プラット_アンド_ホイットニー_カナダ_PT6

父のお墓参り

昨年9月に父が他界し、昨日お墓参りに行ってきました。

エンジニアだった父は、生前、仕事のことやエンジン開発のことを、家ではあまり話すことはありませんでしたが、葬儀には会社関係の方を含め、多くの弔問客が訪れてくださり、びっくりしたのを覚えております。

父の勤めていた会社のご友人が読み上げてくださった過分な弔辞は、父の86年間の生き様を語っておりました。会社勤務時代は、本当に技術開発が好きで、出世欲もなく、ひたすら研究開発に没頭してきた人だったのだと、改めて感じました。

同僚のかたが読んでくださった弔辞の中で、私の心に深く残った言葉は、下記内容です。

”あなたは私たちに「内燃機関の研究・開発は、思考と実験を幾度となく繰り返し、真の姿に近づける努力が必要です。加えて、どのような分野であろうとも、固有技術は身を救うのだ」と教えて下さいましたね。 
〈中略〉50 年の⻑きにわたりご指導いただき誠に有難うございました。 
私にとってあなたは「気が置けない人」でした。いま、お別れの時がきました。 いつまでも見守っていてください。  ”

このように述べてくださった父のご友人に、そしてお世話になった方々へ、改めて感謝の意を表したいと思います。

私が生まれた頃で、父が一時期いたカナダの会社にて、父が数名のスタッフと共同開発した「PT6」エンジンは、1963年から量産が開始され、次の年から小型飛行機やヘリコプターに搭載され、今でも活躍しております。また、「GT15D」エンジンも手がけていたことを、父の友人から伺いました。

そんな頑張ってきた父に、私はたくさんの心配をかけてきて、最後の最後まで心残りをさせたまま逝ってしまった父に、できれば書籍になった本を、一番に読んで欲しかった、という思いがあります。

昨日のお墓参りでは、〈初出版の報告〉も伝えてきました。

私たち家族のために懸命に働いて下さり、そして孫達をたくさん可愛がって下さり、本当にありがとうございました。

去年の今頃は、ちょうど次男の東京大学の合格発表の時期でした。
入院している父に次男の「合格」の報告をしたら、とても喜んでくれました。
その時の父の嬉しそうな笑顔を、思い出します。



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