『憂国のモリアーティ』の話。
おはようございます。
ひとまず区切りができたので。
ときたまに投稿者が『憂国のモリアーティ』とういう作品で、嬉々として狂ってるなぁと思っている同士諸君が多数いるかと思いますので。先日ミュージカル版も一区切りつきました故、少々全体的な話しておきたいなと。
初見さんにも分かりやすいようにまとめました。
話が長くなりそうなので、原作漫画(電子書籍版)・アニメ版(OVAまで視聴済)・ミュージカル(Op.1&Op.2配信・Op.3から現地観劇)から、今回は原作漫画とアニメ版中心に語りたいなと。
よろしくおねがいします。
――『憂国のモリアーティ』とは。
『ジャンプSQ.』にて連載中。
構成/竹内良輔氏・漫画/三好輝先生によるコナン・ドイル原作の推理小説『シャーロック・ホームズ』シリーズのパスティーシュ作品。
シャーロック・ホームズの宿敵『ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ(モリアーティ教授)』とその兄弟・仲間たちの目線から語られる物語。
『階級社会』が支配する19世紀ロンドンを舞台に、裁けぬ悪を”悪”で制す――その先の穢れなき"美しい世界”を目指して。
――主要登場人物。
◎ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
【モリアーティ家次男:数学教諭兼犯罪相談役・主人公の一人】
◎シャーロック・ホームズ
【世界的有名諮問探偵・主人公の一人】
◎アルバート・ジェームズ・モリアーティ
【モリアーティ家長男:ウィリアムとルイスの"養兄"(元)MI6指揮官"M"】
◎ルイス・ジェームズ・モリアーティ
【モリアーティ家三男:ウィリアムの実弟・MI6指揮官"M"後任者】
◎セバスチャン・モラン
【モリアーティ家使用人:元軍人ウィリアムの右腕・狙撃手】
◎フレッド・ポーロック
【モリアーティ家使用人:昼は花の世話係・夜は"犯罪相談役窓口"】
◎ジェームズ・ボンド(アイリーン・アドラー)
【元女優・とある"醜聞"を切欠に三兄弟の力でMI6エージェントに配属】
◎ジョン・H・ワトソン
【元軍医・シャーロックの相棒:コナン・ドイルとして小説を執筆】
◎ハドソン
【ベーカー街221Bの家主。ミス・ハドソン】
◎ジョージ・レストレード
【スコットランド・ヤード犯罪捜査部警部】
◎マイクロフト・ホームズ
【英国陸軍情報部長官&アルバートの(元)直属上司。シャーロックの実兄】
――なぜ人気なのか。
主人公のウィリアムをはじめ、イケメン揃いだから。
・・・というだけではなく(笑)
従来の『シャーロック・ホームズシリーズ』の『モリアーティ教授』というのは『圧倒的な悪の化身※犯罪界のナポレオン』として一貫して描かれていまして。
(まぁ…原作者のイヤイヤ期で生まれたような人物だものゲフンゲフン)
対して『憂国のモリアーティ(以下憂モリ)』では『義賊』的な描かれ方をしているので、そこが注目されているようです。
あと、国内だけでなく海外でも人気が高い。※1※2
※1:2.5次元ミュージカルの影響も強い
※2:個人的な感想になってしまうけれど、参考として『機動戦士ガンダム水星の魔女』の時は台湾(中国)・東南アジア方面が多かった印象。『憂モリ』はアジアだけでなくヨーロッパ・米国方面とファンの生息地域が雑多な印象。
※8/6追記:そういえば水魔女のファンにチリ(出身)ちゃんいたわ。
この間の大阪の推しフェス来てたわ。ごめん。意外に世界は広い。
――メディアミックスについて。
まず『憂モリ』は、メディアミックスが通常の媒体展開と違う所がユニークだなと。
通常、『漫画(原作)』⇒『アニメ化』または『劇場アニメ化』⇒『(2.5次元)舞台』または『実写化』とメディアミックス展開していくのに対し。
憂モリは『漫画(原作)』⇒『2.5次元ミュージカル化』⇒『アニメ化』『舞台化』でメディアミックス展開が行われているなと。
コロナ禍の厳しい状況があったとはいえ、ミュージカル化が先でもファンはできる、という事を証明したのではないかと。
――原作に対し各メディアミックスのアプローチについて。
ミュージカル版をまとめると大変長文になるので、ここでは割愛になってしまうのだけれど。
※モリミュだけでもモリコンと併せても2部構成になるのよ…。
※8/5追記:3部構成になりましたー!(死んだ魚の目)
ピアノとバイオリンの生演奏に加え、実力ある俳優陣の演技で情緒が乱れる、とだけ。ただ、原作漫画をある程度読み込んでいないとOp.5で感情の置き場に困り始める。
あとミュージカル版ばかりに気を取られ、サジェストに『憂モリ アニメ つまらない』と出てくるのは誠に遺憾だなと。
アニメもミュージカルも『改変』はあっても『原作漫画』に対して、どちらも更なる作品表現の向上に注力していたかと。
