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#06 【OneNote】他校との協働学習
広瀬・中川(2017)は、「小規模校・小規模学級が抱える課題解決のために遠隔学習をはじめとするICT活用が効果的である一方で、実施上の課題は散見され、多くの小規模校・小規模学級で日常的な活用にはいたっていない現実がある」と述べ、遠隔合同授業を行う上での課題を「機能面」「運用面」「指導面」の3つに分け整理しています 。中でも「指導面」については、学習意欲の持続が課題として挙げられており、「遠隔合同授業が日常化すると、学習形態の目新しさがなくなってくる。主体的に遠隔合同授業に取り組める学習内容の改善や授業展開などの工夫が必要である。」と述べています。
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdtpr/6/0/6_79/_article/-char/ja/)
「機能面」「運用面」については、GIGAスクール構想に伴い、各学校の整備が日々進んでいる最中ではないかと思います。私の勤務している地域においても、タブレット端末やMicrosoft365アカウントの他に、Web会議用の円盤型マイク(15個)と対応スピーカー(3台)、キャプチャボードやビデオカメラ(各3台ずつ)などが導入されており、遠隔合同授業を行うために必要な機材が揃っています。
詳しくは「遠隔合同授業② 〜ICT機器編〜」を参照(https://note.com/takayuki_wayama/n/n4a2152f75b58)
そこで、今回は「指導面」に着目し、Microsoft OneNoteを活用した実践についてご紹介いたします。
Microsoft OneNote
遠隔合同授業では、紙媒体のワークシートではなく、Class Notebook(OneNote)をデジタルワークシートとして活用しました。
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デジタルワークシートを活用したことで、児童は自ら情報を収集したり、整理・比較したりしながら主体的に取り組む姿が多く見られました。
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授業の感想はワークシートに入力させ、その感想に対して私から一人一人にコメントをしました。紙媒体と同じように、授業の感想と先生からのコメントをワークシートごとに残していくことで、児童は前時までの活動を振り返りながら意欲的に学習に取り組むことができました。
「ノートや鉛筆を使わない授業がとても楽しかったです。またこのような授業がやりたいと思いました。」
と、感想を書いてくれた児童が多くいました。ワークシートは入力を基本とするので、タイピングスキルの向上にもつながりました。
また、OneNoteをデジタルワークシートとして活用することで、働き改革につながると感じた教員側のメリットは以下の通りです。
働き改革につながると感じた教員側のメリット
○同じチームに所属する全ての児童(他校の児童含む)に対し、瞬時に配付することができる。
○児童の取組状況を随時確認することができる。
○ワークシートにリンクを貼り付けることができる。
(スクリーンショットにもあるようにFormsのURLを貼り付けることで、学習のふりかえりなどもワークシートから回答させることができる。)
○ワークシートを作成する際、ページ数や記述欄の行数やレイアウト等を気にしなくてよい。
○紙媒体ではないので印刷する必要がない。 など
遠隔合同授業に限らず、通常の授業でも活用することができます。
新年度、チャレンジしてみるのはいかがでしょうか。多忙解消にもつながるかもしれません。