イタリアの作家、ジャンニ・ロダーリ Gianni Rodari
Buongiorno, こんにちは、タケディーナです。
私がイタリアで出会った本をご紹介。
「勉強のために、子供向けの本が欲しい」と要望を夫に出したところ、この本を提案されました。
イタリアの作家、ジャンニ・ロダーリ(Gianni Rodari) 。
私は全然知らなかったのですが、
イタリアでは知らぬ人はいないほど有名な作家です。
2020年で生誕100周年を迎えました。
児童書なのですが、とにかく、天才的な発想なのです。
大人が読んでも楽しい児童書です。
言葉遊びが組み込まれていて、可愛いお話もあれば、平和を願い、心に響くお話もある。
この本には5つの本が1冊になっています。
辞書並みの厚さ。
今読んでいるのは、最初のシリーズ「favole al telefono」
直訳すると、「電話のおとぎ話」という訳。
この本の語り手はビアンキさん。
ビアンキさんはイタリア中を旅するセールスマンで、彼は、毎日9時きっかりに電話でお話を聞かせる約束を娘としていたので、このタイトルがついているようです。
作者が娘に電話で物語を話して、それを作品にしたそうです。
当時はコインの電話だったので、短いお話を作ったとのこと。
調べてみると日本語訳が版も出ている。
日本語のタイトルは、「パパの電話を待ちながら」
オンライン版がないのでまだ読めていませんが、日本に帰ったら入手したい本。
日本語でどう言う風に訳されているか読んでみたい!
絵は荒井良二さん。
素敵〜✨
***
日本語版のものに、どのお話が入っているかは分からないのですが、少しだけ紹介します。
(私の簡易訳ですので、不備あるかもしれません。ご了承ください)
この先は、本の内容を少し知りたい方のみご覧ください。
以下、「favole al telefono」より。
===
Tante domande
あるところに沢山質問をする少年がいました。その少年の質問は悪いものではなかったそうです。質問は以下のようなもの。
「なんで、引き出しは机を持っているの?」
「どうして、尾は魚を持っているの?」
「どうして、猫の髭は猫を持っているの?」
「なんで、影は松の木を持っているの?」
逆のこと(逆の語順で)を質問してきます。正しい質問ができない理由を皆で解明しようとしたが、できませんでした。月日が経ち、彼が亡くなったあと、彼のある習慣を発見しました。彼は靴下を裏表逆に履いていたのです。
靴下のせいで、質問も逆になっちゃった?!というオチのお話。
===
A toccare il naso del re
王様の鼻を触るお話。
ある男の人が、人の鼻を触ることを楽しんでました。ある日、彼は「王様の鼻を触る!」と目標に掲げました。まず、彼は有名人の鼻を触ることにします。最初は彼の行いに皆怒っていましたが、彼は次第に有名なり、彼に鼻を触られた人は「著名人」だ!と言われるようになり、触られた人は誇りを持つようになりました。その話が町中で広まり、ついに彼は王様の城に招待され、堂々と王様の鼻を触ることに成功したのです。彼は満足して、自分の家に帰って行きました。
===
La passeggiata di un distratto
ある日少年が散歩に行きます。お母さんに、「あなたは、おっちょこちょいだから気をつけて行ってくるのよ。」と言われて、その少年は元気に出かけて行きます。その道中で、少年は体のいろんなパーツを落としながらも元気に歩いて行きます。時には腕を、時には鼻を。いろんなパーツを失いながらも、元気に「ちゃんと帰ってきたよ!」と帰宅。落とした体のパーツを街の人たちが「これはあなたの子のかな?」と届けてくれ、お母さんは「よく帰ってきたねと」戻ってきた体のパーツを戻しながら少年を褒めるお話。
===
Uno e sette
この話では、7人の男の子を知っている。という話で始まり、7人がそれぞれの国で生活していて、それぞれの仕事をもち、それぞれ大人になったと説明します。子供の頃、肌や髪の色、言葉や国が違っても、子供同士の言葉で理解しあい、笑い合っていた。今は大人になったけど、彼らは戦争することができない、なぜなら彼らは、同じ人なんだから。
と平和と平等を歌ったお話。
===
そのほか、バター人間のお話、角のない街のお話、チョコレートの道の話、寝ると小さくなっちゃう子の話とか、とにかく想像力をかき立てられるようなお話ばかりなんです。
***
この本はイタリア語の勉強がてら、少しずつ読み進めています。
まだ理解が難しいところは沢山ありますが、もっと読みたいな、という気持ちにさせてくれる本です。
今やすっかり、ジャンニ・ロダーリのファンです。
タケディーナ