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これからの組織は、売上や利益などの「お金」を優先するよりも、従業員や顧客の「幸せ」を追求する方が発展します。『だから僕たちは、組織を変えていける やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』

『だから僕たちは、組織を変えていける やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』は、コロナ禍以降の新しい組織のあり方を教えてくれるビジネス書です。

「人々がお金で動く時代は終わり、より高次の欲求である幸せに向かいはじめた」「これからの組織は、統制から自走へ」「メンバー全員が均等に発言できる環境の構築が生産性の高いチームづくりにつながる」など、組織の論理より個人の幸せを優先した方が結果的に組織が発展することを示しています。

特に「20世紀の成長エンジンが21世紀の衰退エンジンに」は、今まで日本企業が突き進んでいたモノが、実は衰退するための仕組みだったというオチを意味しています。

「強圧的な命令→オープン化と価値変容→ハラスメントに」「賞罰の仕組み→創造的な仕事が激増→生産性を落とす」「規模の経済→お金よりスピードの重要性が増加→負に働く」「中央の意思決定→先の読めない経営環境→現実と乖離」「規律や評価→自律的な働き方が増える→機能不全に」と、これを見ると日本企業がなぜブラック企業と呼ばれるようになったのかがわかります。

ブラック企業に勤めたくないサラリーマンは、この視点から企業を見定める必要があるでしょう。

 

「心理的に安全な場は、必要条件だが、十分条件ではない」「お金視点の経営から幸せ視点の経営にシフトする」「言っていることではなく、やっていることがその人の正体」などを通して、複雑で難しい組織運営を行っていく必要があることを教えてくれます。

特に「学習する組織:再生を促す/発想を変える」「共感する組織:志を改める/調和を追求する」「自走する組織:能力を解き放つ/権限を分散させる」は、未来に突き進むための組織のあり方を示したものです。

この20年間で、組織像には3つのパラダイムシフトが起こりました。

「デジタルシフト:顧客の幸せを探求し、常に新しい価値を生み出す学習する組織」「ソーシャルシフト:社会の幸せを探求し、持続可能な繁栄をわかちあう共感する組織」「ライフシフト:社員の幸せを探求し、多様な人が自走して協働する自走する組織」の3つのパラダイムシフトです。

これからの組織は、「学習する組織→共感する組織→自走する組織」の順番で作り上げていく必要があります。

会社を消滅させたくない中小企業の社長は、強権的な昭和的な組織から脱出しなければ、生き残ることはできないでしょう。

 

オタクの視点から言うと、「外部から人をコントロールしようとすると、内なる動機が失われてしまう」に刺さりました。

オタクは趣味に特化した人間なので、他人からの命令には人一倍毛嫌いして、やる気をなくします。

「やる気を生み出す鍵は自己決定にある」と、命令では自己決定できないからです。

ある意味、オタクはドメスティックな日本企業に入ることが自殺行為だということを認識すべきでしょう。

 

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