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ランニングのド素人が3ヶ月でフルマラソンを走るためにしたこと

今回のnoteは、ロボット開発という仕事からは完全に離れて、ランニングのド素人が3か月でフルマラソンにチャレンジするために行ったことを纏めておきます。半分はもし自分がまたやろう!と思った時のためのメモ、半分はもし同じような境遇の人がどうしようと…と思ったときの何かの参考として書いておきます。

結果だけ先に書いておくと、ランニング経験はほぼないアラフォー世代の私でも、3か月練習して、6回くらい歩きましたが、なんとか4時間55分くらいで京都マラソンを完走できました。今回はその忘備録です。

申し込み

すべてはここから始まりました。確か会社の先輩との何気ない会話の中で、「京都マラソン出ましょ!!」みたいな悪ノリをしてしまいました。というか、毎年していました。。。人気のマラソン大会ということで、京都市民にもかかわらず、過去3回申し込んで、一回も当たっていなかったので、「まぁ今回も外れるでしょ~」と余裕をぶっこいていたら、当選しました・・・(後から聞いた話では、コロナの影響もあり、海外なども申し込みが少なかったとかいう噂も)

というわけで、ノリで申し込んだもののせっかく当たったので走ろう!!と心に決めましたが、次に襲い掛かってきたのは「入金」!!

なんと、、、18,990円!!

思ったよりも高いっっ!!!
せっかく当たったので、家族には内緒で払いました。笑

お金を払ったことで、ちょっとやる気が出てきました!!
この時点で10/20。本番は2/19なので、あと4か月。

そうだ、靴を買いに行こう!!

入金した週の週末の10/22(土)。靴を買いに行きました。スポーツを見るのは好きだったので、厚底のシューズが流行っているとかは知っていたのですが、スポーツショップに行ってビックリ!!!

自分が子供のころのランニングのイメージとは全然違う!
本当に足裏が分厚い靴がたくさん並んでいます。そして、カラフル!そして、そして、HOKA(2009年フランス創業)など何よりも知らないメーカーがたくさん!!

靴がいっぱいありすぎて、どれを選べばよいのかわかりません…
セールになっていたNIKE ズームフライ5というやつを選んでみました。

振り返れば、ここが最初の失敗でした。。

購入後の翌日、10/23。初めてのランニングということで、おニューの靴で5Km走ってみました。このときのデータを見ると、1キロを7分14秒のペース。ゆっくりなら意外と5キロくらいは行けてしまう?なんて思いながらも、走っている途中から足が痛い。そして、翌日も翌々日も足が痛い。特に足裏。めっちゃ痛い!

これはもしかしてランニングが向いていない?いきなり走り過ぎた?とかいろいろ考えながら、次の週末10/30に別の大きなスポーツショップに行きました。さすが大きなお店ということで、足の形を測ってくれたり、床反力計みたいなを使って、実際に歩いた時の接地面の推移などを計測してくれます!(エンジニア視点で面白かった!)

結果、「今履いている靴は合わないですね~」とバッサリ。。。
(あくまでも私には合わないということです。目標や足の形によっては素晴らしい靴とのこと)

とりあえず完走を目指す初心者、かつ、私の足の形(幅は広め、かつ、土踏まずがほぼない)なら、これがオススメっ!!と言われ、それで足の裏が痛みがなくなるならと、即購入。足の裏のアーチがない人向けのインソールもおすすめされたので、言われるままに購入。
※土踏まずがない人は、足のクッション性が悪く、足の裏が痛くなりやすいそうです。これも二足歩行ロボットの研究発表で聞いたことがある話でした。笑

素人教訓1 靴選びは大事。専門家に相談しながら選びましょう。

ちなみに私には合っていなかったといわれたナイキは、1回のみの使用ということもあり、ほぼ売価に近い状態でメルカリで売却できました。すばらしいぞ、メルカリ!!

いよいよ練習開始!?

お気に入りの靴もできたところで、練習もしていこう!ということで始めたのが11月。もちろん、スピードは速くないのですが、意外と長距離を走ること自体には順応できそうです。始める前には10キロ走るって無理だなぁと思っていたのですが、「おっ、意外といける」という感じになりました。
何よりも靴が走りやすい!!

11月の練習記録

そして、何よりも意外と楽しい!!

