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【お盆】元々の意味は逆さ吊り!?母親思いの釈迦の弟子から始まった日本の国民的行事【盂蘭盆会】

どーも、たかしーのです。

今回は、『お盆』について、書いていきたいと思います!


そもそもお盆とは?

先祖や亡くなった人の霊をお迎えし供養する仏教由来の行事のこと

お盆』とは、先祖や亡くなった人の霊をお迎えし供養する行事のことを言います。(またはその行事を行う期間のことも指します)
この行事は「 盂蘭盆会うらぼんえ」が起源であり、この「盂蘭盆会」の名前が略されて、一般的に「盆」「お盆」と呼ばれるようになりました。

盂蘭盆会の儀式の様子(台湾) CC 表示-継承 3.0

釈迦の弟子が供養によって母親を救った話がきっかけ

お盆の起源となった「盂蘭盆会」とは、旧暦7月15日を中心に餓鬼道で苦しんでいる死者を供養によって救う仏教行事のことを言います。
なお「餓鬼道」とは、仏教の世界観である六道において、常に飢えと渇きに苦しむ亡者の世界のことを指します。

「目連救母」(wikipedia)

「盂蘭盆会」は、仏教の経典「盂蘭盆経」に記された話が由来となった行事であり、釈迦十六弟子の一人である目連が、餓鬼道に落ちた母親を救うためにがんばったエピソード「目連救母」が元ネタとなっています。

その内容ですが、神通力第一といわれた目連は、ある日、自分の神通力で亡くなった母親の姿を見たところ、母親は餓鬼道に堕ちており、逆さ吊りにされて飢えと渇きに苦しんでいたそうです。
※ちなみに「 盂蘭盆うらぼん」とは、サンスクリット語の「ウランバナ」の音写語であり「逆さ吊り」を意味します。

目連 CC 表示-継承 3.0

この様子を見てしまった目連は、自分の神通力でなんとかして助けようとしますが、逆に神通力が自分の母親を苦しめる結果となり、これに目連は嘆き悲しみます。

このようなことがあったので、目連は釈迦に「何とか母親を救いたい」と相談したところ、釈迦は「自分の力は母親だけのために使うのではなく、同じ苦しみを持つすべての人を救う気持ちを持つように」と諭されたそうです。

それを聞いた目連は、 安居あんご(雨期に行われる僧の修行)を終えた修行僧たちに、食べ物や飲み物、寝床などを捧げたところ、修行僧たちはたいそう喜び、その喜びが餓鬼道まで伝わって、目連の母親は救われたそうです。

目連の孝行心に感銘を受けた釈迦が、盂蘭盆会を設け、餓鬼道にいる親族を救うことを奨励したとされています。

ちなみに、母親を救うことができた目連が踊り上がって喜んだことが、盆踊りの始まりとなったとも言われています。

日本には飛鳥時代に伝来

この「盂蘭盆会」が中国から日本に伝わったのが、7世紀頃、ちょうど飛鳥時代だと言われています。それから奈良時代に入り、733年、聖武天皇の時代には宮中の恒例行事となったと記録されています。

第45代天皇 聖武天皇(wikipedia)

その後「盂蘭盆会」は、次第に貴族社会や武家社会へと広がり、鎌倉時代末期には、民衆の間にも広がったとされています。

また、こうした広がりを見せるうちに、いつしか日本で古くから行われていた 魂祭たままつりとも結びつき、現在も行われているような先祖の霊を供養するお盆になったと言われています。

お盆休みは8月13日~16日が一般的

現在『お盆』は、8月13日から16日までの4日間に行われることが多く、これは「盂蘭盆会」が行われていた期間を新暦に直したものに由来しています。※地域や宗派によって異なる場合があります。

一般的なお盆の過ごし方ですが、まず、8月13日にお墓参りをして、迎え火を焚き、先祖の霊を迎えます。これを「迎え盆」といいます。

幕末期のお盆(wikipedia)

続く、8月14日、15日に、ご先祖様と一緒に食事をしたり、仏壇に供え物をお供えしたりします。

そして、8月16日に送り火を焚いて、先祖の霊を送ります。これを「送り盆」といいます。

大文字(如意ヶ岳) CC 表示-継承 3.0

ちなみに、京都の「大文字送り火」ですが、現在でも、毎年16日の夜に執り行われています。

この期間は、現在では「お盆休み」としても、定着をしています。
その理由は、諸説あるのですが、江戸時代、お盆に「藪入り」と呼ばれる帰省の風習があり、この風習が現在も受け継がれてきたから、と言われています。なお「藪入り」は、正月とお盆の年2回あったそうです。

なぜなんだ!?お盆の風習

なぜなすやキュウリで牛や馬を作るのか?

お盆の期間中に、なすでできた牛や、きゅうりでできた馬をよく見かけますが、これはなぜなんでしょうか。

これらは「精霊馬(しょうりょううま)」と言って、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、お盆に作られるものになります。

精霊馬 CC 表示 3.0

「きゅうりの馬」には ”馬に乗って早く来てくれますように”、「なすの牛」には "牛に乗ってゆっくり帰りますように"という願いを込めています。

なすときゅうりが精霊馬として使われるようになった由来は、江戸時代までさかのぼり、農家が多かった時代に、どちらも全国的に収穫される野菜であり、かつ手に入りやすく親しみ深い野菜であったから、と考えられています。

おわりに

今回は、『お盆』について、書いていきました。

2024年は、カレンダー通りにお盆休みを当てはめると、8月12日が山の日の振替休日なので、最大9連休(8/10~19)という方も多いかと思います。

ですが、南海トラフ地震臨時情報で「巨大地震注意」と発表されたこともありますので、万が一の地震には備えつつも、安全にお過ごしされることを願っております。

この他にも、歴史上の人物神話などをベースに、このような記事を書いていく予定ですので、是非フォローなどしてもらえるとありがたいです!

それでは!

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