※憂モリの導入はミュージカルOp.3からではあるけれど、アニメを中心に見てました。制作陣は良く見知った人たちで構成されてたので(某スパイ作品とか某公安部は…入るかな?)安心して見れるなと。私的には第一期の脚本家見て『テコ入れで三兄弟の猫にゃ◯ダンスするんですね!分かります!!』となったとかならなかったとかゲフンゲフン。
+*:;;;:*+*:;;;:*:;;;:*+*:;;;:*+*:;;;:*+*:;;;:*+
よく『アニメ版は原作漫画を端折り過ぎ』という意見がありますが。
確かに全話通しで見ると後半が少々駆け足気味。
こればかりは個人の『感覚(好み)』に委ねられると考えてます。
私はアニメ版の構成に関して、スッキリまとまっていたかなと。
ラストシーン普通に好み。
細部を見てくれと叫びたい。
※原作漫画第一話冒頭のカラー原稿部分を見ると『滝』は意識しているだろうし『滝』で区切ろうとしてたのではないかなと。ジョンの小説の方向性に持って行ってもいいけれど、原作冒頭を意識するならあのアニメENDかなと。漫画原作『パスカヴィル』がくどいと見てたし、ミュージカル版も見ようによっては…Op.5の感情の置き場に困ると言う点ではくどいのかなと。
※8/5追記:書き洩れ事項。どうも洋画のパロディが多いとの意見があるようで…それも考慮しての大幅シナリオカットなのかなとも。
三兄弟の末弟(ルイス)も原作漫画や作者の落書きだと割と『依存体質』で描かれがちなのですが、アニメ・ミュージカルはそこまでの描写がないので『かわいい末弟』でありがたいなと。唯一、明確に嫉妬心燃やす描写が入るのはOVA版の『百合の追憶』かな(列車のシーンは…あれシャーリー単純に迷惑野郎だしな笑)
ただ、『モリアーティ家の休日』で上2人の弟に対する気持ちの矢印が…とんでもない程大きめの矢印飛ばしてくるので…大好き(笑)
+*:;;;:*+*:;;;:*:;;;:*+*:;;;:*+*:;;;:*+*:;;;:*+
話数だと第2話だけでも超楽しい。
幼少期ウィリアムの初登場シーンで一度再生巻き戻して確認したほど。
『この子身分が違いますよ』というのが一目で分かる。流石。
あと、屋敷を焼き払うシーン。
原作漫画・ミュージカルは”力業”が目立つなと(笑)
対してアニメは巧妙に”仕掛け”を施す。子供が仕掛けるにしては大掛かりだなと思いつつも『知性』を見せるための、あえての演出なのかと。素晴らしいなと。
それと、これを日本男児に言うのは心苦しいんですけど。
『紅茶』に対する"お作法"も正しく描写されていたかなと。
まぁ…アニメ版第6話・第7話が個人的にとても気まずい。
未だに気まずさを抱いたままミュージカル版のエンダース卿を見ている状況(申し訳ないなの気持ち)(ついでに同アニメ制作会社のBL〇〇D-Cも気まずい…気まずいので間を取って某水泳部にしよう。あれはいいものだ)
※8/5追記:ミュージカル版コンサート視聴。気まずさがワンランク上がりました…。アレー?
他にもアニメ第22話『二人は共犯』の最後のウィリアムの心情(二人〇すも一緒のシーン)アニメは原作漫画に忠実に再現されていたけれど、好みとしてはミュージカル版の悲壮感漂ってる方がいいかなと。
逆に、ミュージカル版のOp.5の貴族と市民の”手の取り方”に疑問が生じたし『モラン大佐』が見るからに弱っていくのが絶えられなかったんですよ。
何でだろうと思ってアニメ版を見返したら、第24話に答えがありました。
『原作漫画を改変している』と指摘されそうだけれど、大佐には最後まで兄貴キャラ貫いてほしかったなと。
+*:;;;:*+*:;;;:*:;;;:*+*:;;;:*+*:;;;:*+*:;;;:*+
物語の主人公たちの心情の捉え方の表現が難しい所はあるのですが。
アニメ版だけでも見ていて感じていたのは『未熟な人間の特徴は、理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。これに反して成熟した人間の特徴は、理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある。』という事を表したいのかなと考えていました。
※なのでサリンジャー好きいないかちょっと探した。
これは第一部の物語の根幹にある『自己犠牲は尊いのか』ということ。
海外に受け入れられているのはそういう面もあるのかなと思いつつ、私自身は、宗教的な観点というより現代でいう所の所謂『暴露系(晒し系)YouTuberの行動ははたして”正義”なのか』ぐらいの気持ちで作品を見ていました。
…疲れて屠殺場で働く人の気持ちになっちゃったでもいいのだけれど。
(よくない)
まぁ、悪の道を行くなら悪の道で貫き通してほしかったなという一種の悪と滅びの美学的なワガママはありますね。
優しさが出ちゃってるなぁ(苦笑)
ひとまず、原作漫画・アニメ版で語りたい事は語れたので。
このあと、ミュージカル版です。長いなぁ(笑)付き合わせてごめんねー!
ご覧いただきありがとうございました。
いい一日をお過ごしください🐦⬛🐦⬛🐦⬛