ジョギングは意外と楽しい。これは京都という場所も良かったのかもしれませんが、鴨川沿いを景色を見ながら、ゆっくり走ったりすると、あっという間に1時間くらいが立つことがわかりました。

素人教訓2 走るコースは大事だよ。テンション上がる&走りやすい場所を見つけよう。

そんな順調にいかないのも人生。

せっかく走るのが楽しい!?みたいな錯覚に陥ったにもかかわらず、そうはうまくいきません。(ランニングの練習はおそらく関係ないはずなのですが)11月中旬ごろから咳が止まらなくなりました。。。1週間たっても全然よくならず、内科に行くと、喘息かな~みたいな診断。二週間くらい薬を飲んだり、吸引をしたりとしましたが、あまりよくなりません。COPD(慢性閉塞性肺疾患)向けの薬もあり、「あっ、これ昔にCOPD向けの呼吸リハビリテーションデバイス作ったなぁ~」なんて呑気に思い出しながら、早く良くならないかなと思っていたのですが・・・日常生活にも支障が出るレベルに咳が止まらない感じです。コロナではなかったのですが、周りも目線も気になり、ちょっとテンションが下がりました・・・

そんな中で出会ったのが、「鍼治療」。血流が悪くなっているのが最大の原因だという指摘のもとで大量の鍼を胸、鎖骨、首、喉の深めに打ってもらいました。その数、150-200本くらい。写真を載せるのは控えておきますが、かなり痛いし、血も出たし、内出血もめっちゃできました…血が出るのは、悪いものが出ているので気にするなという先生の言葉を信じ、2,3回治療を受けるとほぼ回復しました…むしろ、首や顔のむくみまで取れて、痩せた??と言われることが増えました。ゴッドハンドです。

素人教訓3 健康第一。風邪とかには十分気を付けよう!

なんとか回復したものの、練習を再開できたのは12/10。結局、丸々1カ月は走ることができませんでした…というわけであっという間に本番まで残り2カ月!!

さすがにヤバいかも!!という焦りが生まれ始めました。

とはいえ、走るのは週末の1日に10キロというのを続けました。というか、それ以外に何をしたら良いのかよくわからなかったのです…

練習を変えたスマートウォッチ

そんな週一回の10キロを変えたものがあります。
スマートウォッチ!!

自分へのクリスマスプレゼントということで奮発しました。

これも靴と同様にApple Watchなどいろんな種類があり、どれが良いかが全く分からなかったのですが、一番走るのに良さそうなガーミン for ランナーというシリーズにしました。

これが自分の中では、かなりハマりました。

素人すぎて、どれくらい練習したらよいのかわからなかったところから、ガーミンが自分の身体能力の状況(VO2max)、トレーニングの短期的負荷、負荷のバランス(有酸素、無酸素)、睡眠の質、回復までの時間などを全て可視化してくれるようなったのです。そして、バーチャルな外国人コーチみたいな人が、こんな練習をするといいよという練習や食事などのアドバイスを送ってきてくれます。

というわけで、クリスマス以降、スマートウォッチで負荷の様子を見ながら、年末年始の休みということもあり、一日置きくらいの頻度で10キロくらいを走るようになりました。数回やると1キロ6分半〜7分くらいのゆっくりペースでの10キロなら特に辛くなることはなくなりました。

そして、走るたびに少しずつペースも上がり、こんなにわかりやすく練習と成果が直結するのかと感動した記憶があります。(今思うと、最初のうちは特に効果が出やすいんだと思われます)

実力値を試す

正月には自分の現状値を知るためにハーフの距離を走りました。

これは完全に計画外だったのですが、実家に帰った時に子供と買い物に行ったのですが、買った凧をお店に忘れてくるということがありました。

家から距離にして片道8キロ。
車で行こうかな〜と思ったものの正月休みで時間もあるしということで、走ってみることにしました。あえて遠回りもして、往復で21キロを2時間18分で無事完走。

最後の5キロくらいはバテバテでしんどかったもののに、なんとかキロ6分半くらいのペースで20キロ走れたことは、結構な自信になりました。

こんなこともあり、「もしかすると、ひょっとしちゃうと、フルマラソンも完走できるかも!?」と練習のやる気が増しました。

どんどん負荷を掛けたくなる

20キロを走れたということで、段々と練習にも熱を帯びてきました。ガーミンの指示に従って、負荷の上限まで練習量を増やしていきました。

劇的に練習内容が変わりました。正月休みも終わり、平日には長い時間を走るのは難しくなりましたが、ガーミンのコーチはその辺りも考慮して練習プログラムを組んでくれます。素晴らしいっ!!

