見出し画像

SNS時代は「直感的にわかる文章」じゃないと伝わらない

これまでは「読めばわかる」という文章を書けばOKでした。

でも、SNS時代になって「読めばわかる」では伝わりにくくなりました。情報があふれてしまって、みんな忙しくなったからです。「最後まで読んでもらえればわかるんで!」と言っても、なかなか読んでもらえない。

いまは、多くの人に伝えたいなら「直感的にわかる」文章が必要だ、というのがぼくの実感です。

減少スピードが鈍化? 下げ止まり??

このあいだ、

感染者の減少スピード鈍化 下げ止まりも

というニュースの見出しを見たんです。

ぼくはこれを見て、瞬時に理解できませんでした。

「えっと、結局、感染者は増えてるんだっけ? 減ってるんだっけ? いいことなの? 悪いことなの?」って。「下げ止まり」ってどういうことだっけ? 下がったまま止まってるってことだっけ?

もちろん「ちゃんと読めば」わかります。「感染者が減っていくスピードが鈍っている……ということはあんまりいい傾向じゃないな」とわかる。

でもTwitterでバーッと流れてきたときに、一瞬「ん?」ってなったんです。

別に悪い文ではありません。

でも、もし「瞬時に多くの人に誤解なく伝える」ということを目的にする場合は、もう少し「直感的にわかる」書き方が必要なのかもと思ったんです。

1〜2秒で脳に「来る」か

現代人は、すごく忙しいです。

Tiktok見たり、YouTube見たり、Netflix見たり……スキマ時間の数分のあいだにTwitterを流し見したり、こういうnoteを読んだりします。

よって伝える側としては、バーッとスマホを見ている1秒とか2秒のあいだに一瞬で脳に「来る」ような言葉を使わないと、なかなか伝わらなくなってきています。

これは「いい悪い」を議論しているわけではありません。

脳に一瞬で届くような直感的な言葉ばかり使うことが人間にとっていいことなのか? 豊かなことなのか? というのはまた別の話です。

ただ事実として、忙しい現代人にどうしても届けたいのであれば、直感的にわかる文章を書くことは、ある程度必要なのではないかと思うわけです。

直感的にわかる文章の作り方

じゃあどうすればいいのか?

いくつかポイントがあると思うのでお伝えします。

まずは「話し言葉を使う」ということです。

書くときはどうしても肩に力が入って「書き言葉」を使ってしまうのですが、スッと脳に入ってくるのは、やっぱり「話し言葉」です。

「話し言葉なんて、ちょっとバカっぽいな……」と思うかもしれませんが、そこは「相手に届ける」という目的なのであれば、別に躊躇することではありません。

たとえばこんな文を書きがちです。

速度を上げることが可能です。

たしかに読めば誰でもわかります。

でも、直感的にわかるかというと0.1秒くらい考える時間があるのではないでしょうか? 「速度を…上げることが…可能……そういうことか」って。

ふだんの友だちなどとの会話で「速度を上げることが可能なんですね」という言い方をすることはあまりありません。そこで「話し言葉ならどう言うだろう?」と考えるわけです。

すると、

スピードアップできます。

という言い方が思い浮かびます。

「それ、スピードアップできない?」 さらには「早くできないの?」という言い方もある。このほうが一瞬で脳に「来る」感じがします。直感的にわかります。

「可能である」は「できる」でいい。「減少する」は「減る」でいい。「上昇する」は「上がる」でいい。書き言葉ではなく、話し言葉で書くというのが直感的にわかる文章を書くひとつめのコツなのかなと思います。

言葉をビジュアルとして捉える

もうひとつポイントがあるとするなら「ビジュアル」の部分です。

ぼくが文章を書くときに気をつけているのは、文章をパッと見たときのビジュアル、見た目です。わかるでしょうか?

「文章の中身」というよりも(それも大切ですが)、「パッと見の印象」に気をつけるんです。

速度を上げることが可能です。
スピードアップできます。

この2つ、内容は同じですが2番目のほうが「ビジュアルとして」瞬時に入ってくる感じはないでしょうか?

この「見た目」に気を配るというのは、案外見落としがちのポイントだったりします。

長い文章でも、漢字が多すぎるとごちゃっと見えて読みにくくなります。改行が少ないと文字のかたまりに見えてしまって読みにくい。

そこでひらがなやカタカナを適度に入れたり、改行を入れたり、強調したい部分を太字にしたりして、文章の「デザイン」にも気を配るわけです。

ぼくは、パッと見で「読みやすそう」「わかりやすそう」と思ってもらうことを大切にしています。そのときは「文章を書く」というよりも、「絵を描く」「デザインする」に近い感覚です。

・書き言葉というよりも話し言葉
・文章の見た目、デザイン

このあたりに注意してもらえると「読めばわかる文章」ではなくて、脳にスッと入ってくる「直感的にわかる文章」が書けるのではないかなと思います。

以前書いたこちらのnoteもよろしければ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?