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『銀の匙』の泉を求めて -中勘助先生の評伝のための基礎作業 (151) 匂い菫の押し花に寄せる(その1)
7月24日、中先生は「けふは「たうとうこれを書くことになつた」と書き起こし、36年前の明治39年の年初にさかのぼって非常に長い回想を綴りました。『蜜蜂』の叙述をそのまま再現してみます。中先生の書庫に末子さんの本箱が置いてあり、中先生がそれを片付けていると、本箱に立ててある本の間から匂い菫の押し花が出てきました。包み紙に包まれていて、その包み紙のうえに、
《これはあなたと楽しくつくったすみれ、うつくしい思ひ出のたねとなるやうに 明治三十九年一月八日》
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中勘助先生は『銀の匙』の作者として知られる詩人です。「銀の匙」に描かれた幼少時から昭和17年にいたるまでの生涯を克明に描きます。
●中勘助先生の評伝に寄せる 『銀の匙』で知られる中勘助先生の人生と文学は数学における岡潔先生の姿ととてもよく似ています。評伝の執筆が望まれ…
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