アーユルヴェーダと見つける健やかな自分
アーユルヴェーダと見つける健やかな自分
vol.15 Acupuncturist N
“アーユルヴェーダ” 言葉ではなんとなく耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。日本では美容のイメージが強いかもしれませんが、本来はインドの伝統的医学のことを指します。
今回の『わたしとTAKEFU』は、鍼灸治療とアーユルヴェーダの知見を基に、日々多くの方の健康をサポートされているNさんにお話を伺いました。shop of TAKEFU“eau”でのお話会では季節ごとのセルフケアの方法なども教えてくださいます。
このインタビューだけではきっと伺いきれない奥深いアーユルヴェーダの世界。それでも、皆さんに少しでもお伝えできれば、とひとつひとつお話してくださいました。
TAKEFUとの出会い
―はじめに、TAKEFUとの出会いを教えてください。
「かなり前なのですが、自然食品店でお買い物した人がもらえる選べるプレゼントの中にTAKEFUがあったんです。なんだか気になって触ってみたいなって思って選んだのがこのタオルハンカチで今も使っています。こんなになっちゃって恥ずかしいのですけど…。」
―長く大切に使っていただけて嬉しいです。肌に馴染んだ感じがまた気持ちいいですよね。
「それと、吸水性が良いところも好きですね。TAKEFUって気持ちいいなと知ってから次はリラックスパンツを。すごく履き心地が良くてすぐに二枚目を買いました(笑)。あとは、和布。特に紅梅色のピンクが好きで首に巻いて使っています。
Yさん(ナファ副社長)、Sさん(TAKEFUスタッフ)のお二人にお会いする前までは、通販で買って愛用していたのですが、現在のように毎日仕事中にも着るようになった理由のひとつは静電気です。冬場は特に静電気が起こりやすくて、施術の際に患者さんに触れる際に痛い思いをさせたくないので前から気になっていたんです。治療にいらっしゃっていたYさんに、TAKEFUを着ると静電気起きないよって教えていただき、着てみたら本当に起きなくて驚きました。今は施術着の中に上下とも着るようにしています。」
―TAKEFUの特長のひとつに静電性がありますが、他の繊維のものと合わせて着ても効果を感じられるのは発見でした。
「そうなんです。私達が治療の際に着るような医療用ユニフォームは合成繊維のものが多くて。汚れをはじく、すぐ乾くといった利点もあるとは思うのですが、静電気にとても困っていました。パープル系の施術着なので上は癒布の野葡萄色、下はスパッツのライラック色で少し見えても違和感がないですし冬場は毎日着ています。」
―制服やユニフォームなど、着るものが決まっていたら、疲れていて楽な格好がしたいなと思ってもそうはいきませんよね。気づかずに疲れが積み重なってしまうこともありそうです。
「そうですね。ですが、TAKEFUを着ているとそんなに疲れないように感じます。全身を使ってマッサージ施術をすることもありますが、インナーにTAKEFUを着ていると楽だから緊張もしないのでしょうね。身体が緊張してこわばっていると疲れやすくなりますが、TAKEFUは身に着けると心地よくてゆるむ感じがするのでそれが疲れにくさにつながってるのかもしれません。とても助かっています。」
―“ゆるむ“というのはTAKEFUのキーワードのひとつですね。
「特にTAKEFUのガーゼ手袋をはめた時、そのゆるむ感覚にとても驚きました。セルフケアのひとつに身体を優しく撫でるというものがあるのですが、講座でどう説明しようかなとデモンストレーションの方法を考えていたんです。手袋だったらご自身で撫でやすいんじゃないかなと試しに、TAKEFUのガーゼ手袋をつけてみたらはめた瞬間にゆるんで、さらにはめた手で自分自身を撫でてみたら、撫でたところもすごいゆるむ!なにこれって。
実は患者さんの中にも、無意識に緊張してしまうという方がいらっしゃるんです。寝ている時も身体が緊張して、巻き肩になった状態で寝ているとおっしゃっていて、起き抜けが一番疲れているとお悩みだったんですね。ヨガニドラーのような瞑想をしてみてもどうしてもリラックスした状態になるのが難しいということで、ためしにこの手袋をはめて寝てみてくださいと紹介しました。ほっと体が緩んであたたまり、気づかないうちに寝落ちしていたと仰っていました。」
疲れと凝り
―疲れとか、凝りって現代病みたいなところがありますよね。
「そうですね、都会に住んでいると特に。それをどう解決していくか、皆さんそれぞれお悩みだと思います。
