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『銀の匙』の泉を求めて -中勘助先生の評伝のための基礎作業 (84) 就職事情(続)

 安倍さんの友人に宮本和吉(わきち)は、後年、安倍さんの妹のせつ子さんと結婚した人ですが、明治16年6月10日、山形県荘内に生れ、荘内中学を卒業して安倍さんや中先生の1年あとの明治36年に一高に入学しました。2年生のとき落第した安倍さんは、2回目の2年生のとき宮本と同級になりました。その後の経歴は安倍さんと同じで、明治42年に文科大学哲学科を卒業しましたが、仕事が見つからなかったところも安倍さんと同じです。

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中勘助先生は『銀の匙』の作者として知られる詩人です。「銀の匙」に描かれた幼少時から昭和17年にいたるまでの生涯を克明に描きます。

●中勘助先生の評伝に寄せる 『銀の匙』で知られる中勘助先生の人生と文学は数学における岡潔先生の姿ととてもよく似ています。評伝の執筆が望まれ…

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