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ニート3.0的お金の使い方

 なるべく働かない生き方本だと「なるべく無駄な出費はしないようにしましょう。」といったことが書いてある。

 まあ、誰だって無駄な出費はしたくないけど、働かない生き方本の節約のやり方は普通の人の常識を超えている。
 コンビニはなるべく使わないように、基本自炊で料理も覚えて、ギャンブルはご法度、あたりの基本的な節約術も載っているが、
 電車をなるべく使わない、人間関係も断捨離しておこう、といった活動そのものをやめていく節約がページを割いて書かれている。

 この活動そのものをやめる節約、一時的に出ていくお金は減る。だけど人生を変えるイベントが発生しなくなってしばらくやっていると苦しくなる。例えば電車賃がかかるから遠出をしないということをずっとやっていると地元にへばりつくようになる。地元で人生を変えてくれるイベントが発生しないと「このまま年取って死んでいくのかな?」みたいなことを暇さえあれば考えるようになる。結局苦しくなって立ち直るのに時間かお金をつぎ込むようになる。仮に地元だけでわくわくすることがたくさん発生していたらなるべく電車に乗らないようになるかもしれないが、東京だとそういう場所の家賃は高い。

 もちろん遠くに出かければ人間関係ができると決まっているわけでもない。高い旅費を払って出かけたイベントがはずれだったみたいな事もたくさん経験している。でも経験するたびに「自分にとって最適な人間関係を見つける方法」が確立されていき、人を見る目も養われていく。「この人は心から自分を気に入っている。」とか「マウントを取りたいだけ」とか「歓迎はしてくれるけど、若い人なら誰でもいいと思っている」といったことが分かるようになっていった。こればかりはリモートでは身につかないしチャットGPTにもまねできない能力だ。

 人間関係を減らすことについては、維持するのにかかるお金とのコスパで選んでいくことになるわけで、「この人と話したい親睦深めたい。」って考えている時はちょっと高いお店も一緒に入ったりするけど、「べつにこの人と会うのに時間使う意味がある?」ってモードになると会おうともしなくなる。人と会わないと人間関係は作れないし、維持するためには時間とお金がかかる。何でもかんでも人間関係を減らしていくと今度は等身大の情報が入ってこなくなる。これも何度か経験している。孤独が不幸かどうかは人それぞれだが情報が入ってこなくなるので不便だ。周りの人間が便利に情報を手に入れていく中で一人だけ不便だと「ちょっと情報感度がワンテンポ遅れている人」みたいに見られて結構つらい。人間関係はしんどくならない程度に適当に選んで付き合うのが一番いいのかなと思う。

 人間関係というと普通の人にとっては大学を卒業してからどんどん減っていくのが常識らしいけど、私は「え、そうなの?」といった感じしかしない。むしろ大学を卒業する年齢の22歳から人間関係の量を比べてみると自慢ではなく年々進化している。今私の周りにいる人たちも人間関係を作るのがうまい人が多い。人間関係を作るのがうまい人は自分の意志で動いている。人の影響を受ける時もあるけれど最後は自分の意志で物事を決めている。集団の中でのんびりしていても人間関係は降ってこないし、その集団も自分の意志で探さないといけない。

 インターネットが発達して消えたイベントの中に「異業種交流会」がある。私もずうっと昔、起業塾に通っていた時代にベンチャー企業の人が集まる交流会に起業塾のコネで参加したことがある。名刺交換もいろいろやったけどよく分からない人が多かった。悪徳商法のような起業家クラブの人間が混じっていて、交流会の後の数週間後のネットニュースに実態が暴かれていた。まともに商売をやって儲けられる人は異業種交流会には来ないということを学んだ。インターネットが発達する以前は普段の交友関係の外に行くには異業種交流会みたいなイベントが必要だったのかもしれないけれど、インターネットの力で出会いたい人とダイレクトでつながれる時代になると誰ともつながれない人しか異業種交流会にいなくなるのでまた人が減る。
 情報感度が高い人はすぐに出会いたい人と繋がれて低い人は取り残される世界になってきている。ちょうど、新幹線ができて田舎から人が出ていってしまったように。

 私はお金の使い方は3種類あると思っていて、
ただ出ていくだけのお金(これはなるべく減らそう)
成長につながるお金(習い事とか本代とか、コスパを見て使おう)
コミュニティに使うお金(友達の作ったイベントとか、気に入った集団には無理のない範囲で課金した方が良いかなと思う。)

 ただ出ていくだけのお金はなるべく使わない方がいいけど、成長につながるお金やコミュニティに使うお金もケチっていくと人生を変える刺激が起こらなくなる。特にコミュニティに使うお金は長期的には循環しているのでなるべく同じモノやサービスにお金を使う時は友人知人から買うようにしている。
 まあ働かない生き方本のライターも出版社の人とはつながっているわけで失敗しながら最適な人間関係を作っていくことがニートにとっての貯金かなと最近は考えている。
 人間関係作りを早く上達させるには作るのがうまい人とつながる。コツを聞けば結構教えてくれる。あとは遊びの会とかでもリーダーをやると否応なしに人と会話したりするので人間関係は広がっていく。私もカオスライフを立ち上げて普段出会えない人とたくさん話した。

 

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