登山靴で登山をしたらびっくりしちゃった。登山靴の凄さを体感した話。
人生初登山をした話はこちらから。
その後、登山靴を買った話はこちらから。
登山靴を購入した週末に、再び天覧山&多峰主山を登ってみることにした。
しかし当日、飯能市では朝方に雨が降ったらしかった。だから、道は雨でぬかるんでいることは容易に想像できる。
登山靴がどれだけの性能か分からない中、雨でぐちゃぐちゃになった道を歩いていいものか。しかも人生2回目の登山。道具の性能は道具を扱う人間の技術力あってこそ活かされる。雨上がりの山道は小中学校の校外学習でも歩いたことがない。
足滑らせて、谷底に落ち、スマホも繋がらず、そのまま誰にも発見されずに死ぬかもしれない。
ここは大人しく飯能登山は諦めよう。天気のいい日に改めて行こう。山は逃げない。
だから今日は大人しく、登山靴履いて東京23区の山に登ったり、都内をぶらぶらウォーキングして過ごそうと思った。調べてみると23区内では愛宕山という山が最高峰らしい。標高25.7m。
街歩き用にも使えるという登山靴だったから、別に問題はない。
登山靴の紐を締め、家を出る。自転車に跨り最寄り駅へ向かう。
そして最寄り駅の改札に向かうエスカレーターに乗った頃、
「やっぱり山行きたい!」
ってなった。そのまま飯能へ行く電車に乗った。
今にも雨が降りそうな曇天だったが、予報では雨は降らないとのこと。降ったらすぐに下山するつもりでいた。
この時、時間はすでに14時を過ぎていた。まだ9月だったので、今から登っても日没までには下山できる。それに無理だと思ったらすぐ引き返せばいい。
案の定、道はぬかるんでおり、所々で水たまりさえもあった。
スニーカーだったら間違いなく躊躇したり滑ったりしたりする道。しかし、登山靴だと安心感がある。
「お前はこういう道を歩くために生まれた靴だから大丈夫だよな?」
「おう、任せとけ!」
みたいな会話を何度か繰り広げた。
天覧山、人生2回目の登頂が完了。
道はグチャグチャだったがスムーズに登ってこられた。あっという間だと感じたが、これは靴のおかげなのか、それとも2回目だから慣れてきたのか。まだわからぬ。
続いてここから多峰主山を目指す。
木の階段は予想通り、水たまりができていて最悪のコンディションだった。前回と同じくスニーカーで来ていたら、靴が壊れるだけでなく泥だらけになって靴の中に水が浸透して最低なことになっていた。
しかし、ゴアテックスとかいう加工を施された登山靴は、水たまりにもぬかるんだ道にもビクともしない。
そして多峰主山、登頂。
上り坂に少し息が上がったものの、前回の苦労の100分の1くらいの労力で頂上にたどり着いた。これは「2回目だから」という以上に、「登山靴だから」という体感があった。
そして下山。
前回は多峯主山を下山する時、岩だらけの道を降りるところで非常に苦労した
しかし、今回は楽々と岩を降りることができた。
雨が降った後で濡れた岩場や土の上も、ほとんど苦も無く降りられる。
1回だけ泥の坂道で滑って尻餅をついたが、それでも「まぁ、そういうこともあるよね」くらいの余裕をもった気持ちで対処できた。
前回のスニーカー登山ではとてつもなく苦労した道が、今回は全く苦にならず、あっという間に登山口まで降りることができた。
ここで私は
「登山靴は最強じゃないか!」
という確信に変わった。
この感覚、初めてランニングシューズを履いてランニングをした感覚に似ている。街歩き用のスニーカーでもランニングはできるが、専用のシューズで走ると非常に快適。
その後はドレミファ橋を渡って吾妻峡へ。
この後が前回の最大の難所だった。
渓谷沿いの岩場をひたすら歩き、時には岩に登り、時には鎖の補助を借りながら歩く。ちょっとした冒険家気分を味わえたが、ここをスニーカーで歩くのは非常に過酷だった。
岩が靴の裏から突き刺さるし、最近買ったばかりのスニーカーが岩肌に削られて壊れてしまうのでないかと気が気じゃなかった。
だが、登山靴を履いた今回は、その不安感はゼロ。
靴の裏が硬くて滑りにくいし、何より「君はこういう道を歩くための靴なんだよね? それなら多少は乱暴な動きしても大丈夫だろ?」と思いながら歩けた。
前回の恐怖感が嘘のように足がスムーズに動く。
何も怖くなかった。靴が足をしっかり守ってくれたし、靴の方から「安心して歩いて大丈夫ですからね」と語りかけてくるようでもあった。
これは例えるなら、スーパースターを取得したマリオみたいな状態。私は無敵、の状態だった。足取りが軽く、ズンズンと前に進む進む。
そしてあっという間に吾妻峡を抜ける。
あとはひたすら飯能駅を目指して歩く。
前回はあんなにヒーヒー言っていたのに、今回はあっという間に乗り越えてしまった。むしろ、物足りなさを感じた。
もっと早い時間にくればもう一周できた。行くかどうするか悩んでいる時間がとても無駄だったと後悔した。雨でぬかるんでいようが、登山靴なら大丈夫に決まってるだろ💢と過去の自分を叱責したかった。
しかし、あと1時間くらいで日の入り時刻になるので、泣く泣く飯能駅に戻り帰宅。
結局、雨に降られることなく快適な登山であった。
今回で人生2回目の(自ら進んで行う)登山だったが、登山靴を使えばこんなに軽快に楽しく歩ける。
登山を本格的に始めるか分からない状態で登山靴を購入した私だったが、この買い物は大当たりだった。
お金よりも「やってみようかな」を優先させてよかった。
次の飯能登山は、天覧山と多峰主山に近くの低山を登るコースを組み立てて縦走してみたい。
これは本当に登山にハマってしまうかもしれない。
このままずっと歩けるくらい快適に山道を歩けた。心なしか上り坂もスニーカーの時よりキツくなかった。
「よし、次は高尾山に挑んでやるぜ!」
そんなわけで、登山が趣味になるかもね!の私である。
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