アーユルヴェーダでは『ドーシャ』という言葉があります。よく、“体質”と翻訳されがちなのですが、サンスクリット語で“乱れやすいもの”という意味なんです。誰しも、なにかしらの乱れやすさを持っていて、それをおおまかに分けると、『ヴァータ(風)』、『ピッタ(火)』、『カファ(水)』の三種類があります。
どなたも総じてヴァータ、ピッタ、カファはそれぞれ持っています。人それぞれに持っているバランスが百分率で決まっていて、どれが優勢かは人によって異なります。たとえば、ヴァータ:ピッタ:カファ=60%:30%:10%というように。それが、皆さんの個性につながっているとイメージしてみてください。
患者さんに対しては、アーユルヴェーダ・東洋医学・西洋医学のそれぞれの観点から、鍼灸施術と一緒に、日々できるセルフケアの方法や気を付けるとよいことを、その方のタイプや状況に応じてお話をしています。」
―たしかに、悩みは皆さんそれぞれちがいますよね。そのドーシャのタイプによって変わってくるというお話とても気になります。
『ヴァータ(風)』
「ひとまず、この中のひとつ、『ヴァータ(風)』について簡単に説明しますね。
たとえばこの空間に葉っぱが落ちているとイメージしてください。その空間に、風がふくとここにあった葉っぱがあちらへ移動する、といったように“移動する”とか、何かが“伝わっていく”といったようなエネルギーを『ヴァータ』と言います。
風がいっぱい吹き荒れたり、強風にあおられると頭の中がわさわさしたり、焦っちゃったりしますよね。日々の生活の中でも、仕事や情報が多すぎるとオーバーワークで疲れてしまったり、あまりに時代の流れが速すぎるとちょっとついていけないなあと感じることもあると思います。飛行機などの乗り物による高速移動などもまさにそうで、自分はじっとしているけど、乗り物はすごい勢いで動いている。その環境による影響は自分自身もなにかしら受けているんです。なので、実は特に都会で暮らす現代人が乱れやすい要素がこのヴァータなんですね。」
―アーユルヴェーダと聞くと、おでこにオイルを垂らして何かを行うみたいなイメージがありました。
「そうですよね(笑)よく言われるのですがそれはひとつの治療法の1つの方法で、私の中で大きな比重を占める部分は、アーユルヴェーダって日常の中のおばあちゃんの知恵のインド版みたいな感じなんです。」
一見シンプルですが、奥深いその世界についてさらにお話してくださいました。
『アーマ=未消化物』
「アーユルヴェーダではほかに、『アーマ』という言葉があります。“未消化物”という意味で、取り込んだ栄養だったり、あとは情報もそうなのですが、取り込むばっかりで、いるものいらないものの分別が体の中でつかなくなってしまうと胃腸の調子が崩れます。胃腸できちんと消化が出来なくなって、消化ができないまま下痢をしてしまったり、便秘で血液も汚れてしまう、といった状態が『アーマ』です。『アグニ』という消化力が下がっていくと、『アーマ』が体の中に蓄積されてゆく。
アーユルヴェーダでは、その“消化が出来なかったもの”アーマ”と、“乱れやすいもの”ドーシャ”がくっつくと、いろんな病気が出来てくると考えます。
なので、先ほどの3つのドーシャを自分らしいバランスで保っていくことと、消化力が高い状態を保つというのが健康の証、として日々患者さんと向き合っています。
この消化力を高い状態にするのは特別難しいことではなくシンプルで、例えば、まずは摂る飲み物を常温もしくは温かい物をにして、一気にがぶ飲みではなく少しずつこまめに飲むようにするといったことですね。
ただ、たとえば素敵なモデルさんが一日2,3リットルお水飲んでいると聞いたりすると、皆さんつい真似されたくなるんですよね。」
―憧れの人がやっている美容や健康法を真似してみたくなる、一度は通る道ですね。
「それが合ってる体質の方だったらいいですが、合ってない方がやるとやっぱり逆効果で、
単に消化力を落としてしまうだけになります。合っているタイプだったとしても、消化力が落ちているときに、そんなに水をがぶがぶ飲んだらさらに消化不良になって、さらにむくんだり、余計にちゃんと食べ物を消化できなくって具合が悪くなってしまったり、健康自体を害することになりかねません。
アーユルヴェーダというツールを持っていると、憧れの人がやっているそれが、自分に合うかどうか分別もつけられる、逆に言うと、自分に似ていそうなタイプの人が、お勧めしているそれが美しかったり健やかであれば、それを試しに真似てみたり、と選択することもできるようになってきます。」
自分はどのタイプ?
