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そのまんまで



今朝めずらしく

娘が号泣した


保育園に行こうと

階段を降りてるとき

急に顔を歪ませて

ポロポロと泣き

やがて絶叫


なにがそうさせたのか

聞いても泣くばかり


抱き寄せ

落ち着いたところで

いろいろ聞いてみる


「一緒に階段降りたかったの?」

「抱っこしてほしかったの?」

「寂しかったの?」

「なにか嫌だったの?」


ふと思いついて

「プールが嫌なの?」


すると

深くうなずいた


おとといから

保育園ではじまった

プール


縦割りの保育園

年上のお兄ちゃんたちの

やんちゃさに

時々圧倒される

もしくは

冷たいシャワー

太陽を反射した

眩しい水面

こどもたちの騒ぐ声


楽しいはずの

キラキラした風景や光景も


感受性が強い娘は

感受しすぎるのか


うなずいただけで

泣いた理由は

別のことかも


自分でも

わからないまま

泣いてるのかも


とにかく


「プールは今日はお休みしようね」

と伝えると

泣きやみ

登園した


別れ際

また涙がポロポロ

こういう涙は

久しぶりだった


最後には

頬を濡らしたまま

笑顔を見せてくれた


その笑顔は

とびきり可愛くて

とびきりたくましくて

とびきり

切なかった


帰りの車の中

わたしは泣いた


娘の笑顔を思い出して

久々に

ポロポロ泣いた


こういう涙は

久しぶりだった


蝉の合唱と

燃える太陽と

まぶしい空に

消し去られそうな日常で


わたしも娘も

ちゃんと生きてる


涙は

もっと

そのまんま

流していい


涙はもっと

日常的でいい

説明できない寂しさや

理由がわからないつらさもある


それでいい

そのまんまでいい


ちゃんと

生きてる証だから

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