東京オリンピックで金メダルを取ったモン族にルーツのあるアメリカ選手 スニーサ・リー
東京オリンピックの体操女子個人総合で金メダル、段違い平行棒で銅メダルを獲得したアメリカ選手のスニーサ・リーさんのルーツはモン族です。モン族は、もともとラオス、ベトナムの山岳地帯にすむ少数民族でした。なぜモン族が今アメリカに大勢いるのでしょうか?
ベトナム戦争のとき、ベトナム南部でゲリラ活動を行うベトナム民族解放戦線(ベトコン)を支援するため、北ベトナムは、大量の武器、弾薬を北ベトナムから南ベトナムに送りました。その輸送ルートとなったのが、ラオスとベトナム国境の山岳地帯にあるいわゆる「ホーチミン・ルート」です。
アメリカは、ホーチミン・ルートを遮断するため、もともとベトナム人(キン族)と仲の悪かったモン族を数十万人を雇って、軍事訓練を与え、武器を持たせました。
アメリカがベトナム戦争に敗北すると、モン族はアメリカに協力したラオス・ベトナムの敵となってしまいました。ラオスに成立した共産政権による迫害やベトナム軍による掃討作戦に遭って、女性・子供も含めて虐殺されたそうです。(ウィキペディアによる)
その後、数十万人のモン族が政治亡命を求めタイに逃げましたが、アメリカは優先的にモン族の亡命を認めて、現在、在米モン族は約30万人いるそうです。
アメリカでのモン族の様子は、「グラン・トリノ」というアメリカ映画に描かれています。この映画はイーストウッド監督の名作の一つです。
私は、スニーサ・リー選手についてネットで検索した知識しかありませんが、様々な苦労を乗り越えての金メダルだったのだろうなと思います。