あなたに押し売りプレゼント。
今日は夏休みで仕事はお休み。
お昼ごはんに残り物のカボチャ入りカレーライスを食べて、のんびり出かける準備。
化粧の仕方は普段と変わらないんだけれど、タイムリミットがない分、丁寧な仕上がりに。
なんだかいつもより綺麗になれた気がする。
髪の毛もフワッと巻いてみたりして、夜まで外でふわふわとした一日を過ごして家に帰ってきた。
旦那は飲み会で遅くなるんだけど、なんだか勿体ないような気がして、ずっと外着のまま、化粧も落とさずに待つ私。
白い粒々がたくさんついたイヤリング。金具に挟まれている耳が本当は千切れそうな程、痛いんだけれど、なんとなく見てもらいたくてずっとつけたまま待っている。
たまにブブッとソファの上で震えるiPhone。その音を耳にした私の心も期待に揺れる。
「まだ帰れそうにない。」と言っているクセして頻繁に送られてくるLINE。
そのたびに私の胸の中にモヤモヤと淀んだものがうごめく。
こんなにめかし込んで、こんなに遅い時間まで寝る準備もせずに待っているのに。どうして早く帰ってきてくれないのか。機嫌の悪そうな顔をしたサルのスタンプなんぞ送ってみる。
だんだん、自分がなにをしたかったのかを見失っていく。
「ああ、旦那に喜んでもらいたくて待ってたんだった。」
いつもよりお洒落にキマったから、ただ見せたかっただけだった。それを見た旦那は喜ぶだろうという私の勝手な妄想なんだった。
こんな時間までフル装備をして怒って出迎える私なんかより、寝る準備してお水でも用意して「先寝とくね」くらいの私の方が気楽で良いよね。
さっさとお風呂に入って化粧を落とそう。
冷静になって考えてみると、うちの旦那は美容院に行っても、どこが変わったかなんて気づいてくれるような人ではなかったなぁということを思い出した。
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自分の理想がどんどん大きくなっていって、それに応えてくれない相手に腹を立てることがあります。
彼のために美味しいごはんを作った♪
彼のために頑張って痩せた♪
彼のために思いを込めたプレゼント♪ とか。
相手に喜んでもらおうと思えば思うほど、それが叶わなかったときの怒りと悲しみのボルテージは上がっていきます。
逆パターンになってみると、「いや、頼んでねぇし。」という話であり、それで文句を言われるなんて、こんなに理不尽なことないですね。
そんな特別なことしてくれる相手のことを好きになった訳じゃないし、普段通りでいてくれるだけで良いなぁ私は。