―そのためには、先ほどの3つのドーシャの中で、自分はどのタイプか知っておくと良いということですね。
「そうです。ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カファ(水)というドーシャ3つを紹介しましたが、さらに細かく言うと、5種類のものを3つに抱き合わせにしていて、その5つを『パンチャマハブータ』といいます。パンチャが“5”という意味、マハブータが“元素”という意味で、『空、風、火、水、土』の5つになります。
『ヴァータ(風)』は空+風。
『ピッタ(火)』は火+(少しの)水。
『カファ(水)』は水+土。
といったように構成されています。
そして、このパンチャマハブータにはそれぞれに優勢な感覚があるんです。
『空』というのは聴覚。『風』は風が吹くとさわさわさわって触れることを感じるように触覚。なので、ヴァータが優勢な方は聴覚と触覚が優位な方が多いです。鼓膜に触れる触覚で音を聞きとっているように、触覚と聴覚ってなんとなく似ていますよね。空間に何か風が起きたものをとらえているって感じていただくとイメージしやすいかなと思います。
『火』は視覚。ピッタは『水』の要素も入っているんですが、ほんの少しで『火』のエネルギーの割合が大きいとされています。なので、目から情報をキャッチする感覚が鋭く、イライラしている時に色から情報を取り込みすぎると、更にイライラしたり疲れてしまったり。そんなときはモノトーンの空間にいると落ち着きやすいと言われています。
『水』は味覚、『土』は嗅覚。鼻詰まりで嗅覚が麻痺しているとと味も感じにくいのでなんとなくセットでイメージしやすいと思います。」
―自分がどのタイプかなって考えてみると面白いですね。
「人それぞれにその人本来のドーシャバランスがあるので、施術の際は、お話をうかがいながらどのタイプの方かな?とだいたいの外見の特徴なども加味して確認していきます。先ほどの、どの感覚が優位かというのも一つの指標になりますね。
ただ、まれに一見ヴァータが最も優勢のように見える方が実はカファやピッタだった、ということもあります。幼少期にご自身の体型を気に病んで、猛烈に激しいダイエットをしてストイックに維持されている、ヴァータが乱れてしまっているカファやピッタという方もいました。そういう方もいらっしゃるので、幼少期のことなどのお話を聞くこともあります。」
バランスが乱れると
―ドーシャバランスが乱れるとどうなってしまうのでしょうか。
「たとえば、ヴァータが増えると、わさわさしていちいち焦ってしまったり、動揺しがちになってしまいます。
ピッタが強くなりすぎると、こうあるべきだ!が強くなりがちで、自他ともに厳しくなりイライラがつのってしまったり。
カファの場合、土が混ざった水が増えすぎてしまった様子を想像してみるとイメージしやすいと思います。ねっとり重たい質が溜まることで身動きや分別がつかなくなってしまい、もうどっちでもいいやみたいになってしまうんですよね。
今日みたいに暑くなるとピッタが増えたり。梅雨の時期は雨が降っているので単純にカファが乱れないよう対策が必要なのかなって感じがすると思いますが、実はこの梅雨の時期に乱れやすいのはヴァータです。急に暑くなったり涼しくなったり、雨が降ったり晴れてみたりとか、さまざまな“動き”が大きいので、梅雨の時期はどうしてもドーシャバランスは乱れやすくなります。
今年の春も割とそういう感じでしたね。気候の変化がとても大きかったので、ヴァータが乱れたことによる体調不良の方が、患者さんをみていても多かったですし、私も珍しく天候・気圧などで体調不良を感じたくらいなので、やっぱりこの春はヴァータが乱れやすかったように感じます。」
―そのようなドーシャの乱れを感じた場合はどうしたらよいのでしょうか?
