンがつく➡企業にも恩恵が返ってくる
【辻さん】
年齢や性別を越えて、「思想」と「思想」をマッチングさせたい。
会社全体を変えることは難しいけど、徐々に自分にキャラ付けして発信していくことから始めてみては。
以上、うまくまとめられている自信がありませんが、また来週!
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