イメージ的には
平日(火・木)インターバル練習 前後のジョギングも含めて50分くらい
休日(土・日)長めの距離をゆっくり1時間半くらい
という感じのを続けていくことを行いました。

平日は、早起きするか、在宅勤務の時には昼休みに。休日は、早起きして朝ごはん前に走るというのが、身体に馴染んできました。日の出前の早朝に走ると、清々しい気分になるのも、意外な発見でした。

いかんせん、ガーミンで状態を可視化できるのは、モチベーション維持に大きく役立ちました。走るたびに身体負荷の状態がわかりますし、予想タイムなどが上がるので、とてもやる気になりました。

この頃には、1キロ5分後半のペースで10キロ走れるようになってきました!少しずつ脚に筋肉も付いてきた気もします!!(これは後ほど大きな勘違いと気づくことに…)

素人教訓4 スマートウォッチ最高!可視化、最高!!

いよいよ、ラスト1ヶ月!?

1月から練習の量、質ともに練習を始めた11月頃から比べると明らかに上がりました。1月も1/20までに100キロ以上を走っていました。

1/21(土)もいつも通りの休日用のメニューということで、少し長めの15キロくらいを走りました。

しかーーし、走り始めて2キロくらいだったでしょうか?アキレス腱がパァーッんと攣ったようになり、その後も1キロくらい鈍い痛みが続きました。ただ、そのまま走っていると痛みもなくなり、結局予定より多い16キロくらいを走りました。

そして、次の日の朝。

痛いっ!!

地面に右足をつけると激痛が走りました。いてててて、とベッドでしばらく座ったというか、動けなくなってしまいました。手でアキレス腱あたりを触るだけで痛いというあまり体験したことのない感じになったので、病院へ行くと、

アキレス腱炎&アキレス腱周辺炎。。。

「一か月後の京都マラソン走りたいんですけど…」

と相談すると、ランニングできるようになるのが一か月後くらいかなぁと言われてしまいました。

・・・・

こんなときは、ゴッドハンドに相談するしかないっ!!!!

ということで、忙しい中、無理を言って、大量の鍼による治療を頂きました。
先生と会話していると、ふくらはぎの筋肉がパンパンだとのことで、それが原因でしょう。急に走り過ぎですね。。。ということでした。

おー脚に筋肉が付いてきたなぁ~とニヤニヤしていたのは完全に失敗で、単なる失敗というか、身体側からのSOSだったようです。

素人教訓5 調子に乗って負荷を掛け過ぎない。身体の声をしっかり聴きましょう。。。

あと2週間になってしまった…

ゴッドハンド先生のお力もあり、1週間で痛みはなく歩行できるようになり、さらに一週間でアキレス腱の違和感もほぼなくなりました。

2/4(土)、2週間ぶりの練習再開です。違和感が全くないという訳にはいきませんでしたが、5キロくらいならゆっくり走れる感じ。

しかし、2週間練習しないと、ガーミンのスコアが著しく低下します。せっかく上がってきたVO2maxの値や予想ゴールタイムなども、あっという間に低下しました。。。ちょっとテンション下がります、というか、焦りました。

ここからとても迷いました。
残された2週間、練習できなくなった分、本番までにちょっと負荷を掛けるべきか、それとも休養に徹するべきか。

結局、まぁ2週間前から負荷を掛けても速くもならないだろうということで、本番1週間前だけちょっと長めに15キロを1時間半くらいで走りました。他には5キロをゆっくりめに3回ほどということで、あまり負荷を掛け過ぎないようにしました。

15キロを1回走れたことで、精神的な焦りが少し収まりました。とはいえ、やはり以前より、アキレス腱周りが疲れやすい感じがしたり、かばって走っているせいなのか、逆側の膝回りが痛くなったりと不安は残ったまま・・

迎えた本番、2/19!!

雨です!!!

初マラソンにケガ明けで参加するのに、雨。。。
しかも、天気予報よりも強めに降っています。。。
なんて持っていない男なんだ!!!と心底思いました。
(経験豊富な会社の先輩が一緒にいてくれたので、雨対策含め、当日の段取りなどとても心強かったです)

とはいえ、京都市長やら、iPSの山中先生、本田望結ちゃんとかが場を盛り上げてくれて、いよいよ、スタート!!の号砲。

しかーーーし、持ちタイム順にスタートしていくので、初マラソンの私がスタートラインに付くのは、最初の号砲がなってから16分後でした。それまでは、メイン競技場にも入れず、サブトラックのコースにも入れず、サブトラックの芝生の上で待機です。。。足元は芝生もグチョグチョの水たまり。ポンチョで身体は守っているものの、靴は濡れ、靴下も濡れ、テンションはダダ下がり。。。

というわけで、周りの人とも、最悪ですね~とか言いながら、やっとスタート。

おっ、気持ちいい!!

