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「ムダ」ほど敬意を表すことに驚きました。『世界は贈与でできてる 資本主義の「すきま」を埋める倫理学』

『世界は贈与でできてる 資本主義の「すきま」を埋める倫理学』は、資本主義の枠外である贈与を定義するビジネス書です。
「贈与:モノを“モノではないもの”へと変換させる創造的行為」「贈与は、贈与を生まなければ無力である」「誰にも迷惑をかけない社会:自分の存在が誰からも必要とされない社会」など、人との最適なつき合い方が学べます。
特に「親の心子知らず:子は親の苦労を知ってはならない」の本当の意味での警告は、一方的な贈与に窒息しがちな現代人に苦言を呈します。
子どもは、親の苦労を知ってしまうと、負い目に耐えられなくなるからです。
ある意味、無知は自分を守る上で最適な方法なのかもしれません。

「答えが制限されている問いかけは呪いのレトリック」「アンサング・ヒーロー:その功績が顕彰されない陰の功労者」「勉強:まずは何はともあれ、世界と出会わなければならなかったから」などを通して、知られざる贈与の重要性を問うています。
特に「贈与は、それが贈与だと知られてはいけない」は、呪いのレトリックを解明する上で重要です。
「知られた贈与は呪いへと転じ、その受取人の自由を奪う」からです。
知られると、返礼の義務が生じ、贈与から交換へと変貌してしまうのです。
贈与の世界で生きているサラリーマンは、一度「贈与」の定義を考える必要があるでしょう。

#世界は贈与でできてる #資本主義のすきまを埋める倫理学 #NewsPicksパブリッシング #近内悠太

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