「たとえばヴァータは、空間に風が生じる様子をイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、冷たさ、軽さ、乾燥といったエネルギーをもともと持っています。なので、ヴァータが乱れて過剰になってしまっていたら、ドーシャのバランスを取るためにその逆、つまり温かく、重く、しっとりとした状態をつくってあげることをお勧めしています。
それにはやわらかくて、しっとりとして、芯から温めることができるTAKEFUがとてもいいなと思っていて。そして、触れるととても気持ちよくてほっとする。この“ほっとする”というのも風と逆のエネルギーなんですね。
さきほどもお話したように、都会の生活ってとにかく動きが多いし、じっとしていても情報量が多く頭は動き続けてしまうような状態です。普段の生活をしているだけでもヴァータが乱れやすい現代人にとってTAKEFUは助けになるのではないかなと思います。
患者さんたちにもTAKEFUをお勧めすると皆さんお気に召して身に付けて下さっていますね。」
―ショップにもご紹介で来てくださって、皆さん触れながらじっくりご覧くださいます。
「感じたほうが早いのだと思います。特にヴァータが優勢な方はやっぱり触覚が優位な方々なので口で説明して説得するよりも、実際に触れてご自身で感じていただいた方が明確ですよね。ぜひお店に行って、触れてみてくださいって。
ほかにも、ピッタは温かさ、軽さ、油性が過剰をもたらすので、その逆を。夜身体が熱くてなかなか眠れないというピッタ体質の方には、バラはひんやりさせる性質があるので、おやすみ前にローズウォーターを自分でシュッシュッとしてみることで、寝付きがよくなりますよとお話ししたり。
カファ体質の方は冷たさ、重さ、油性が過剰になりやすいのでバランスが乱れた際は、ヨーグルトやチーズのような乳製品、重たい食べ物は摂らないことをお勧めします。カファの方に限って、好きでつい食べてしまうって方多いんですけどね(笑)ただ、摂らない方が身体は軽くなるので…。
自分自身の取扱説明書を集めること
私は、自分の身体で感じて、自分自身の取扱説明書を自ら集めていくみたいなことがアーユルヴェーダだと思っているんです。
私の鍼灸の施術もそうなのですが、まずは私との対話や施術をきっかけに、ご自身の心やからだを振り返り、自らの個性や今不調を抱えている原因を発見して、ご自身にとっての快適さや心地よさをもたらす方法を一個ずつ増やしていく。
その方法のひとつにTAKEFUが入っているような気がしていてすごく助かっています。」
―自分が健やかに過ごす方法を見つけていくってすごく大事ですね。見つけるきっかけをもらえる場所ってもっと世の中にあったらいいなと思います。
「私も、皆さんにご自身との向き合い方を見つけていってもらうのがすごく好きなんです。やっぱり、患者さん全員と毎日お会いできて施術できるわけではないので…。
“自分を味方にするもの、世界が味方になる”
インドではこんな言葉が残っているそうなんですね。
これはアーユルヴェーダの古典に書かれている言葉ではなく、インドのことわざのようなものらしいのですが、私のアーユルヴェーダの師匠のお一人である田端瞳先生から教わった大切な言葉です。
自分を味方につけるには、自分をわかっていないと味方につけられないですよね。たとえば、自分はヴァータが乱れやすいタイプだとわかっていたら、体調がすぐれない時は身体を温めて、ちょっと重みがあって、しっとりしたものをとってみようと心がけることができます。そのように、自分が何者である知れば、これを取り入れてみよう、これはいらない、と選択ができるようになりますよね。」
―自分をよりよく知って、味方にするということですね。
「そうです。そしてさらに、自分を味方につけるような生き方ができていると、自分が好むような生き方を支援してくれるような状態が自然とやってくるんですよね。自然が味方になる。自分を味方にするもの、自然が味方になる=世界が味方になる。
ベストな状態で過ごしていくとそういった良いご縁が訪れたり、日々の自然と自分とのリンクも良くなってくるので、天気痛などからも解放されやすくなって、事前に察知して対処できるようになると思うんです。
“過敏”ではなく“敏感”になって、対応できる自分が出来ていく。対応力、レジリエンシー、環境に応じてしなやかに生きていけるような自分が出来上がってくるんです。」
アーユルヴェーダとともに、健やかな毎日を願って日々患者さんと向き合うNさん。
