『銀の匙』の泉を求めて -中勘助先生の評伝のための基礎作業 (133) 望岳荘にて
望岳荘に到着したころはもう夕暮れ時で、ちょうど夕食のお膳が運ばれてきたところでした。それで、このあたりははじめてですからちょっと散歩してきます、その間にどうぞ夕ご飯をいただいてくださいと申し出たところ、中島さんは夕食はいつでも食べられるが話は今しかできないと言って、また話し始めるというふうでした。それでもひと区切りのついたところで近所を歩いてみました。望岳荘は高台にあり、景色のよいところでした。天候のよい日には黒姫山が見えることもあるということですから、望岳荘という名前のとおりです。
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中勘助先生は『銀の匙』の作者として知られる詩人です。「銀の匙」に描かれた幼少時から昭和17年にいたるまでの生涯を克明に描きます。
●中勘助先生の評伝に寄せる 『銀の匙』で知られる中勘助先生の人生と文学は数学における岡潔先生の姿ととてもよく似ています。評伝の執筆が望まれ…
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