大きな幹線道路のド真ん中を走るというのは、思ったより爽快な感じ。
沿道の人たちも工夫を凝らした応援をいっぱいしてくれて、とにかく楽しい!
5キロくらいで雨もやみ、ペースも結構いい感じ。京都マラソンは前半に上り坂が多いのですが、特に痛みもでることなく、20キロくらいまで予定通りの感じで走ることができました。

嗚咽が止まらない…

23キロくらいで家族が沿道で応援してくれました。これは元気がでました!やっぱりバイネームでの応援は、力が一層出ます!!

と思った矢先、25キロくらいで急に嗚咽が止まらなくなりました。

「おえぇぇぇーーーー!!」

これはヤバい。。。その後も、エネルギー切れだけは嫌だなと思っていたので、給水とかオヤツをくれる場所で何かを口に入れるのですが、振り返ってみれば、その度にちょっと走ると気持ち悪くなりました。。。

というわけで、30キロ過ぎくらいからは何度か歩くことになりました。あとでデータを見てみると、合計6回くらいは歩きました。なぜ気持ち悪くなったのかはよくわかりません。内臓がおかしくなったのか、食べ物が合わなかったのか、ただ単に足が疲れただけなのか。

ペースが急に落ちているが歩いているところ

何度歩いていても、また走り直せるというのは、沿道の応援のおかげだなと思いました。一人ならずっと歩いていたかもしれません。

しかし、最後の試練です。36キロくらいから、また雨が強くなってきました。あれ、、、天気予報では午後は降らないはずだったのに・・・

ここで一つミスをしたことを猛烈に後悔します。
そういえば、走る前に先輩に言われていたこと。

「雨が上がっても、着ているポンチョは捨てない方が良いよ。ポンチョ脱ぐと急に体温下がるから。」

あーーー捨ててしまった。10キロ過ぎで捨ててしまった。雨も上がったし、身体も軽くなったので、大丈夫と思って、捨ててしまいましたよ、先輩。

疲れた身体に降る雨は、本当に体力を奪うというか、明らかに寒いっ!!、そして、いよいよ足が動かなくなってきました。。。自分の調子に乗りやすい性格を後悔。

素人教訓6 ベテラン先輩の教訓を調子に乗って忘れるな。

もっと早く、ZARDの曲はかかっても良かった

最後の5キロは猛烈にしんどかった。上りも下りも関係なくシンドカッタ…

でもでも、何とかあと500メートルくらいまで、来た時にゴールの方から大音量の音楽が聞こえてきました。

「負けないで もーう少し さーいごまで走り抜けてー
 どんなに離れーてても こころは そばにいるわー」

ZARDの負けないです。
こんなに心に響くというか、身体に響くというか、脚が動くようになる体験は初めて。
ZARD、サイコー。

というわけで、無事、ピースサインで笑ってゴールを迎えることができました。

おしまいっ!!

11月から練習を始めたものの、1カ月半くらいは走れない時期もあり、実質まともにできたのは3か月くらいでしょうか。
多くの人の協力を頂き、なんとか4時間54分36秒で走りきることができました。ありがとうございました!!

番外編メモ

練習、本番で感じたこともメモしておきます。

・初マラソンは、土地勘のある地元が良い。あとどれくらいとか、この後は上りとか下りとかイメージしやすい。そして、家族など知ってる人の応援は確実にパワーになる。

・当日のテーピングはたぶん効いた!比較できないので正確には分かりませんが、足裏アーチ、ふくらはぎ、膝周りのキネシオテープは、とにかく足が痛くならないか不安だったので、精神的にもかなり効いた気がします。テーピングの仕方はネットにいっぱい落ちてます。

・筋トレは、役立っている気はした。週二回くらい下半身を中心に筋トレしました。効果は分かりませんが、感覚的には良かった気がする。メニューはネットにたくさん落ちています。

・プロテインは、更に効果は実感できない。けど、信じるものは救われると飲み続けました。ただし、身体に合う合わないはあるようで、私はWPI製法というやつを飲みました。普通のやつは、お腹の調子が悪くなりました。

・ランニングに関する情報はネットに驚くほどある。けど、誰を対象にして書かれているのかが分かりにくい。おそらく、ある程度のレベル向けの情報が多くて、私のようなど素人向けは少ない気がする。

・体重は間違いなく減る。結構食べてても3ヶ月で5キロくらい減りました。これは良い!!

・ランニングは、時間がかかるスポーツ。もちろん本番は1日潰れますし、練習も1時間、2時間かかることもよくあります。特に休日などは早朝に練習したりと家族への配慮と理解が必要です。

では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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