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90年代の音楽を知らないアナタへ その39 THE COMFORT ZONE(91)/VANESSA WILLIAMS Gスポットへ誘うセックスソング
黒人女性初のミス・アメリカに輝いたヴァネッサウィリアムズは、MTV時代の音楽シーンにはそのビジュアル先行から当然の需要としてデビュー。アルバムとしては2枚目に当たる「COMFORT ZONE」は彼女のボーカリストとしての才能が発揮した、個人的にも90年代初期の名盤としてあげてしまうほど印象が深い作品である。
そんなアルバム「COMFORT ZONE」からのファーストシングルとしてリリースされた同タイトルトラックは、ヒップホップをベースにしながら、重たくなりがちなベースラインをライトに仕上げたキャッチーなダンストラックである。全体をエレクトリックにアレンジしてあるため、言い過ぎるとチープ、褒めるとフューチャーリスティックという聴く人によって意見が分かれそうな曲。この時期にしてはかなり攻めた歌だった。どちらにせよ、わたしは大好き。その曲のイメージがセクシーで若いヴァネッサのイメージにマッチして、アメリカではTOP10ヒットした。
「COMFORT ZONE」とはお察しの通りマ○コのことである。コンフォートやら、デリケートやら、サザンスポットやら、さまざまな表現があるが、比喩にしてあるとはいえ、かなり攻めた歌詞であることは、幼心にも分かってはいた。
ただヴァネッサは顔立ちを含め、根がエレガントなのでこんな歌を歌ってもディープなラブソングとかキュートなアイドルソングとして耳に届く。歌い手によっては下品に成り下がる歌であることを考えると、逆説的にいうと、歌い手によっては下品なエロソングもここまでレベルを上げられるという証明になったと考えると面白い。メロディはラジオフレンドリーであるが、内容はまったくR指定であったわけだし。
そしてこの曲を印象強いものにしているもう一つの要素はPVである。フューチャーリスティックと前述したが、それはこのPVからも伺える。タイトなボディコンスーツに身を包んだヴァネッサは、まるでバーバレラのようでチープで美しい。今でも通用するような衣装やPVでは全くないが、この時代では十分格好良かったことを想像させてくれるクラシックなクールさ。今の時代ではもっとカッコいいものが出来ると思うが、そうではないことのかっこよさ。この魅力、わかるかなぁ。