Tourism findings in Athens, Greece
突然ですが、現在ヨーロッパを放浪しています。
経緯を話すと長くなるので割愛しますが、10月3日にスタートし主に東ヨーロッパを周り、最後はカタールにて開催されるFIFAワールドカップの日本戦を2試合観戦して帰国します。
期間にして、およそ2ヶ月の放浪旅。目的というほどの大それたものはないのですが、単なる好奇心で「湖を観光資源にしたLake Tourismが発展した欧州を見て回りたい!」と気づいたら航空券を買っていました。
今回の旅ではギリシャ⇢クロアチア⇢スロベニア⇢オーストリア⇢スロバキア⇢チェコ⇢ドイツ⇢トルコ⇢カタールを2ヶ月かけて回る行程ですが、noteではコラム形式で、まずは1週間滞在したギリシャの首都, アテネを五月雨形式で振り返ります。
その①:アテネにも迫るオーバーツーリズムの余波
上記の画像はアテナ市内の観光エリアにて見つけた落書きです。Airbnbが賃料を上げ、ローカル民が住めなくなるオーバーツーリズムの公害事例はバルセロナやベネチアに代表されますが、その現象はここアテネにも。
観光とは地域の人々を幸せにするために存在するもの。デスティネーションマネジメントの観点では、その成功には受け入れ側の理解と協力が必須です。
その地域に観光が少しでも害を与えるのであれば、いくら人が来ようが、経済を活性化させようが決して成功とは言えません。
その②:徹底されたコンセプト
ギリシャ、アテネと聞いて思い浮かぶのが歴史的な遺跡。
その景観やイメージを壊さないための装飾・見せ方が至るところで見られました。この事例は京都のローソン(町の景観にマッチした外観や看板をデザインが求められた景観条例)に代表されます。
旅行者の求めるニーズに合わせて周囲の自然、人工物などを溶け込ませる標識や施設の色合いなどは、少なからず満足度向上に寄与しているでしょう。(この施策がどのように満足など影響しているか、効果測定のデータも見てみたい!)
その③:観光アトラクションのチケット価格
アクロポリス、アテネ国立考古学博物館、パナシナイコスタジアムなどアテネには多くの観光アトラクションが存在します。
そこで興味深かったのはチケットの価格です。
例えばアテネ国立考古学博物館の場合だと、入館料がシーズンによって変わります。
4/1-10/31(繁忙期):12ユーロ
11/1-3/31(閑散期):6ユーロ
世界屈指の観光地であるアテネでは、このように旅行の平準化を図るため、稼ぐための仕組みがしっかりと整備されていました。各施設の入場チケットは軒並み10ユーロ (約1500円)〜で日本の清水寺が一般400円であることを鑑みると、もっと値上げしても良いのかなと思いました。
ただし、しょうがい者や学生、シニア、ローカル民などに対する割引は手厚く、中でもEU圏内の子供や学生は多くの施設に無料で入れます。
一般の観光客に対するチケット価格は「外から来たから。」とただ単に高いわけではなく、その観光体験の満足度を上げるためのサービスもしっかりとしています。
パナシナイコスタジアムでは上記画像のように英語はもちろん、日本語での解説に対応したオーディオ機器使用がチケット価格に含まれていて、実際に使用してみると施設の歴史や小話まで、より楽しむことができました。
正しく、見合った価値を計った結果として、料金値上げすることは悪ではなく、むしろ価格勝負の競争はそのものの価値を下げる"悪かつ負け"の手段です。
持続可能性という観点でも、オーバーツーリズムの対策としても、日本の観光は世界の事例をもとにして様々な制度・仕組みを導入する必要性を感じました。
その④:その他
ギリシャ人はみんな基本的に英語ペラペラ
⇢現地の人によると、ギリシャの英語教育は8歳から始まり、小学校高学年になると英語のほかにフランス語やドイツ語などの言語も学びます。子供のころから公用語以外の言語に触れることが普通なので、学校教育を受けていれば英語だけでなく他の言語も話せる人が多くいます。そして、世界から人々が訪れる観光地だからこそ、英語を話すことの必要性がとても高い。
チケット売り場は人間+機械のハイブリッド
遺跡だけでなく、自然も◎
ビーチもあれば、見晴らしの良い丘もある。人工物と自然の融合がちょうど良い具合にあるのは強み。
次はクロアチア!
今回のギリシャは経由地なので、次からLake Tourismについてはしっかり書いていきます。
ではまた!
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