速読・多読に取り組むのは、精読ができてから-高島メソッド【第6回】
速読・多読は精読が終わってから
前回の記事では、高島メソッドは英語学習をする上で、文字通り「完璧な理解」を目指していると書きました。各回の目標は、「その英文を読んで、英語ネイティブが理解しているのと同等の理解をすること」です。
したがって高島メソッドは、中2で英検3級の英文から始め、英検凖2級に進み、中2の終わりには英検2級の英文に進みます。
このようにしていくと、例年、英検2級の文章を中3の夏休みには完璧に和訳することができるようになります。
中3の夏休み以降は、英文のレベルを英検2級からワンランク上げて、センター試験、共通テストレベルのものを扱います。
センター試験、共通テストは、毎年、全国のほとんどの大学受験生が解くものというだけあって、文科省が総力をあげて作成しており、英文の質が大変優れています。この優れた英文を教材として使うことで、大学受験への揺るぎない基礎力を身につけることができます。
実際、センター試験、共通テストの英文を完全に読みこなす力がつけば、難関大以外の入試問題はほとんど読むことができるようになります。
こうして「高島メソッド」では、普通は高校3年生が身につけようとしている英語の読解力を高校に入学するまでに身につけてしまうことを例年の目標とし、実際にその目標を達成しているのです。
書く力・読む力の基礎力をここまで高めることができれば、英語の勉強は「楽しみ」でしかなくなります。
高島メソッドで、速読・多読に本格的に取り組むのはここからです。
本格的に速読・多読に取り組む
速読とは「英語を速く読むこと」ですが、そもそも、共通のテストの英文を精読する力がない人が共通テストの英文を速読しようとしても、やろうと思ってもやることはできません。
逆に共通テストの英文を精読する力がある人なら、それより下のレベルの英文、例えば英検2級の英文を速読をしようと思わなくても、速く正確に読み進めることができます。
これが速読力というものを考える際に1番大切なことです。
また、共通テストレベルの英文を速読するにはそれより低いレベルの英文をいくら読んでもその力はつきません。
これは、いくら漫画やライト・ノベルを沢山読んでも入試問題に出題されるような難しい論説文を読めるようにならないのと同じことです。
つまり、速読と言っても結局は「英文を1文ずつ正確に読み取ること」を速くしたものに過ぎないのです。
その意味で「精読は速読に論理的に先行する」のであって、精読もできていないのに、速読、多読を行おうとすることは「誤読をたくさんやっているにすぎない」のです。