📗「優等生🌸」だからできないことがある

🟥「優等生🌸」とは？

「優等生」と呼ばれるている子どもがいる。

しかし、「優等生」という言葉には2面性がある。

１ 成績・品行とも特にすぐれている生徒。
２ そつがないが、おもしろみに欠ける人。

文字通り「優秀であること」を褒められている場合もあるが、逆説的に「つまらない人間」という意味で使われることもある。

🟦「優等生🌸」も好き好んで優等生になったんじゃない！

　優等生としては、「割が合わないな。」と思う気持ちも、分かるような気がする。
　優等生本人も、ＤＮＡと親が作った環境がたまたま「学校の成績アップ」「品行方正」の条件にぴったり合ってしまったものだから、「優等生」になっただけであって、本人の意思はほぼ入っていない。いや、ちょっと言い過ぎだったら許してほしい。（笑）

🟨「優等生🌸」には決定的な弱点がある

　勉強ができて、挨拶などもきちんとでき、周りの子どもたちからも一目置かれている。

　ときどき、嫉妬で「ゆ・う・と・う・せ・い！」などと、悪意をもって呼ばれることもあるが、言っている子も、優れていることは認めているものだ。

　確かに、「面白みがない」という非難を、余裕をもって笑顔でスルーすれば、人生においてよく言われる「勝ち組」で居続けられるはずだ。

　ところが、そんな「優等生」にも、かなり年齢を重ねるまで気付きにくい、しかも「決定的な弱点」がある。この弱点は、優等生を妬んでいた生徒たちにはあまりない「弱点」なのだ。

🟩その決定的な弱点とは？

　実は、かなりの優等生に共通の「弱点」とは、「負けること」に弱いところだ。

　もし、あなたが「優等生」を自任していて、この弱点にピンとこなければ、これから「それ」がやってくるかもしれないということだ。

　私は、つい数か月前まで、塾講師をしていたので、この「優等生」の没落をかなり見てきた。

🟧「優等生🌸」の没落はどのようにして起こるのだろう？

まず、原因から考えてみる。

　たった一つの原因に帰着すると思う。つまり、「負けてしまったときの、メンタルの保ち方」を学習していないのだ。

　人間は、経験のないことに対する対処に関しては、優秀生であろうがなかろうが、必ず「へた」である。しかし、まわりの子どもと遊んだり、勉強しながら、「負ける経験」を積んでいき、対処方法を学んでいくのだ。

　普通の子どもは、かなり早いうちに、この経験を味わうことになる。なぜなら、自分より優秀な子どもがいっぱいいて、負ける頻度も高いからだ。

　しかし、「優等生」は、小さいころからずっとできる子でいたため、「負ける」ことなく、今に至っている場合があるのだ。

🟪「優等生🌸」が試されるとき

　そのような「優等生」とは言え、人である以上、集中力が続かないこともあれば、徐々に学習意欲が薄れ、成績が下がり始めることもあるのだ。

　また、本人の学力が下がっているわけではなく、難関高校などを受験し、合格した場合は、まわりの学力が今までとは比べ物にならない程、上がる場合もある。

　どちらにしても、成績が下がり「負ける」経験が現実になったときの「優等生」の心の中を覗いてみよう。

✅否定期
　まずは、否定から入るだろう。「こんなことはあり得ない。ちょっと調子が悪かっただけだ。」と。

　本当は考える力があるのだから、現実を認めて、対策を立て、次の試験に臨むという方法が、思いつけないわけではないのだが、初めての経験なので、自分が「負ける」ことが、信じられないのだ。心理学的には、決して不思議な反応ではないのだ。

✅言い訳期
　その生徒は、きっと次の試験も今まで通りの試験勉強をするだろう。そして、やはり「負けてしまった」とき、自分やまわりに言い訳を考える。

　「今回は、試験前にインフルエンザにかかってしまったのが、原因に違いない。」そして、まわりも、自分もその言い訳を信じてしまうのだ。

　それでも、人生、自分より上の奴は腐るほどいることに気付けば、「いい経験ができたので、次のステージに向かってスタート」できるのだが・・・

✅投げやり期
　この、「言い訳期」を過ぎても、「負け」を認めない場合には、今まで戦っていたステージを降りることになる。例えば勉強というステージで戦っていた生徒は、勉強で他の生徒と競争することをやめる。

⚽　タイプＡ：勉強以外で勝てる、集団に所属して、その中のトップを狙う。例えば、地元のサッカーチームに所属し、サッカーしかしなくなるなどだ。しかし、この逃げ方はまだ、良いほうかもしれない。

🏠　タイプＢ：戦わなくてもいいように、どこにも所属しない選択をする。例えば、家に引きこもり、他人との接触を断つ選択だ。

✖　タイプＣ：「自暴自棄」と「偽悪趣味」が重なると、悪い仲間と行動を共にするかもしれない。

🟫「優等生🌸」は優れているが、たぶん一番ではない！

　今までの話は、勉強における「優等生」であるが、どのような「戦いの場」にも通じる。どの世界にも「他の人より優れた能力を持っている人」は存在する。しかし、どのように優れた人であろうとも、その上は、絶えずいるのだ。

　人生の早い時期に、そのことに気付いてほしい。

　上を狙うことは間違いなくいいことだ。しかし、そこでは、好むと好まざるとにかかわらず、競争が起こる。

　そのとき、勝敗に焦点を当てすぎると、今回の「優等生の悲劇」を招く。

　自分の求める物を得るための、「努力」こそ価値があることなのだ。勝敗に固執してしまえば、「必ずいつかは負ける」のだから。

⬜最後に

　そして、その「初めて負ける経験」は、年齢を重ねれば重ねる程、深い傷になりやすく、治りにくい傷になってしまう。

　早いうちに、強い相手と戦い、「負ける経験」に慣れておくのも、ワクチンの働きをするかもしれない。

　もし、テストでライバルに負ける経験をした生徒がいたら、老婆心ながら、

「今回は失敗したが、これは良い経験だ。大人になってからじゃなくて本当に良かった！」と、肩を叩きたい。

「霧は必ず晴れ、雨は必ず上がる。明けない夜はない！」

💛「ECSワークショップ」という会社のような名前の個人ブログを、教育をテーマに、開いています。覗いてみてくださいね。⏬😀