![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167907057/rectangle_large_type_2_e2f07c6a3cdfdf38300cf0d70a207a2a.png?width=1200)
今、ここにある幸せは
今年ももうあと僅か、嬉しいこと、悲しいこと、苦しいこと、いつものながらいろんなことがあった年だった。最近はもう年中行事となりつつある身体の不調と入院、母の死など苦しいことや悲しいことの比重が若干多かったように思う。病気に関しては敗血症、幽門狭窄で食べられなくなったことによる小腸バイパス手術、今までに経験のないような肝性脳症など、入院期間も長期にわたった。その合間に母が亡くなり喪主を務めて郷里から帰った途端に幽門狭窄の検査入院、そして手術しなければ持って一年、ただし血小板が少なく出血が止まらないハイリスクがあると言われたバイパス手術、そしてその後の肝性脳症による入院では初めて身体拘束を経験した。振り返れば悪いことばかりの一年だったように見える…、けれど逆に考えれば母の死は長年の認知障害、思うように動かない身体からようやく開放されて、今は先に逝った父と共に天国への道を足取りも軽く歩いているだろうと思うし、僕は入院中にいろいろな人たちに助けてもらって今まで以上に感謝の気持ちを知るようになった。何よりも痛烈に思ったことは口からものを味わいながら食べられることの幸せ…、その幸せを噛みしめながら今、僕は生きている。
昨日、お正月の準備のために妻と買い出しに出かけた。二人であれがいるとかこれは食べられないとかいろいろと喋りながら買い物をしているとき、今、ここにある幸せは決して当たり前のものではない。いくつもの奇跡が積み重なって初めて感じられることなんだ。そして僕はそのことの大切さを人より少しだけ深く感じることができるんだと妻の背中を見ながらそう思った。