塗り絵をしない理由
私は塗り絵が大の嫌い。小さな頃から。
日本人はなんで線の中に色をつけるのが得意なのだろうか。浮世絵の流れや、日本人の性質だろうか。漫画もそうだがやはり線の国。線で囲んでその中を色で塗る。根深く残るその枠を、私ははみだしたい。はみだした部分が個性である。
昔、ポルトガル大学での展示で一緒に絵を描いた大学生は色から塗って、そこから輪郭をつけていった。当時23歳の私は衝撃をうけた。
今、子どもに伝えるときも作品の計画はさせても下書きはできるだけさけるようにしている。
色ぬりは学校でやればいい。計画性や成功体験をさせたいなら学校でやればいい。失敗させないための絵はそろそろ教育の中で削るべきだ。絵の具をつけてその変化や現象によりまた作品が変わっていく。人生だってそうだろう。失敗したらまた絵の具をつければいい。道に迷ったら別のルートもある。道をまた戻ればいいし、人に聞けばいい。転んだら立ち上がればいい。
絵はすごい。そこに人の生き方があらわれる。有名な教育法「モンテッソーリ」、「レッジョ・エミリア・アプローチ」のイタリアも根幹は美術である。
塗り絵から大分話が逸れたが、はみ出た部分をいっぱい認めてあげるべきではないか。
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