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普通のサラリーマンがデザイン思考留学を決めたわけ。

こんにちは。イリノイ工科大学(Illinois Institute of Technology、IIT)にデザイン思考留学中のTakaです。

留学までの準備や内容を書き記す前に、なぜMBAではなく、デザイン思考で海外の大学院に留学をしようと思ったのかについて記載します。
理由は、以下の4点です。

1.コロナで顧客思考に変化が見られる中、ゼロから創り上げることができる思考に興味があったこと。
2.MBA取得者が多く市場が飽和状態であること。
3.人とは違う何かを勉強し、強みにつなげたかったこと。
4.日本人以外の海外で活躍する人は修士が基本であり、スタートラインにつきたかったこと。


1.コロナで顧客思考に変化が見られる中、ゼロから創り上げることができる思考に興味があったこと。

顧客を非常に大事にする企業に10年以上勤務し、企業活動の中で顧客思考の大切さは痛いほど学んできました。デザイン思考は「人間中心」がキーワードであり、サービス設計をする上での「顧客中心」に通ずるところが非常に大きくあります。
一方、コロナ禍を経験する顧客や我々の中で、大切にする価値観や求めるものが急激に大きく変化し、これまでのサービスや企業としての考え方では顧客に寄り添うことが難しくなっていると感じます。
顧客満足度が利益拡大に直結する考え方を正とした場合、顧客満足度を上げるためは、変化する顧客マインドに常に寄り添い、急激な変化にも迅速に対応する行動力と思考が大切なのだと痛感することが多くありました。今後何が起こるかわからない時代の中で、既存のサービスモデルを崩し、その時代を生きる顧客マインドにあったサービスを「ゼロ」から迅速に創ることが必要です。その手法がわからず手探りで事業を進めても、迅速さがかける可能性があり、効率的に進める方法を勉強したいと思いました。
日本でも最近は美術学修士等が人気であり、関連する書籍をよく目にするようにもなりました。日本での大学院進学も視野に入れましたが、デザイン思考を本格的に学ぶことができるのはアメリカとヨーロッパの一部であることから、海外でゼロから勉強したいと決意しました。

2.MBA取得者が多く市場が飽和状態であること。

一般的に社会人の海外大学院留学といえば、MBAが主流だと思います。きっと周りにもMBA留学を経験した方々がたくさんいるはず。特に日本でサラリーマンを10年程度経験した人は、さらに上を目指し経営の視点を身につけるため、またそれぞれの分野で最前線で活躍するために、MBA留学を選択することは、至極真っ当なことです。一方、MBA取得者が多く輩出される中、その中での競争が激しくなっていることも事実です。
全財産を投下し、あえて人と同じ道に進むことは、私の中では魅力的に見えなかったのです。

3.人とは違う何かを勉強し、強みにつなげたかったこと。

私は元々天邪鬼です。人と同じである安心感はあるものの、どこかにつまらなさやもどかしさを感じてしまいます。特殊な環境にいることでcomfort zoneを超えることができ、その環境や行動に価値を見出す人間です。
今回の留学も、comfort zoneを抜けることで自分にしかできないことを身につけることに価値を見出し、さらに強みにつなげていきたいと思いました。

4.日本人以外の海外で活躍する人は修士が基本であり、スタートラインにつきたかったこと。

メキシコでの駐在期間中は、プライベートでは基本的に日本人とは関わりを持たず、メキシコ人や同世代の各国外交官と連んでいました。彼らとの時間は刺激的であり、世界に視野を向けて人生を歩む姿に憧れを持つようになりました。そこで気がついたのは、ほぼ全員が修士を経て視野を広げているところでした。外交官以外の友人も修士号を持つ人が多く、学歴コンプレックスを感じるようになったのも事実です。学歴が全てではなく、かつ学歴で物事を語るような人間にはなりたくないのですが、目指す自分になるための土俵に立つために必要だと思ったため、修士過程に進むことを決意しました。


ここまでは、志望動機書に記載した内容と、表立っては書けなかったけど実際には決断の決め手となった内容を記載しました。しかし、世の中にはたくさんの大学があり、デザイン思考の勉強ができるところはIITだけではありません。

なぜIITに決めたのか。

実は、IITにしか出願しておらず、ダメならまた考えようと思っていました。

それは、最初にデザイン思考に出会った佐々木康裕さんがIITでMDMを取得されていたからです。人とは別のことをやりたいと思いつつも、憧れには多分に影響を受けるこの性格、我ながら自分らしいとも思います…

佐々木さんの著書は、有名なこちらの本です。MFAと記載されていますね…これは美術学修士(Master of Fine Arts)であり、私が取得しようとしているMDM(Master of Design Methods)とは異なります。


加えて、短い準備期間の中で入学要件、特に英語の試験がTOEFL100点だけと最もリーズナブルであったこと、修士でコネクションを築くには現時点で世界で最も力を持ち求心力を持つアメリカが最適だと思ったこともあります。

入学要件
1.TOEFL(最低100点)
2.State of Interest(志望動機)
3.Portfolio(これまでの仕事の内容をcritical thinkingを交えて記載)
4.成績証明書(学士分)
5.Recommendation Letter(3通)

私が留学準備をするときに一番困ったのは、デザイン留学向けの書類作成についてなかなか情報がなかったことです。実際に提出した書類の作り方や内容については、また時間を見つけてしっかりまとめていきます。


今日はここまで。
サラリーマンだけどデザイン思考に興味がある、海外の大学院に進学してみたいといった方々に少しでも有益だと思っていただけたら幸いです。