偏差値プロット(生涯観戦人口vs残存率)から各ゲーム種の課題を更に明確化する

前回noteの検討では、各ゲーム種の生涯観戦人口と残存率(生涯1度でも観戦したことのある者が間近1年でも参加している比率)を参照しながら、各ゲーム産業の振興を①生涯観戦人口を拡大する、②残存率を高める、の2要素で解説を行った。今回はその検討を更に深めてみたい。

これは数回前のゲーム「参加」人口の分析時にも同様の検討を行ったが、各ゲーム種における観戦人口の増加は以下の2要素によって達成される。

①生涯観戦人口を拡大する
生涯観戦人口(生涯1度でも当該ゲームを観戦したことのある者)の拡大とは、生涯参加人口の拡大と同様に、ゲーム観戦の前提となる「キッカケの提供」に成功しているかどうかを前提とする論議である。これまで各ゲーム業界においては、ゲームのプレイヤー人口(ゲーム参加人口)の拡大を主たる指標として業界の振興が語られてきたが、近年ではゲームの「観戦」も動画配信サービス等の発展により年々大きなマーケットに成長している。この観戦者をを如何に増やしていくかは、ゲームの参加者を増やしてゆく事と同様に今後大切な施策となる。

②残存率の向上
残存率の向上とは即ち、上記の「生涯1度でも当該ゲームを観戦したことのある者」をどれだけの比率で継続観戦者(ここにおいては「間近1年の観戦体験者」)として繋ぎ止められるだけの、魅力と機会を提供できているかを前提とする論議である。一度でも観戦を体験した者を、如何にアクティブな観戦者として繋ぎとめ続けておくかが各業界の振興にとっては非常に重要となる。

この生涯観戦人口と残存率の2つの指標を、縦軸/横軸にとって各ゲームをプロットすると以下の図のような4つのゲーム種の区分が生まれることとなる。今回の検討では前回の「ゲーム参加」に対する分析で行ったのと同様に、その4つの区分にそれぞれ「勝利者」、「頑固オヤジ」、「お調子者」、「負け犬」と名称を付けた。改めて各事象を解説すると以下の通りとなる。

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