読書感想文㉔
久しぶりの読書感想文の投稿になります。
今回はオードリー若林正恭さんの『表参道のセレブ犬とカバー二ャ要塞の野良犬』について書きます。
この本は若林さんがキューバ、モンゴル、アイスランドに旅行した際の紀行文です。
紀行文というジャンルは読んだことがありませんでしたが、他の紀行文も読んでみたいなと思うようになりました。
紀行文であるが、紀行文でない。
この本は、旅行の思い出や出来事をただ記したものではありません。
所々に、深く考えさせられる言葉が散りばめられています。
この感想文では、本の内容について書くのは控えます。
なぜなら、この本の魅力は若林さんならではの言葉の使い方や言い回しであると思うからです。紀行文や小説をあまり読まないせいか、初めて出会う言葉・文章・考えがたくさん詰まっていてとても新鮮でした。
ズーンと心に響いた文を2つ紹介します。
広告の看板がなくて、修理しまくったクラシックカーが走っている、この風景はほとんどユーモアに近い強い意志だ。
キューバの人たちの抵抗と我慢は、じめじめしていない。
明るくて強い。(p.105)
度を超した贅沢はしなくてもいい、度を超した努力もしたくない。だけどエアコンがない家に住むのは辛い。こうやって書くとただのわがままだが、それを叶えたいなら今の日本では死ぬほど努力しないといけないのかもしれない。(p.153)
以上の2つの文はキューバ編に出てきます。
周囲の文脈を読まないで単独で見ても何も思わないと思うので、是非この本を読んでいただきたいです。
僕はこの本を読んでいて、キューバもモンゴルもアイスランドも行ってみたいと思うと同時に、「若林さんは次はどこの国に行きたいのだろう」と考えながら読んでいると、驚くべき回答がありました。
もう行きたいという国は思い浮かばない。この国(日本)と比較してみたい国はもう思いつかなくなっていた。それは、探していたものが見つかった手応えがあるからだ。(p.334)
こんな感覚を味わってみたい!
更に3ヵ国(特にキューバ)に行きたくなりました。
僕は誓いました。あなたのように生々しく生きていこうと。
DJ松永さんが解説に書いていた文章です。
僕も誓いました。二人のように生々しく生きていこうと。
最後になりますが、
素晴らしい本に出会わせてくれたRyotaさん、ありがとうございました。