こんまりさんのお片付けとエモいとお金の関係
感性価値にはいくらの価値があるのか?企業人である私は、よくそんな問いを受けます。今回はそんな悩みを共有したいと思います。笑 あわよくば、助言を頂けたらとも企んでいます。
花束の値段は?
以前の記事で「花束のようなプロダクトが作れるか?」ということを書きました。これからは楽しい、美しいなど感性を揺さぶるような感性価値の高いプロダクト、サービスの価値が必要になるだろうと。その例えとして、「花束」を使いました。
これだけデザインやユーザーエクスペリエンスの重要性が説かれる時代なので、感性価値が必要になってくるのはある意味当たり前のような気もします。
しかし一方で、感性価値が持つ価値というのは良く分かりません。私も企業で新しいことを提案し、社会実装、事業化を求められる立場もあり、よく「感性価値がない状態からある状態にしたら、いくら高く売れるのか?」という質問を受けます。感性という言葉が表しているように、この質問は非常に答えにくい。。。
ある機能を付け加えるという機能的価値は、殆どのケースでお金の換算がしやすいです。作る方も買う方も費用対効果を出すために、その機能を現在存在している手段で実現しようとした時にかかる費用と比較したり、想定されるプラス効果やロスコスト削減効果と比較したりして、その価値を金額換算しようとします。
改めて、感性価値に価値はあるか?
感性価値の代名詞として「エモい」という表現があるかと思います。検索してみても、日々多くのニュースが報道されています。
私が所属している部門でも先日「エモハッカソン」というハッカソンが行われました。その中でも以下のようなことが言われています。
現在、 モノづくりの現場で正しさのコモディティ化が進み、 製作時には機能や、 過去データに基づいた必要性が製作動機になっています。 でも、 今の時代、 周りはすでに便利なもので満たされており、 モノづくりが次のステップへ行くためには、 「人の心を動かす」エモさが必要だ
では、人の心を動かすと何が起こるのでしょうか?
サイエンスライターの森山さんに教えて頂いた以下の事例がわかりやすいです。シンプルに言えば、「心が変われば、行動が変わる」んだと思います。
行動が変わると、何が起こるかというと、Before/ Afterで比較ができるようになります。例えば、上の階段とエスカレータの例だと、エスカレータを使っていた人が階段を使うようになり、例えば体重が減ったり、筋肉が増えたり、転倒が減ったり、介護費が・・・などと色々と効果が試算できるようになるはずです。こうすると、エモいという感性価値が費用として換算できるようになります。
こんまりさんのトキメキ
ただし、それだけではまだ腑に落ちてないというのが正直なところです。感性価値には行動では表現できないもっと大きな価値があるように感じています。
例えば、片付け屋さんとして大ブレーク中のこんまりこと近藤麻里恵さん。
彼女の片付け基準は、「ときめくか」「ときめかないか」。英語で言うと、「Spark Joy」。そう、Joyなんです。まさに感性価値があるかどうか。
片付けという行動にだけ置き換えてしまうと、流行りの家事代行で考えると時給2000-3000円という作業です。一方、Spark Joy片付けはこんまりさんのお弟子さんで約6000円、本人だと1万円というような数字がネットでは出ています。つまり、行為自体の3-5倍の価値があると市場は判断していることになります。
感性価値の本質は?
この数倍という価値は一体なんなのでしょうか?これが私がまだまだちゃんと理解できていないポイントであり、これからしっかりと考えていきたい内容です。是非、色々とご意見頂ければと思います。笑
そして、その次の価値として考えられるのは、情報視点での価値です。つまり、個々人が何に対して感性的な価値を感じているのか?、いつ感じているのか?、何故感じているのか?、という情報自体がこれから大きな情報価値を持つようになってくるのではないかと思います。
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