日本農法を北米で実験する 5
トマトのロスを軽減する
作物を育てていて、いつも問題になるのがフードロスの問題です。そして、天候によって実になっていても規格以外のモノが出来たり、完熟する前に季節が終わってしまうことが多々あります。
Vancouverの夏は短く、9月中旬から気温が急激に下がり、下旬になると雨が多くなるという天候になっています。9月が、どこまで暖かくなるかで夏野菜の収穫量が決まります。気温が落ちて雨が降り始めると、一瞬にして作物が変色をして終わってしまいます。
夏野菜の代表のトマトは、堅調に天候に左右されやすく、このシーズンになるといつも天候との駆け引きで作業をしています。せっかく実がついて、あと数週間待てば収穫できるかと思っていたら、雨や気温によって一瞬でトマトが黒くなり終わってしまいます。
今年は、9月の上旬から完熟しなかったトマトを収穫し始めました。中旬に採っていたのですが、今年は雨が多く例年よりも2週間ぐらい、寒さが到来しました。10月の頭には、青いトマトも黒くなりほとんど全滅をしてしまいました。それまでに収穫したものが、下の写真です。
そのまま採らないで堆肥にすることも良かったのですが、未完熟とはいっても出来たので収穫をしてみました。
今年は、10本ぐらい植えたのですが寒かったこともあり、利益になる量は採れませんでした。その分、未完熟のプチトマトが大量に出来ていたので、それをかき集めてみました。この下のダンボールの4箱ぐらいには、なったのでしょうか。これを、捨てて堆肥にするのではなく商品にしたいと思います。トマトのピックルスにして、瓶詰めにする作業にして再利用をしていきます。
まずは、使えるモノとダメなモノの仕分けをします。それから、水洗いをして、粒を揃えていきます。大きいものに関しては、切るなどをしてサイズを統一していきます。そして、数時間乾かします。
乾いたトマトからへたを取っていきます。そして、そこに塩をかけて数時間寝かします。このときに、普通の食塩でなくいい塩を使えばよりおいしくなります。この塩は、特別な塩で叔父のプロダクトで不思議な塩です。体の調子もよくなり、食材のうま味を引き出す面白い塩です。数に限定があるので、入手するのは困難であります。
積塩を浸透させることで、トマトのグルタミン酸が覚醒するのかわかりませんが、カナダで市販しているSea Saltよりもおいしくなります。
塩に漬けた状態で2~3時間おいておきます。トマトと塩が馴染、トマトの皮も少し柔らかくなるので、ピックルスの酢を浸透しやすくなります。
その作業が終わったら、ピックルスの酢を作っていきます。味は、西洋の味にしているため、スパイスは日本になじみがないモノばかりを使っています。これを、煮詰めていきます。1~2割ぐらい詰めたら冷まして、ガーリックを入れます。ガーリックは、ここのオリジナルのものです。
人肌の温度に酢がなったら、瓶詰をしていいきます。今年は、友人でもある舞衣子ちゃんのタイコーのカツオだしを入れて作ってみました。私の料理理論からすると、美味しくなることは間違いありません。トマトのグルタミン酸とカツオのイノシン酸が、入れば美味しくなるのは間違いありません。
1リットル瓶が、20本ぐらい出来ました。これを20ドルぐらいで売り出しているところです。すべては、実験なので商品の物流レベルの生産量には達してはいませんが、コストと人件費(労働時間)を総括的にデータをとっています。このコンテンツの大きな柱でもある、利益の出る農業を北米でする。加えて、第一産業から第三次産業の融合が可能かを実験的にしています。
レシピ― (1リットル×2本)
酢 3カップ
水 1カップ
砂糖 100g
塩 大さじ 1
ベイリーフ 2枚
クローブ 2本
粒胡椒 小さじ1
マスタード 小さじ1
コリアンダー 小さじ1
とうがらし 2本
ガーリック 2片
タイコーカツオだし 少量
酢は、こっちの安いホワイト・ビネガーを使いましたが。日本であれば、米酢でも大丈夫です。少し、甘味を増やしたいときには、砂糖の量を増やせばいいです。これは、海外の味なので和風にするのであれば、クローブとかコリアンダーを入れずに、山椒や昆布を入れたら和の味になります。
このピックルスは、そのまま食べてもいいですし、サラダに入れてもいいです。少量であれば、小さく輪切りにして肉炒めや魚のグリルにも合います。ただし、西洋の味が苦手の人は和風にしたらいいと思います。
このピックルスは、チーズや生ハムと合うのでこのような盛り合わせにしたら、美味しくいただけます。パティ―の時やレストランでも、このように盛り合わせをしたら1品になります。(この写真は、借りてきたもので、ここにはピックルスは載っていません。)
次回は、このピックルスの活用法を紹介します。
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