面接官「あなたの好きなものはなんですか？」就活生僕「童貞です」

面接官「あなたの好きなものは何ですか？」

就活生僕「童貞です」

面接官「将来やりたいことはありますか？」

就活生僕「童貞の"ダサい"というイメージを払拭したいです」

ーーー

就活舐めてました

食品業界を志していた。「食べることが好きだから」という何ともシンプルな理由だった。そこに震災の経験やら部活の経験やら、病院事務のバイトで健康がどうこうなどと肉付けに肉付けを重ね、「食を通じて日本社会に貢献したい」という軸に落ち着いた。

正直に言うと、食を通じて社会に貢献した想いは特にない。だって食べてる時が幸せなだけだから。でもそんな本音で面接は通るはずがない。「食を通じて〜」という建て前を面接を重ねるごとに何度も何度も言う度に、自分の心との乖離が起き始めた。

そんでもって普通に落ちた。

「〇〇様にキラリと光る会社が見つかるよう〜」

はぁ？金輪際野菜ジュースは伊藤園か世田谷自然食品でしか買わねえからな。あと醤油、ヤマサでしか買わねえかんな。就活生舐めんな。

祈られた途端に不買運動を起こすようなやつ、落ちて当然だね。

両親に落ちたことを伝えると、少し寂しい顔をされたあとにこう言われた。「やりたいことをするのが1番だから。あなたは何をやりたいの？」

「あなたのやりたいことは何ですか？」

大手中小関係なく、就活支援サイトやキャリア支援のおばちゃん、みんなが質問してくる。

やりたいこと、それは人生で成し遂げたいこと。

「人生の核となる考えはなんですか？」
「あなたはどんな考えを持って生きてきましたか？」

その質問ひとつで就活生のパーソナリティを判断するだけでなく、就活をする上でどれだけ自分に向き合ってきたか、どれだけ深く自己分析をしたかが分かる。

志望度合いが高かった御社達に立て続けに祈られ、流石にこのままじゃまずい、と「やりたいこと」をもう一度考え始めた。

そもそも面白い人間でありたかった。中高共にクラスに1人は必ずいる、おちゃらけた、あと少し臭い坊主。それが俺だった。面白い人間になりたいなら芸人にでもなればいいのではないか。他の人よりいくらか度胸があるだけで、芸人の方々の様にセンスはないことは重々承知している。

そもそも俺が考える「面白い」とは何か。定義から決めていこう。過去1番面白さに溢れていた時期、やっぱ高校時代だろう。毎日が楽しく、笑いに貪欲だった3年間。汗と涙とその他もろもろが組み合わさり、青春というには女っ気が足りないが、それはそれで楽しい毎日だった。

なんでこんなにも面白かったのか、理由はひとつ、男子がほとんど「童貞」だったからだ。共学童貞達は男子校出身の、いわゆる天然物とはまた違ったこじらせ方をしていた。もんもんとした芋臭い男どもの目と鼻の先には、メークインのような女の子たちがクラスに半数ほど存在している。そりゃあこじらせるに決まっている。

童貞の何が面白いかを紐解くと、「圧倒的ダサさ」に起因する。

・ボディタッチだけで「あれ、こいつ俺のこと好きなんかな？」と勘違いする

・丸メガネがカッコイイと思い、度の合わないメガネをかけ続けて視力が低下する

・女子とのLINEを必死に続けようとするあまり、質問攻めにしてしまう

・紙のメモで告白する

・LINEの一言で告白する

・授業を抜け出して告白する

全部実話だ（ほとんど俺）。俺以外の童貞たちも、思わず思い出して赤面してしまうような、ダサさに満ち満ちた生活を送っていた。そういった童貞ゆえのダサさが校内に醸しだされ、「童貞、ゆえに面白い」的な空気感を生んでいた。今では恥ずかしくてお金もらっても出来ないようなことを当時の本人たちは至って大真面目にやっていた、という点もポイントが高い。

真・やりたいこと

少し長くなったがまとめると、俺は童貞が好きだ。童貞を愛しているといっても過言ではない。ダサい・暑苦しい・臭い の三拍子揃ったエロへの飽くなき渇望は、爆発的なエネルギーをカウパー液と共に放出している。エロこそが世界を救う、エロこそがJapan as NO.1と言われた黄金期を再成する、その要となるのが「童貞」なんだ！！！！

でも社会は、そんな愛すべき童貞たちに厳しい。

「童貞は人間じゃない」
「童貞ってだけでダサいし臭いし禿げてそう」
「魔法使えるんでしょ？（笑）」

挿入のあるなしだけで人格まで否定され、笑いものにされ、後ろ指を指される。社会からの批判は鬱屈した感情をうみ、犯罪を産むきっかけにさえなりうる。そこまでは言い過ぎかもしれないけど、こじらせた素人童貞達の悪口は、#クソ客のいる日常、でTwitter上でいくらでも見ることができるでしょ？

だからこそ、俺は声を大にして言いたい。童貞はカッコ悪くない。むしろ、真摯に性ととことん向き合うその姿はめちゃくちゃカッコイイ。チープカシオとか昭和の歌謡とかが「ダサかっこいい」と今再評価されているように、「童貞はダサかっこいい」というムーブメントを起こしたい。それが俺のやりたいことです。

･･･などと考えてる間に今日1日が終わった。

「 社長 童貞 」
「 Doutei.inc 」
「 電マ メーカー 」

ググれどもググれども、俺のこの熱い思いに呼応する御社は現れなかった。無念。就活頑張ります。

最後に似たような記事をひとつ

『日本のビジネスには童貞力が足りない』

http://ktadaki.hatenablog.com/entry/2015/12/06/220713

あと皆さんご存知「tenga」のバチくそにかっこいいコピーを添えて終わりにします

（↑とっくに募集締めきってた）

それでは、良い1日を👋