スウェーデン語の辞書をどうするかという問題(1)スウェーデン語-日本語
スウェーデン語を学ぶ上で大きな問題のひとつは辞書かもしれません。というのも Norstets Engelska ordbok という「英語-スウェーデン語辞書アプリ」が、App StoreからもGoogle Playストアからも無くなってしまったからです。購入した分はまだ使うことができますが、これから学ぼうという方は購入することができません。おそらく2010年ころにアプリが出て、英語を媒介するとは言え、多くの初学者がお世話になってきたと思います。そのアプリが使えなくなってしまったので、(辞書の)学習環境としては10年前に逆戻りしてしましました。そこで今回は辞書(語彙集を含む)の紹介を兼ねて、初学者がどうしたら良いかという問題を、3回ほどに分けて考えていきたいと思います。初回はスウェーデン語ー日本語辞典を紹介していきます。
1. スウェーデン語辞典(尾崎義 [ほか] 著, 大学書林, 1990)
収録語彙数43,000語。我が国最大の「スウェーデン語ー日本語辞典」です。構想は1960年頃から。刊行が1990年なので、実に編纂に30年近くかかった辞書です。すべての語に発音記号が付されてるのも貴重です。複合語・派生語・成句などもかなり掲載されています。ただ、刊行から30年以上経過しているので、古くなっている感は否めません。また、紙質と表紙の問題もあり、大きく重く携帯には適しません。計ってみらた1250グラムありました。そして一番の問題は25,300円という価格でしょうか。図書館での利用をお勧めします。たまに、古本で安く出ていたりします。私も神田の古本屋で5,000円で買った記憶があります。
2. スウェーデン語日本語辞典 (松下正三, 古城健志編, 大学書林, 1987)
収録語彙数は約20,000語。携帯できるサイズであり、値段も1万円を切っています。が、やはり上記の辞典に比べると内容は見劣りします。基本的には、見出し語とその訳が載っているのみ。こちらもたまに古本で安く出品されていることがあります。
3. 語彙集3冊
辞書ではありませんが、市販されている語彙集も3冊ほどありますので紹介していきます。
3.1 スウェーデン語基礎1500語(菅原邦城, クラース・ガルレーン編, 大学書林, 1987)
書名は1500語ですが、実際は1870語を含んでいる語彙集。発音記号や熟語・用例なども含まれます。辞書として使うというよりは、単語を覚えているかどうかの確認で使うのが良いかもしれません。
3.2 ニューエクスプレススウェーデン語単語集(速水望 著, 2011)
「ニューエクスプレス・スウェーデン語」の著者による単語集。スウェーデン語-日本語と日本語-スウェーデン語の部から成ります。スウェーデン語-日本語は、アルファベット順の掲載で約3000語。日本語-スウェーデン語の部はジャンル別の掲載で約1000語。現在は残念ながら品切れ中の模様(2022年3月現在)。これも、辞書として使うというよりは、確認のために使うのがよいかもしれません。
3.3 スウェーデン語の基本単語 : 文法+基本単語3000(松浦真也 著, 2010)
3部構成になっていて、第1部は発音と文法の簡単な解説。第2部が「分野別基本単語2100」で、テーマごとに単語がまとめられています。第3部は「単語力増強術」で「英語と類似した単語」・「接尾辞・接頭辞」ごとにまとめられています。分野別基本単語は作文をする時などに役に立つでしょう。また。接頭辞や接尾辞を扱った類書が日本語にないため貴重であると言えます。巻末に索引があるので、アルファベット順で引くこともできます。全体としては4500語ほど掲載されているようです。
4.無料の語彙集
ということでここまで、市販のスウェーデン語ー日本語辞書、および語彙集を紹介してきました。どれも一長一短な気がします。そこで、手前味噌ではありますが、私が公開しているスウェーデン語ー日本語語彙集はいかがでしょうか。語彙数約4800。見出し語・品詞・変化形・意味・注意すべき発音など、ある程度必要な情報は載っています。まずは、こちらで勉強を始めて、必要に応じて上記に紹介したものを購入するというのでも良いかもしれません。
現在、4.1版まで公開しています。4月までには最新の4.2版を公開できるようにしたいと思います。
次回はスウェーデン語-英語辞典の紹介をしていきます。
記事を読んでいただき、ありがとうございます。