テクノロジーで何がしたいか
最近、建築の分野では「建築情報学」という言葉が分野を賑わせています。
僕も大学院時代に「情報だけで都市を再構築する」という作品を提案したので、この建築情報学はとても気になっています。
テクノロジーの進化が顕著になってきた昨今、テクノロジーと聞けば人が集まるような印象があります。
建築情報学の建築情報学会キックオフ準備会にもたくさんの人が集まっていると聞きました。
手前味噌ながら、僕は約10年前に今後のテクノロジーの進化の中で、自分の職能などについて考え、建築学科出身でありながら、他分野でも仕事をするなど、テクノロジーが進化した未来(そんな未来が来ても来なくても)において自分の居場所などを創造してきました。
テクノロジーで何がしたいのか
テクノロジーが道具か否かという議論はここでは置いておきます。
でもテクノロジーを扱う場合、それをどう使いたいか、どう共存したいかという議論はあまり見ることはありません。
例えば、包丁は道具ですが、使う前に「何に使うか」という思考があってから包丁を使います。
事前の思考が間違っていれば正さなければなりません。
テクノロジーを推奨する人の中は「その時代を受け入れて、柔軟に対応すること」を主張します。
それも確かに大切なことだと思います。テクノロジーの進化は想像できないことも多いからです。
でも僕は「テクノロジーが進化したらこう使いたい、こう共存したい」という「何に使うか」という思考を事前に持っておくことも重要だと考えています。
落合陽一さんはそういった意味で優れたテクノロジーユーザーだと思います。
何か分からないものに期待をする気持ちも分かります。それだけ社会や世界が困窮しているのかもしれません。
でも、だからこそ人間の存在意義を揺るがす可能性のあるものに対しては、その使い方や共存方法を、個人的にでも事前に検討するのも大切かなと考えています。
竹鼻良文/TAKEHANAKE代表
TAKEHANAKE design studio HP
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