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田舎で最下層として扱われたい方は、田舎暮らしの幻想を貫いてください。『地獄の田舎暮らし』

『地獄の田舎暮らし』は、田舎暮らしを理想とするサラリーマンに夢をあきらめることの大切さを教えてくれるビジネス書です。
「できる人間の自負が強い:余生を静かに暮らす覚悟に至るには時間がかかる」「移住希望地が浮かんだら:当該町村誌の民俗編を読む」「自分のことは絶対に語らない:小さな集落での和を保つ秘訣」など、理想とは違う閉鎖的な田舎の実態を教えてくれます。
特に「過疎地域の健康保険料は地獄の出費」は、移住者を搾取しようとする地方の思惑を如実に表しています。
健康保険料は、「都会での上限:1000万円近く/地方での上限:300万円未満」と都会と地方とでは格段に差があるからです。
退職2年以内に地方に移住した場合、収入はないのに上限の健康保険料を支払うことになります。
地方の田舎に搾取されたくなければ、田舎暮らしという幻想は捨てた方がいいでしょう。

「地方移住のほうがかえってお金が破綻しやすい」「地元右派VS移住左派という対立軸が鮮明」「移住者:低所得で高コストの状態を前提に移住生活を想定すること」などを通して、しがらみで高い生活コストがかかる同調圧力的な息苦しさを実感できます。
特に「子育て:田舎暮らしは学齢期まで/学齢期からの個性ある教育や国際人教育は都会で」は、子どもをのびのびと自然の中で育てたい方が知るべき事柄です。
田舎は、「幼少期から他人と同じ振る舞いで生き延びてきた」ことから、「異なることに恐怖を感じる」性質があります。
小学校に上がってからは、常に同調圧力にさらされ、親子共にストレスがマックス状態になるからです。
「移住:気軽な旅の延長」とあるような転々とした移住生活を送れる方のみ、田舎暮らしを勧めます。

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