❨745❩1973.9.13.木.晴/アメリカ縦断への決意/ロサンゼルス:アメリカ合衆国
グレイ・ハウンドのステーションの中で、夜が明けた。
延々、十時間の勝負。体の中に残ったものは、疲労感だけ。
後部の三人用の狭い席で、寝ている間にロスへ入った。
ボーディングへ戻り、油っこい体を洗った後、地図を見ながら、バスから見た砂漠の光景を思い起こした。
安楽(比較的に)な日々の後には、過酷な旅が待っている。
アメリカ縦断は、口で云う程 生やさしいものではないと思っている。挑まなければならない。甘い自分に、思い知らせる時が再来した。
試練多きに24才に、俺は自ら、最後の苦難を与えてみたい。
最近の俺の顔は、自分でも思える程、きびしく見える。苦々しい表情が消えなくなった。
悪い事かも知れない。
でも、これまでの自分より、いくらか逞しく思えるが、虚心・虚勢だろうか?
それも、今度の旅によって解かる事である。
生きる一筋の道
そこに存在するのは
自らを制する
強靭な、ムチ打つ心
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