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世界同時大不況の兆し

-世界は同時多発の不況-

 今年もあと数日になり、世界は不気味な動きをしています。以前から、北米はすごい勢いで不況の波が押し寄せてきていることを報告してきました。特に酷いのはカルフォルニア州で、日増しに失業者が増えて強盗が至る所で増えて、日常生活が出来ない状況になってきています。カナダでも景気低迷は避けられず、今年のクリスマス・シーズンは時限的な減税を発表しました。カナダの首相がXで、11月に投稿をして執行は12月にという異例の速さで、減税がスタートしました。


 内容は、JETROが簡素で完結に書いてあるので、そこを引用します。
 <カナダ歳入庁(CRA)は12月13日、全カナダ人のための減税法(Tax Break for All Canadians Act)が前日の12日に議会で可決されたと発表した。同法は12月14日から2025年2月15日まで、消費者が物品を購入する際に課される連邦物品サービス税(GST)と統一売上税(HST)を免除する。
同法は11月21日、カナダ財務相によって「カナダ人のポケットにお金を入れるため」として、議会に提出されることが発表されていた。政府によると、同法の施行によって、推定16億カナダ・ドル(約1,728億円、Cドル、1Cドル=約108円)が控除されるとしている。
対象となる品目は多岐にわたり、食料品、飲料、レストラン・ケータリング・その他の飲食店、子供の服・靴、子供用おむつ、子供用チャイルドシート、子供の玩具、ジグソーパズル、ビデオゲーム・ゲームコントローラーおよびゲームソフト、紙の本、印刷された新聞、クリスマスツリーなどで、GST/HSTが免除される。
同期間中、税控除は自動で享受することができ、領収書を保存する必要がない。さらに、輸入品に対しても、特定の日用品ならばGST/HSTが免除される。>
 
詳しく知りたい人は、カナダ政府のCRA(財務省)のサイトを見るといいです。https://www.canada.ca/en/services/taxes/child-and-family-benefits/gst-hst-holiday-tax-break.html

 この景気の冷え込みは、11月時点でこれまでのクリスマス・シーズンとは違うと想定して、カナダ政府は緊急でかつ時限的な減税で民間経済の活性化に乗り出しました。このシーズンは、プレゼントや外食産業でお金が動くので、北米経済にとっては大きな経済活動のシーズンでもあります。どの店でもこの時期は、年間の1/4や1/5を売り上げるので、店によってはこのシーズンに売り上げが立たなければ、来年存続が問われる大事な売上時期でもあります。この2~3年は、コロナの影響もあり多くのレストランや店が潰れて、空き店舗が増えて‟For lease“のサインを至るところで見るようになりました。かつては、For Leaseのサインが出ていれば、すぐに次のテナントが入り街にも活性がありました。しかし、この1~2年は次の借り手が出ずに空き店舗がどんどん増えています。そして、1つ空き店舗が出てくると、その隣も空きになり連鎖し一角がゴーストタウンのようになってしまっています。北米の街が死んでいく光景は、日本のシャーター商店街とは違うので、説明するのは難しいのですが。空き店舗の前にホームレスが住みつき、景観は荒廃し普通の人が怖くてその周辺を歩くことをしなくなります。Vancouverのダウンタウンでも、そういった場所が増えてきています。
 
 先日、2週間弱日本に帰って感じたことがあります。それは、北米とは比べものにならないぐらいに、普通に経済が流れていたことです。人によっては、日本も景気は低迷して大変と言っている人もいますが。北米から見ると都会には、多くの人が消費をしてお金が流れているので、どこが不景気なのかがよく解らないほどでした。駅にはたくさんの人が溢れ、異常な数の飲食店があり北米では考えられない光景でした。表面的な部分しか見ていないので、地方の過疎や貧困層の深刻さまでは見ていませんが、それでも都会の状況をみていると、まだまだ日本の経済は深刻なところまでいっていないと感ました。
この状況を日本の人たちも不景気であるとは実感しつつも、適度に生活が出来てしまう人が多いので、あまり深刻に捉えていないのかもしれません。これが、街の至るところにホームレスや強盗や窃盗が増えて、自分たちの仕事がなくなれば、見方が変わるのかもしれません。まだまだ日本は、不景気とは言っても購買力と人が動く力があるので、庶民にその実感はないように見えます。


 
 今回、Vancouverのクリスマス商戦は静かで、どの店も活気はありませんでした。通年であれば、量販店でも人がごった返して忙しく、ショッピングモールでは買い物袋を3~4つも持っているのが普通でした。しかし、買い物をしている人も少なく、いつもの忙しさはどこに行ってしまったのか? と思うほどの状況になっていました。
今回、減税をしたことで1つだけ変わった場所があります。それは、レストランやファーストフード店です。そこは、減税をした日からどの店もお客は増えて忙しくなりました。通年であれば、12月から忙しく予約をしないと入れないのですが、今年は12月に入ってからもガラガラで暇な店が多かったです。それが、減税政策の開始日から、お客が増えて例年の忙しさに戻りました。もし、減税政策をしなかったら今年の外食産業は、ほぼ壊滅的になっていたかもしれません。それとは逆に、減税の対象になっていない商品(家電店やファッションや嗜好品)の店は、それほど効果がなかったように見えます。(蛇足ですが、先日レストラン関係者と話しをしたのですが、「忙しくなったとは言っても前年度の10~20%の売り上げは落ち、客単価が全体的に落ちているので、利益の出ない忙しさになっている。」と言っていました。)これが、北米経済の深刻な問題で、年明けからさらに多くの店が潰れると見ています。北米は、不況のスパイラルに突進していっています。
 

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