次への一手(準備)の重要性
こんにちは!
先日、「勝負の分かれ目は忍耐力の差」という記事を書いたのだが、これに併せて、今回は「準備の重要性」について書きたいと思う。
この記事で、
そもそも勝負するに値する準備が伴っているかも大いに問われる。
と書いたのだが、改めて準備の重要性をひしひしと感じています。
会社の事業とは別で企業のコンサルティングをしているのだが、新型コロナウイルスの影響で、売上確保が厳しく困っている企業は多い。困っている内容としては大きく2つ。
①資金繰り
②事業の先行き
①に関してはやれることが限られているので、粛々とやるしかない。
今回の話は②の事業の先行きについてである。法人にしても個人にしても、先行き不透明(不安)の状況下に置かれた際に、
「このままではまずい。何か新しいことを始めなきゃ」
と、次の事業を模索し始める。気持ちはすごくわかるのだが、やはり船が沈み始めてから新しい船をつくるのは難易度が高いと感じている。
沈んでいる船の補強にはお金もかかれば労力もかかる。それと同時に新しい船(新規事業)をつくるということは、言わずもがな補強以上にお金も労力も必要になってくる。
船が大きければ大きいほど、そこに乗船しているお客やクルーは増え、それに伴い荷物も多くなる。もし、新しい船に乗り換えるなら、今の船のキャパと同程度の大きさが必要になってくる。そうなると、船が大きければ大きいほど完成までの時間は必要だし、それに伴い労力もお金も必要にるのは言うまでもない。
いかに今の船が沈む前に、新しい船を完成させるかが問われるわけだが、限られた資金(時間)と戦力の中でやりきるのは、1つ目の船を作る以上のエネルギーを要する。
ここで重要なのは、船が沈み出す前にいかに新しい船をつくっておくかではないだろうか。特にその船が大きくなる前に。
船が小さければ、新しい船も小さくて済む。
最初につくった船の大きさを小→中へ成長させる最中に、いかにして次の新しい船をつくり始めることができるかが、長期に渡って生き抜く術だと思う。
通常、1つの事業がうまくいけば、従業員を増やし、事務所を拡大しスケール化を目指す。その成長に伴い生まれた利益は、社員へ分配し、余剰金として蓄え、残りは経営者の懐に入れるパターンが多いだろう。
でも、事業がうまくいきキャッシュに余裕があるときにこそ、懐に入れるのではなく次の事業へ投資をしていくこと、次への一手(準備)に費やしていくことが本当に大切だと実感する。
分かりやすい例でいえば(株)サイバーエージェント。ご存じの通り、同社は広告事業を皮切りに、ゲーム事業という新しい船(事業)を作り、2016年4月にはさらなる船(事業)としてAbemaTVを開局。初年度100億円の投資、翌年200億円と投資を続け、その投資金を広告事業とゲーム事業の利益で下支えしている構図。
*(株)サイバーエージェントの詳細は下記参照
利益だけを考えれば広告事業とゲーム事業だけに集中すれば儲けが多いにも関わらず、会社の長期成長のために次の一手(準備)として新しい船(事業)への投資を続けている。
ここで「会社だからでしょ」という人も少なくないが、個人でも全くもって同じだと思っている。仕事の成功と共に報酬(給料)が上がり、それと共に生活水準を上げていく。もちろん、報酬(給料)はワークした結果の対価でもあるので、自分を労う意味で生活水準をあげる(好きなものを買う)のは大いに結構だと思う。
ただ、ここで現状満足した者と、次の一手(準備)へ向けて少しでも投資をしている人とでは、5年後、10年後、20年後の未来は大きく変わってくるだろうし、不測の事態起きた際の対応力も変わってくると思う。
現状維持は衰退への一途をたどると頭で理解していても、人間弱いもので手前が潤っているとどうしても満足してしまう(胡坐をかいてしまう)生き物だと思っている。
ただ、そこにいかに鞭打って将来に向けて少しずつでも準備ができる人(続けられる人)が、今回の様な非常事態においても揺るがない(少ないダメージで済む)のだと体感している。
船が沈みだしてから足掻くのではなく、順調に船が進んでいる時にこそ、未来を見据えて準備をしていきたい(してほしい)と思う。