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薄情屋遊冶郎
2020年5月13日 01:21
急に生活が変わったとして、すぐに眠れるというわけではなかった。自分の一日は夜から始まり、様々な事を一つひとつ熟考して、ノートを閉じる。その時間が始まるのは、どうやっても夜でなければならなかった。去来する思いの本質は、やはり夜にしか現れてはくれず、書き漏らすまいとことばを端から拾わなくなってからも、絶えず自分の周りに渦巻いていた。拾う必要は無くとも、そこにあるのはどうにも気分の良いものでは