第5期指す将A3 対Rajendraさん振り返り
第5期指す将順位戦ももう半分が過ぎてしまった。
最初は好奇心で始めたものの負けると悔しくて勉強したがその後倦怠期が来たりまた唐突に詰将棋を解きだしたりしていると長い期間モチベーションを保つことの難しさが再認識される。
このnoteでの振り返りもいつまで続くのだろうか、できれば最終局まで続けたいのだが。
今回のお相手のRajendraさんの24の棋譜はたくさんある。(うれしい)
twitterのプロフィールにもある通り三間、中飛車党で直近では特に三間飛車が多かった。
特に石田流に組まれると力を発揮されているなと感じたので組ませない序盤を模索することにした。
まず作戦選択だがいつも対三間に使っている穴熊を採用することにした。
24の棋譜で対穴熊されているのを探すと下図のようなものがあった。
案の定対穴熊でも石田流に組まれている。図は互角だろうが経験値の分だけ居飛車が勝ちにくいので組まれる前に遡る。
ここまで遡れば石田流に組ませないようにできるだろう。
67銀型を採用されているので組ませないための骨子としては下図のように64銀とすればいいだろうと考えた。
12香は早すぎると感じたのでその分54歩53銀を優先することにした。
類型として折田4段のプロ編入試験の将棋を(少しだけ)参考にした。
こんな感じで石田流組ませないマンをすれば穴熊に組んだ分だけ勝ちやすいだろう。
他の研究はせずにこれだけに決め打って対局に臨んだ。
事前研究をしすぎると真澤千星さん戦の時のように良くないと思ったからだ。(嘘です。ちゃんと研究しようとすると時間が掛かりすぎるからです)
予想通りRajendraの三間飛車対自分の居飛車の対抗系となった。
計画通りと思ったがこの56銀でいきなりとん挫した。
そんな手研究してないなあと思いながら一夜漬けの研究とおさらばした。
手としては死ぬほどよくある揺さぶりで簡単には角道を通さないぞという意味の手だ。44銀や55歩などもあるが本譜は44歩として64銀の準備をした。
この64銀はただただ石田流に組ませないだけの手だ。
65歩と突かれて53銀と戻ると2手損だが65歩を突かせた効果で石田流が組みにくくなるんかなと思った。
65歩に55銀も考えたが同銀同歩43銀打で悪いと思った。そこで69銀打も68飛58銀成同金で依然として34銀成の狙いが残っている。
本譜は64銀に68飛と石田流は組めなくなった。研究とは違ったがこうなればこちら満足な序盤だ。
そこから進んで後手が一歩交換しようとしたところだ。
実践では同銀しか考えなかったが同飛もあるらしい。
同飛65銀61飛64歩打で悪いと即断したがそこで66歩打という絶妙のたらしがあった。
同飛は45歩があるので同角だが64銀から6筋の制空権を取って居飛車が良い。なので38金と銀冠を完成させるだろうが居飛車は気を見て45歩から決戦を持ち込めるという選択肢が増えるので同銀より良かった。
少し進んで先手が55歩と指したところだ。
ここでは選択肢が多く悩みどころだと思った。本譜は73桂だが45歩の方が勝ったようだ。
45歩に54歩同銀58飛で手が分からなかったが46歩同金と乱しておいてから65銀53飛成に66銀62龍77成銀で後手優勢のようだ。先手は龍の位置がネックなのだ。(73角打が両取りになる)
73桂に95角63飛と進んで下図になった。
本譜は54歩同銀64歩53飛と95角を活かした攻めが決まっているように見えたが55歩打同銀同飛56銀打同飛同金45歩となって歩切れが痛く居飛車が良くなってしまった。56の金が浮いているせいで後々の89馬が金に当たるのが厳しいのだ。
図では75歩とすれば互角の局面が続いていた。
75歩同歩に15歩同歩54歩同歩と味付けをしてから75銀と出れば後手の手が難しい。居飛車としては74のキズが終始気になる展開になっただろう。
また少し進み前述したように居飛車が少し良くなっている。しかしここで67銀打が悪手だった。
正解は44桂打と敵の打ちたいところに打ての格言を地で行けばよかった。ここで打たないと先手から逆に打たれるていきなり穴熊が崩れてしまう。なので67銀打に44桂打なら形勢が急接近していた。ただ飛車を見捨てるこの手順は見えにくいだろう。自分も一ミリも考えていなかった。
少し進み結局44桂を打たれたせいで少し難しくなっている。
本譜は52飛打だったが41銀打と引っ掛けられるのが嫌だった。
38銀成同銀として金を手に入れてから31金打と埋めるのが本筋だろうが銀を渡したせいでおかわりが効くのが嫌みなのだ。実践的にはずっと絡み続けられていた方が間違えやすく困っていた。
そこから振り飛車の粘りに攻めあぐねほぼ互角に戻っている。
もう一度44桂打たれまずい局面だ。
ここで少しでも効かそうと99飛と打ったがこれがまずかった。
99飛打は詰めろになっていないので32桂成が入ってしまうのだ。指している最中はなんとかなるやろと思っていたが今見ると冷や汗ものである。本譜は49金打と埋められたので大事には至らなかった。
そこから永遠とじりじりとした攻防が続いたがこの58銀打が急転直下の悪手で勝負が決まってしまった。
66龍とバッサリと切り34香打と37の地点に殺到される手を見せられるのがきつすぎるのだ。
変えて41となら難しかった。以下66龍同龍37銀と放り込んで後手の攻めが続くかの勝負だろう。
その後はよちよち歩きのような寄せだったがなんとか着地することが出来た。
本局は対抗系特有の中盤のねじりあいが永遠と続く将棋だった。
指している最中は全く分からなかったが振り返ってみると中終盤のミスも多かったが穴熊の遠さを活かした戦いが出来ていたように思う。
これで5勝3敗となんとか昇級戦線に残っているようだ。昇級するにはひとつも負けられない状況が続くだろうがなんとか頑張っていきたい。