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【読書】阿久津隆著『本の読める場所を求めて』を読んだから感想文を書くね
本との出会い方でもなく、読書術でもなく、本を読む場所について言及した本。
オシャレな本屋や読書グッズなんかは存在するけれど、読書専用の場所って存在しない。
ブックカフェなる場所もあるけれど、それは「本が置いてある」というだけで、読書をする為のカフェではない。お喋りを禁止されていないし、照明も読書に適してない。ただ「本があるカフェってオシャレじゃね?」みたいなコンセプトでつくられたような店。1人で読書してたら「本なんか読んでないで、とっとと飲み食いして出てってくれないかなー」と店員に睨まれるような店。
実は「読む」という本のキモとなる部分を世間は蔑ろにしているのではないか? 本との出会いウンヌンとか、本と人との繋がりウンヌンとか、そんなことばかり。読むことなんてどこでだってできるでしょ?と言わんばかり。
しかし、本当にそうなのだろうか?
家では家族が話しかけてきたり、やらなければいけない家事を思い出してしまう。
カフェでは他の客の話に注意を奪われる。
図書館ではイビキや勉強してる人のペンのカチャカチャやノートのカリカリ音がノイジーだ。
そんな疑問をもった著者が、読書専用のカフェを立ち上げた、という話。そこでは読書の妨げになるものを極力廃している。お喋りはもちろんのこと、タイピング音がするからパソコン作業もほぼ禁止。何か書き物をするときは、ペンを置く時やノックの音は最小限に抑えなくてはならない。
すべての人が心地よく過ごせなくてもいい。ただ読書をする人が「今日はがっつり本を読んじゃうぞ〜」と思って来てもらうだけのカフェ。
著者の「読書できる場所って実はないよね?」という疑問や世の中の読書に対しての偏見(?)みたいなものにとても共感できた。
本書を読む前、この著者のお店は何かで聞いたことがあった。滞在時間によって席料が変動するシステムらしく、例えばコーヒー1杯頼んで4時間程度滞在すると、コーヒー代+席料で2000円弱かかるみたいなのを見て「高いなー、これじゃ行かないなー」と切っていた。
しかし、この本を読んでから考え方が変わったというか、「そんなに『読書専用』を標榜するのなら、ちょっと試しに行ってみるかな」くらいの気持ちにはなった。
私もこれまで何度か「本を読むのにうってつけのカフェ」みたいに紹介された店に行き、ガッカリした経験がある。
コロナが落ち着いたら、行ってみようと思った。