そりゃ、のびハザだろ

タイトルの通り、個人的には断然のびハザだ。

「のび太のバイオハザード」という、(確か)PC専用のフリーゲームだ。同世代かつある程度ネットに親しんできた人間なら説明は不要だろう。内容としてはタイトルの通り、のび太がバイオハザードの世界で銃やナイフ、時にはロケットランチャーを武器にサバイバルする、RPGモノのゲームだ。

フリーゲームと侮るなかれ。このゲームはめちゃくちゃに面白い。冒頭時点で分かることだが、このゲームはとにかくのび太に容赦がないのだ。なんせ最初にハントしたゾンビは、のび太の実母だ。まだ小学生の子供だというのに(無人島?家出?なんのことですか?)、ゾンビ化したのび太ママが、のび太パパを「かゆうま」光景に出くわす。のび太はあまりの光景に言葉を失うが、もはや理性を失ったママに、子供を判別する能力はない。やむを得なし、強くあれかし我らが主人公と望まれ、のび太は台所の包丁を手に取り、ママだったナニカを殺害する。そこから先が気になった方は、是非プレイしていただけると私もうれしい。

このゲームに"厚み"を加えたものといえば、複数のクリエイターの手で編み出された改造版の数々ではなかろうか。どこかのどなたかが初代「のびハザ」に感銘を受け、あまつさえ世界観崩壊どころではないゲームにさらなる混沌を呼び寄せた。その混沌にあてられ、再びどこかの何方が、狂気をスパイスに新たな料理を編み出した。それが再び誰かの創造欲を刺激し……今では何作あるのだろうか、のびハザシリーズって。改造版にはそれぞれ個性があって非常に面白い。死神からチートアイテムをもらえたり、某違法薬物を自宅トイレで拾ったり、またある時は謎の虚空間でめちゃつよ美少女と戦ったり……凡庸な思考の人間ではまず思いつかない。さらに当時のインターネット普及率から妄想するに、ある程度のインテリジェンスが生み出したゲームなのだと考えると中々社会の深淵を覗いた気になれる。

話は変わるが、とあるゲーム会社のバイトに応募したとき、好きなゲーム欄に「のびハザ」と書いた。それが原因ではないだろうが、まぁ、普通に書類で落とされた。


#心に残ったゲーム

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