「焦るな」という言葉が焦りを生み出す
声かけがもたらす心理的変化
「失敗したときのことをイメージするな!」
「今のミスは忘れよう!」
「焦るな!焦るな!」
こんな声かけ、よく聞きませんか?
選手の方は、このような声かけをされるとどのように感じますか?
トレーナーや指導者の方も選手時代があると思いますが、
このような声かけをされたあとに良いパフォーマンスを発揮できた記憶はありますでしょうか。
このような声かけがもたらす心理的な変化について今回は考えていきたいと思います。
明らかに焦っている選手に対して、つい焦るな!と声をかけてしまうトレーナーの方はぜひ最後までお読みください。
「ピンクのキリンのことは想像しないでください」
急に変なことを書きましたが、
おそらくあなたの頭の中には存在しないはずのピンク色のキリンが浮かんでいるのではないでしょうか笑
実は、私たちの脳は認識と同時にイメージするようになっています。
例えそれが否定文だとしても、関係ないのです。
あなたがピンクのキリンを想像したことが何よりの証拠ですね。
つまり、焦るなという言葉を聞けば聞くほど焦っている自分がイメージされ、それはそのまま更なる焦りにつながってしまいます。
焦るなと言ってしまうトレーナーの方の気持ちはすごくわかります。
むしろ私もそのタイプの人間です。
しかし、焦るなという声かけで選手のパフォーマンスが向上した経験が私にはありません。記憶にある範囲では完全に0です。
あなたの声かけはパフォーマンスアップにつながっているか
選手のパフォーマンスアップがトレーナーの仕事の1つとすれば、
声かけもその1要因です。
その声かけが、本当にパフォーマンスアップにつながっているかは、
常に吟味が必要です。
もし、あなたの声かけで選手のパフォーマンスが向上していないのであれば、
変えなければなりません。
ただし、声かけに関しては個人によって受け取り方も違いますし、
言い方や前後の状況によっても捉え方が変わりますので、
常に目の前の反応を細かく観察して考えましょう。
絶対的な正解がないからこそ面白いとも言えますし、難しいともいえるところです。
それでもヒントはあります。
それが前述した、人の脳は否定文を認識できず、すぐにイメージと結び付けるという特徴です。
特に焦りやミスした後など、ネガティブなイメージが浮かびやすい状況における、
「焦るな」
「今のミスは忘れよう」
といった声かけは逆効果となる可能性が高くなります。
そのようなときは、どんな声かけが良いのでしょうか。
これも答えはありませんが、私の経験も含めて一例を出してみます。
無意味と思えることにこそ意味がある
以前、海岸で各々がなんとなく拾ってきた石を積み上げるというワークを行いました。
(これがどんな意味があるのか、という話はまた別の機会に笑)
私は自分の石を積み上げ終わり、他の人が積んでいるときに
明らかに焦ってしまっているのが感じられたので、
「焦らずにいきましょう!」と声をかけてしまいました。
しかし、それで上手くいくはずもなく。。。。
そんなとき、そのワークを提案してくださった方が何気なく、
「日の出の海はどうでしたか~?」と他の参加者たちに質問を投げかけました。
(その会は日の出を見に行くことが1つの目的でした)
石を積み上げていない人たちで日の出の海について話しているそのとき、
ついに全ての石が積み上げられたのです!
このときに気付いたことが今回の結論になるのですが、
焦ってしまったりミスをしてしまった選手がすべきことは、
「次のプレーだけに集中する」ことです。
直前のプレーを思い出せるような声かけでは、
次にプレーに集中できませんよね。
それを実現するための声かけを考える必要があります。
ときに周りから見たら無意味に思えることも多いかもしれません。
しかし、声かけをする側が明確な意図をもち、
それを達成できる声かけこそがその場における正解、なのだと思います。
全てはパフォーマンスアップのために、
声かけすらもトレーナーが考えるべき要素だから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
理学療法士
JARTA認定スポーツトレーナー/NLPプラクティショナー
平山鷹也
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