震災ボランティアとして、被災された方々の健康のサポートに入る活動もされています。
震災ボランティアの活動
―先日も震災ボランティアの活動で能登半島へ向かわれたと伺いました。
「今回の活動では、とりわけボランティア経験豊富な方が多くて、長年、生活困窮者の方々に対する鍼灸施術をやってこられた方など、貴重なお話や経験を聞く機会にもなりました。
私が活動する際にお世話になった団体では、参加するボランティアに必ず健康で来て健康で帰ってもらう、という考えのもと、必ず前後泊をしないといけないんです。現地の風景とか、お話を聞いて、ボランティアに行った人が心を病んでしまうというケースが無いよう、身体を疲れさせない、心を疲弊させないように、配慮がすごく行き届いています。」
―継続性を保てるような活動になっているんですね。
「そうなんです。ですので、新幹線では、清布ガーゼショールを頭から首〜肩にふわっと纏ったおかげで、リラックスした状態で移動ができました。
また、ボランティアで行く以上、荷物も必要最低限で。TAKEFUは匂わないので、下着や着替えも少なくて済んだため、リュックひとつで行けました。物を運んだりするのにやっぱり両手が空いている必要があるので助かりました。」
―以前、スリランカに行かれた際も、持って行ってくださったとか。
「TAKEFUは臭わないよってお話をうかがったので早速試しました。帰りにアーユルヴェーダオイルなどを購入したかったため日本からたくさんは荷物をもっていけないのでTAKEFUのショートスリーブTシャツを2、3枚持っていって、試しに何日間か洗わずに過ごしてみましたが全然大丈夫でした。スリランカは島国で海に面しているので日本と似ていて湿気が多いのですがTAKEFUのおかげで快適に過ごすことができました。」
―スリランカが湿気が多いというのは意外でした。
「夜中も蒸し暑く、シーリングファンを付けていたため、肌に風が触れすぎないよう、清布のWサイズを持参し肌がけに使って心地よく過ごしていました。薄手で軽いため機内持ち込みの荷物に入れ、飛行機の中でも愛用していました。
アーユルヴェーダはインド発祥の最高の伝統医学ですが、インドはとても広大な大陸なので、東西南北中央で全く気候が違いますし育つもの、食べるものも異なります。中国における東洋医学でも、南の地域では高温多湿で皮膚が荒れやすく、外邪の影響で痛みなどが出やすくなるため、それを排除するための鍼などの治療法が開発されたり、北の寒冷地方ではやっぱりお灸などが主になっていますよね。治療法の発展の仕方もそうやって地域によって違ってきて、アーユルヴェーダも古典に記されているものをベースに地域によって、土着の治療法が発展していると言われています。」
―本場のインドやスリランカではアーユルヴェーダとともに日常があるのですね。
「アーユルヴェーダの考え方では、そもそも人は幸せになるために生まれてきている、というのが大前提なんです。幸福であるためには健康が必要、だからそのための健康の整え方が用意されている。いい状態、幸せであるように生まれてきているんだから、そのように生きたらいいじゃない、それにはこういった方法があるよって。
自分の個性を知り、日々の状況に応じて今日の自分を心地よく保つ方法がわかっているとしたら、その人は幸せな気がしませんか。また、身の周りの方に対しても優しく関わりあえるのではないかと感じています。そんな、自分を幸せにする方法を知る手段を、アーユルヴェーダは伝えてくれているような気がしているんです。」
初めて聞いたはずなのになんだかすとんと自分の中に落ちてくるような、自分の中にあって見つけられなかった答えに気づくような、そんな感覚がありました。
自然、世界は常に動きつづけ、ときに振り回されることも。そんな壮大な世界の中でも、自分自身を見つめて、理解を深めていくことで、しなやかに生きていけるようになれる。私もそんな自分になれればと希望を感じました。
ただ与えられる健康ではなく、自分で健やかに過ごす方法を見つけていくことの楽しさ、すばらしさを教えていただいて、また次回の季節のアーユルヴェーダのお話会でもきっと素敵な発見があるような気がしてさらに楽しみになりました。
インタビュアー・のい
1991年生まれ。SHOP of TAKEFU “eau“勤務。趣味は美味しいものを探して“うまみメモ”にストックすること。お気に入りのTAKEFUアイテムはアーム&レッグウォーマー、リラックスパンツ、スパッツ。
お話に登場したアイテム