100歳分の生きる知恵を教えてくれます。『今を生きるあなたへ』
『今を生きるあなたへ』は、破天荒な人生を送った寂聴さんの最後のメッセージを受け取れるビジネス書です。
「人間関係において見返りを求めない」「仏教の極意“慈悲”/慈:人に楽を与える/悲:人の苦しみを抜き去る」「本当に好きになる:相手のすべてを許す/ダメなところも含めて好きになる」など、仏教と文学者という相反する価値観を、適度に交わらせて知ることができます。
特に「自分らしさ:やりたいと思うものに情熱を持って取り組む」は、「世間の価値観」や「世俗の道徳意識」より自分の情熱を大事にすることを教えてくれます。
なぜなら「国の為政者が変われば、道徳も変わる」からです。
「道徳:権力者が自分たちに都合のいいように作ったもの」だから、コロコロ変わってしまうので、自分の価値観と違っていても気にする必要はありません。
世間の空気や組織の圧力に屈してしまいそうなサラリーマンは、一度自分の価値観を貫いてみてみましょう。
「自分以外の誰かの幸せのために生きることがもっとも尊い」「充実感を得られる場所を見つけるには?/とにかく本をたくさん読む」「都合の悪いことは、すぐ忘れます/それが長生きするコツかもしれません」などを通して、生きる苦しみを軽減させる方法が学べます。
特に「仏教:この世は苦だ/苦しむことは、人間にとって運命のようなもの」は、苦しみに打ち勝つ方法を教えてくれます。
「苦労をする覚悟さえあれば、我慢なんかしないで、さっさと自分が好きなことをすればいい」とあるように、学校や会社でのいじめがあったら、すぐに環境を変えることです。
辛抱して自殺に追い込まれるくらいなら、そんな環境から抜け出せばいいのです。
会社でいじめられていた前山のようなサラリーマンは、死ぬことよりも場所を移ることを考えてみてはいかがでしょうか。