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#14 おっさんの読書感想文_三国志(横山三国志と北方三国志)
三国志って面白いなと最近感じます
三国志って面白いなと感じる今日この頃です。
今日、北方謙三の「三国志」全13巻を読了しました。昨年12月ごろから読み始めていました。年明けに台湾旅行に行きましたが、旅行の友としても持っていきました。海外での読書は、本の中の世界と、目を外した瞬間の世界のギャップが大きいです。このためか、日本での読書経験よりも記憶に残ることが多い気がしています。
それはさておき、北方謙三の「三国志」に加え、横山光輝の漫画版「三国志」も3回読んだことがあり、こちらも面白かったです。漫画を読み返すことはあまりないのですが、三国志だけは違うようで。
三国志は西暦200年頃の話、今から1800年前。これだけ前の話なので、史料が少なく書き手による創作による部分が当然に大きくなります。戦闘シーンのやり取りなどは、完全に100%創作でしょう。
横山三国志・北方三国志の人物描写の違い
横山三国志(以下、横山版)と北方三国志(以下、北方版)を読み比べて気づいた点です。
もちろん、両方とも三国志演義(これはこれで作り話なのですが)を元にし、劉備と諸葛孔明が主人公的位置づけであるのは同じです。
ただ、ストーリーの中にいろんなキャラクターがいて、群像劇。誰にフォーカスを当てるかで歴史の切り取り方が変わるというか。
北方版も、基本線のストーリーは同じではあるものの、劉備と諸葛孔明は主人公でないのでは?と思ったくらいの扱いでした。
北方版は、曹操、呂布、張飛の描写に特に好意的なものを感じたからです。
呂布
呂布はとにかく強いキャラ、という点は双方同じ描き方。ただ、横山版では残虐で頭の悪い荒くれ者として描かれていましたが、北方版では乱暴だけれど優しさや、気品すら漂うような描写が多かったです。
張飛
張飛も北方版では劉備のために汚れ役を引き受け、繊細な気遣いを見せる一方で、横山版ではシンプルに単細胞かつ荒らくれ者キャラで終始一貫していました。よく考えているような描写は一切なかったです。
曹操
曹操についても、横山版では曹操の残虐さを表すエピソードのシーンとして、こんなシーンがありました。
戦いに負けて逃げる時に自分を匿ってくれた家で、家人達が食事を出すために豚を殺そうと話しているのを、自分を殺そうとしているのだと誤解し、皆殺しにしたうえ、そこから出発した後に見つけたもう1人の家人も、ついでという感じで殺すシーン。
ここまでやらなくていいのにな、と後味の悪さすら感じるシーンです。北方版ではこのシーンは全く描かれていませんでした。
他にもいろんな違いはありましたが、印象に残っているシーンを挙げてみます。
印象に残っているシーン
北方版の10巻で印象的だったのは、呉の孫権(帝)を支える文官である張昭が、呉の領土拡大ではなく呉の領内の繁栄を目指すつもりの孫権に向けて述べた言葉です。
「殿が領土を広げる必要がないと思われていることはわかっていますが、それを他の人には言わないでいただきたい。組織が成長を止めると組織は腐り始めます。だから、天下を一統することを目指すことを、将軍や文官の前ではお話しください」
組織は成長を止めると腐ること、成長の限界に至った時の対処はどうあるべきか、リーダーは常にストレッチしたビジョンを示す必要がある、などなど、色々考えさせられました。
日本でも、日本統一後に国外に活路を求め、そして失敗した豊臣秀吉の二度の朝鮮出兵を連想しました。
FREE AGENDA
豊臣秀吉で芋づる式に思い出したのが、よく聴いているポッドキャストFREE AGENDAの話。
(いきなりポッドキャスト話に飛んですみません)
#280 豊臣アントレ - FREE AGENDA by hikaru & yamotty - LISTEN
ホストの2人(ひかるさんとYamotty)が「当直線ゲームには終わりがない。戦いの物差しを変えていく必要がある」という話をしていました。
センチメートル→メートル→キログラム→フィート→2時間→・・・、戦っていくフィールドを臨機応変に変えていかないと、いつかは疲弊してしまうよって話です。
お金だけでなく、他の物差しや満足できる価値観(趣味もその一つ)を持たなければ、人生がつまらなくなるよ、という話だったと思います。
FREE AGENDAでは、はじめて自分のお便りを読んでもらう、という経験をしました。とても嬉しかったです。また書こうと思っています。ポッドキャストって、音としてログがずっと残る。ラジオで読まれたお便りとはまた、違う気がします。
#278 ラジオネームとは罠なのか - FREE AGENDA by hikaru & yamotty - LISTEN
お読みいただきありがとうございました。