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国連人権理事会、ロシアの資格停止で何が変わる?

国連総会は7日に開いた緊急特別会合で、人権理事会でのロシアの理事国資格を停止することを賛成多数で可決したとニュースになっていますね

最近、思うのはこういう国際的な組織での責任追及がどれだけ戦争を止めさせたり、抑止する力になるのかなぁ?ということです。

核の力を後ろ盾にして、天然ガスの輸出で相手国のインフラを押さえているなかで長続きする戦争、、、

戦争とは関係ないスリランカで食料品や燃料の不足や高騰でデモが起きています。

なんか予想外の速さで世界に影響が波及していますね

でも力で抑え込むやり方で始まったウクライナ侵攻ですが力で解決するのではなく、やっぱり話し合いの中で完結をしないと悪い前例になっては困ります。

今回の人権理事会投票前に
ウクライナ国連大使は、資格停止は選択肢ではなく義務
と発言していました。

大虐殺の映像と人権という言葉が頭をめぐりながらも、今日は

(1)国連人権理事会とは?
(2)理事国の資格停止で何が変わる?
(3)今回の総会決議、反対と棄権の内訳は?

とみていきながら

人権侵害を組織的に行っている国が、人権保護の役割を担うべきではない

と今回の決議に対して思いました。

(1) 国連人権理事会とは?

今日もニュースでキーウ近郊の悲惨な映像が流されて、戦争犯罪という言葉がひしひしを重く感じました。

合計47ある理事国ポストは地域ごとに割り当てられています。

その理事国ロシアの資格停止は、ウクライナでの民間人殺害や人権侵害の指摘を国連の場で否定してきたロシアが、国際社会で孤立を深めていることを印象づけることになります。

提案国となった日米欧にとって成果といえそうですね。

過去に資格はく奪されたのは、反政府デモを武力弾圧したリビアが、2011年3月に資格を停止さてた事以来だそうです。

今回の侵攻中に、非人道兵器である白リン弾・対人地雷の使用が疑われていて、人権無視は戦争の常であると実感しています。

この「人権理事会」とは人権侵害への対処などを任務とする国連総会の下部組織として活動しています

人権理事会は、人権侵害の申し立てを調査するために調査委員会や事実調査団を設置することを行います。
また、加盟国を支援し、必要な改善を行い、かつ侵害を非難するために政府との対話も行うのです。

その任務の実施に当たっては、国家、政府間機関、国内の人権機関、NGO、その他の市民社会の主体と互いに協力する形で活動をしています。

(2) 理事国の資格停止で何が変わる?

国連の偉大な業績の一つは、人権法の包括的な機構を創設したことであると言われています。

普遍的かつ国際的に保護されるべき人権の法典で、
すべての国が同意し、
すべての人が願望する権利

の法典です。

今回の資格停止処分は、国連が、市民的、文化的、経済的、政治的、社会的権利など、国際的に受け入れられる幅広い権利の定義を行ってきたことに対しての処分ですから国際的な信用度が下がる事を意味しています。

理事国のもつ人権問題に関する様々な決議の提案や会議での発言のほか、決議への投票の権利がはく奪されました。正確には資格停止前に自ら脱退したのですが、、、、

異例だったのは、今回は

安保理の常任理事国が、国連機関の資格を停止されるのは初め

だったことです。

安保理の常任理事国とは、国際的な立場に立ち自国の利益だけを見つけるのでは役不足とみなされます。

安保理常任理事国としての信用も失いつつあるように思います。

ウクライナでの民間人殺害に非難が高まるなか、ロシアは今後、自国の行動の正当性や責任をより厳しく問われることになりそうですね。

(3) 今回の総会決議、反対と棄権の内訳は?

今回は賛成多数で決議されたのですが、ウクライナ侵攻が始まって3回目の決議で少しづつ変化が見られます。

賛成国は93カ国

3月2日非難決議(賛成141カ国)
人道状況の改善を求めた24日の決議(賛成140カ国)と比べて約3割減りました。

反対票5カ国→24カ国 約5倍に急増

中国,ベトナム,イラン棄権から反対へ転じています。
主な理由は性急な動きに懸念を示していて、
「加盟国間の分裂を悪化させ、関係者間の対立の火に油を注ぐものだ」
と発言しています。

棄権票も38カ国だったのが、58カ国と約5割増加

インドネシア、ブラジル、タイなどは前回の賛成から棄権に回わりました。

人権理が3月上旬に設置した調査委の結果を待つべきだと主張する国や、対話の場からの排除が多国間主義の理念に反するとしてロシアの資格停止に反対する国が棄権しました。

6日にはロシアの国連代表部が加盟国に対し、7日の採決で反対するよう求める書簡を送ったことも明らかになっています。ロシアからの圧力に躊躇した国もあったのではないか?と思われます。

今回の決議を

米大統領は「ロシアの孤立示す一歩」だと述べています。

と喜びました。

ロシアが「戦争をして得した」という前例は絶対に作ることは出来ません。

しかし、国際世論も一枚岩ではなくなってきており、欧米が主導で進む形になってきています。

スリランカや多くの国の貧しい一般市民が物価高騰の煽りで生活が苦しくなるのであれば、痛みのある制裁に簡単に参加しろとは言いにくいですよね。

ただ、今の情勢であれば賛成しなくても、ロシアが侵攻を続ける限り経済制裁は続き、物流や物価の高騰を続く可能性が強いです。

だからそこを憂慮して反対しても、戦争が止まらなければ意味がありません。

そして、この戦争が終わった時に人権について

人権侵害を組織的に行っている国が、人権保護の役割を担うべきではない

これも事実だと思います。

1日戦争が伸びれば、確実に亡くなる人が増えて行きます。

平和を1日でも早く、、、世界の願いが実現するように、出来る小さなことを考え続けるのが大切だと思います。

#ウクライナ侵攻 #人権委員会 #資格停止 #安保理 #日経新聞

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