太る原因は身体に肥満スイッチを入れてしまうから、らしい

ものすごい面白い本を読んだ。肥満の科学である。



本書の内容を一言でいえば、私達は特定の食べ物を食べる際に、意図せずして肥満スイッチを押してしまう事があり、それがブーストされてると太りやすくなるというものだ。


著者は肥満スイッチの作動点として、特に強いのが単糖類系の炭水化物をあげている。


例えばハチドリという、1分間に約80回も高速で羽ばたき、ホバリングしながら花の蜜を吸う鳥がいるのだが、ハチドリは花の蜜を大量に接種する事で一瞬にして脂肪肝となり、その蓄積したエネルギーを激しい運動にてリセットしているという興味深い知見をあげている。


僕も日常診療にて脂肪肝の患者さんが随分と増えたなぁという印象を前から持っていた。それまでは脂肪肝というと、どちらかというとアルコールを多飲する人によくみられた現象だったのだが、最近はアルコールを飲まないのに脂肪肝になる人がとても多い。


この現象が、現代の加工食品を通じた人類総ハチドリ化現象と言われて、ああ現代社会は色々と太りやすくなるような方向に、身体をブーストさせるシステムが発達してしまったのだな、と妙に納得してしまった。



ここまでの記述だと、よくある低炭水化物ダイエットの本とさして結論に差はないのだが、本著が面白いのは、単糖類の炭水化物以外にも、肥満スイッチが入る食べ物をいくつか挙げている点がある。それは…

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