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インバウンド商人を目指す友人たちへ

 私の周りにもインバウンド商人を目指す人が増えてきた。

 民泊をやるとか、書道のフリースペースを作るとか、ライブ配信をするとかご苦労様である。

 ガイジン相手の商売をする理由はシンプルに「お金」、外貨を求めて総理大臣から下々のほとんど稼いでないフリーランスまでインバウンド産業をさかんにしよう、勝ち馬に乗ろうと必死になっている。

 爆買い客を取り込もう、モノ消費よりコト消費、国の魅力を発信だ、地方の魅力を掘り起こせ

 日本の魅力の発信する方法を競わせる学生向けビジネスコンテスト(審査員は大手の広告会社の人が入っていたりしてめちゃくちゃ豪華)に応募しようと頑張っている大学生がシェアハウス「モテアマス三軒茶屋」にプレゼン資料を見てもらいにやってくる。

 広告業界に就職したい学生が自発的にやっている挑戦を止めるわけにもいかず、横で見ているが痛々しい。

 インバウンド産業は外人にだんだんと飽きられて勢いが落ちてくると思っている。外人の観光客が増えた理由は円安「日本が安くなったから」。日本の魅力が外国に伝わったからではなく、安く観光できるようになったから。魅力のある国に安く観光できるようになればそりゃ遊びに行きますよね。

 もともと日本は世界の中でもオリジナリティのある文化を持っている。歴史的建造物も残っているしアニメや漫画といった現代文化も創っている。観光地としてのポテンシャルは高い。文化の安売りをしないでそれなりにやっていけば外国からの金持ちもそれなりにやってくる。

 ただ、昨今のインバウンドを盛んにする取り組みは文化の安売りをやっているだけの感じがしている。今日本に来ている外人は円が安くなったから日本に来ているわけで、安売りになるのを待ってから買うお客のようなものである。もっと安く遊べる国が合ったら簡単に浮気するし、「安く行けるけどつまらない」と思ったら来なくなる。

 コンサル会社や広告会社にカネをかけて作ったインバウンド誘致のアイデアのほとんどが過去の日本人が作った文化のつぎはぎと焼き直しがほとんど。新しい文化を作るような画期的なアイデアはたいてい会議でつぶされる。結果的にやっていることは官民一体の文化の大安売りだ。
 おそらく外人向けに急ごしらえで作った文化は数年でふっとび、外国なんか意識しないでマイペースで活動している人がのちの時代に「21世紀の日本の文化人」と呼ばれるようになるだろう。
 インバウンドブームとはつかず離れず「商品は売っても魂は売らない」ぐらいのテンションで付き合うのがいいのかなと思う。
 



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